3月2日に開幕する、自身が率いるパリ・オペラ座バレエ団「ラ・シルフィード」「グラン・ガラ」の公演を控え、来日中のオーレリ・デュポン。今回の日本公演は、彼女が1年前に芸術監督に就任してから、初のツアーとなる。会見に現れたオーレリ・デュポンは、穏やかな表情でその意気込みを語った。
「今回のツアーのプログラムに関しては前任者のバンジャマン・ミルピエが選択したものです。ラコット版のクラシックなロマンチックバレエ『ラ・シルフィード』は、パリ・オペラ座のダンサーたちに愛されている作品」と説明。さらに「『グラン・ガラ』としては3本。『テーマとヴァリエーション』と、ミルピエ自身が私とエルヴェ・モローのために振りを付えてくれた作品『ダフニスとクロエ』。この作品で私自身もダンサーとして出演します。そしてジェローム・ロビンス振付の『アザーダンス』です」と続け、「ミルピエはよいエネルギーに満ち溢れた人で、彼を中心に行われるクリエイションも、皆が微笑んですすんでいくような暖かなムードに溢れた現場でした。ご覧になっていただくと、そのときの暖かな雰囲気が舞台からも溢れ出ているのではないかと思います。素晴らしい作品なのでぜひ楽しみにしていただきたいです」とアピールした。
「『アザーダンス』は、少しクレイジーな部分もある素敵な人物(笑)ジェロームによる、一見そうは見えないのですが技術的に非常に難しく、音楽的にも難度の高い作品。『テーマとヴァリエーション』については、実は最近キューバに行った際にアリシア・アロンソとお話する機会がありました。彼女のためにこの作品が作られたとは知らなかったのですが、たくさんの質問をしたので今回にも活かされると思います」と微笑んだ。
またオーレリ・デュポンは、昨日2月22日と本日23日に東京・Bunkamura オーチャードホールにて行われた東京バレエ団「ウィンター・ガラ」に出演。自身が出演する演目「ボレロ」について「この作品は私にとって一言で言えばプレゼント。これまでのダンスが変わってしまうような、ピナ・バウシュの『春の祭典』を踊ったときと同じようなインパクトをキャリアの中にもたらすダンスでした」と振り返る。「最後の瞬間にはトランス状態と言っていいような自分の体のコントロールが効かない感覚に陥り、それは体のコントロールを完璧にするはずのダンサーが、学んでいく仕事と逆の経験です。この独特な感覚を味わうためにすべてのダンサーが一生に一度はこのボレロを踊って欲しいと願っています」とメッセージを送った。
東京バレエ団「ウィンター・ガラ」は2月25日に神奈川・神奈川県民ホールでも公演。神奈川公演の「ボレロ」には、東京バレエ団プリンシパルの上野水香が出演する。パリ・オペラ座バレエ団の公演は、「ラ・シルフィード」が3月2日から5日まで、〈グラン・ガラ〉が3月9日から12日まで東京・東京文化会館にて行われる。
東京バレエ団「ウィンター・ガラ」
「ボレロ」「中国の不思議な役人」「イン・ザ・ナイト」
2017年2月22日(水)・23日(木)
東京都 Bunkamura オーチャードホール
2017年2月25日(土)
神奈川県 神奈川県民ホール
パリ・オペラ座バレエ団「ラ・シルフィード」〈グラン・ガラ〉
2017年3月2日(木)~5日(日)(「ラ・シルフィード」)、3月9日(木)~12日(日)(〈グラン・ガラ〉)
東京都 東京文化会館
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- 公演概要/パリ・オペラ座バレエ団 2017/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
- 東京バレエ団〈ウィンター・ガラ〉/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
- 東京バレエ団<ウィンター・ガラ> - 神奈川県民ホール
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