中国の周豪監督による同名映画を原作とした本作。中国の地方都市を舞台に、売春という方法で日々の糧を得ながら、他者との繋がりを求めて生きる若者たちの姿が描かれ、脚本・演出を空想組曲の
また主人公の男娼・水仙(スイシェン)役を北村、ゲイの自分に後ろめたさを感じながら、水仙との関係に溺れていく青年・夜来香(イエライシャン)役を
舞台冒頭で描かれるのは、水仙と夜来香の出会いの場面。北村扮する水仙は、松村演じる夜来香を仄暗いトンネルの奥へと誘い、1枚、また1枚と衣服を脱ぎ捨てていく。水仙との“夜”が忘れらない夜来香は、彼が客引きをしている場所へと赴くが、水仙は別の客と熱いキスを交わして夜の街へと消えて行ってしまう。あるとき、水仙らが拠点とする場所に平田演じる娼婦の薔薇が登場。はじめは反発し合う水仙と薔薇だったが、他者と繋がりを持つことができない互いの寂しさに触れるうちに、2人はよき“仕事仲間”に。そこへ、彼らを買いに来た谷口扮する刺が現れ、物語は不穏な方向へと動き出していく。
キャスト陣が体当たりで挑む濃厚なベッドシーンが話題となっている本作。無機質な石造りの壁に囲まれたステージ上では、至るところでラブシーンが繰り広げられ、身体を重ねる彼らの熱い吐息が観客を作品世界に引き込んでいく。北村は透き通るような白い肌と憂いを帯びた瞳で、路地裏を行き交う人々を魅了する水仙を体現してみせ、これまでイノセントな役柄を演じることの多かった松村は、実直さはそのままに、後ろめたさを感じながらも水仙に溺れてしまう夜来香を好演。また彼らが抱えるセクシャリティの問題や、家族との関係性など、丁寧に描写された各キャラクターのバックグラウンドにも注目したい。水仙、夜来香、彼らは苦悩の果てにどんな答えを見つけ出すのか、ぜひ劇場で見届けよう。公演は4月9日まで。
※タイトルのeは、アクサン付きが正式表記。
「Ye-夜-」
2017年4月5日(水)~9日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
原作:周豪(映画「夜」)
脚本・演出:
出演:
※タイトルのeは、アクサン付きが正式表記。
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やすチャン 야스짱 @E_yasutsugu
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