江戸川乱歩の8本の短編小説を、倉持が1本の演劇作品に再構成した本作。乱歩が得意とした2つのジャンル、“本格推理もの”からは「二銭銅貨」「二癈人」「D坂の殺人事件」、“怪奇・幻想もの”からは「お勢登場」「押絵と旅する男」「木馬は廻る」「赤い部屋」「一人二役」がモチーフに選ばれている。
出演には、
東京公演は2月26日まで。その後、3月1日に福岡・福岡市民会館、3月4・5日には大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される。
倉持裕コメント
「お勢登場」は、自分の得意技である構成力を発揮できた作品だと思っています。意外と「怖い」と仰ってくださるお客様も多く、またコメディの部分も笑っていただけたので、シリアスとコメディが良いバランスになっているのではないでしょうか。
俳優は皆さん、良いです。黒木華さんはお勢という悪女の色気を出して、芝居を引っ張っています。また片桐はいりさん、寺十吾さん、千葉雅子さん、そして梶原善さんというベテラン勢が、シリアスとコメディの色分けをコントロールしながら物語の大枠を築いていて、そんな中で水田航生くん、川口覚くん、粕谷吉洋くんは、軽さとスピード感を与えてくれています。明日以降、更に面白い芝居になると思います。
黒木華コメント
お客様の前で上演して反応をいただくことで改めて「お勢は物語の中でこのようにつながって、変化していくんだな」と実感することができました。お勢は魅力的な女性で、彼女が登場するオープニングも演出がとても格好良いので、私もそれに合わせて見得を切っています。見てくださる方が思わずドキッとするような不思議な魅力をまとえるよう、お勢の悪い部分、可愛らしい部分などをこれから更に膨らませて、作品の芯としてのお勢の存在を大きくできたらと思っています。
片桐はいりコメント
最初に戯曲を読んだときは、どうやってこれを上演するんだろうと思ったのですが、こんなに大変なことだったんだと今日改めて感じました。やり残したことや、新たな問題が沢山見えてきましたので、これから考えないといけません。人間がそれぞれ自分の裏側で隠していること、その多面性をお芝居の中で浮かび上がらせるようにできたらと思っています。まだまだやれるはずです。
梶原善コメント
こんなに登・退場の多い大変なお芝居は珍しく、初日をご覧になったお客様にも“生”な感じを味わっていただけたのではないでしょうか。明日からはもっと“スムージー”に、芝居のドキドキ感をより高めていけたらと思います。この作品は、おかしみのある普通の人間たちが、お勢という記号に嵌って突き進んでいくというところに面白みがあると感じています。その倉持くんの戯曲の素晴らしさをお芝居でも十二分に発揮していますので、これから見に来てくださる方はどうぞお楽しみに。
「お勢登場」
2017年2月10日(金)~26日(日)
東京都 シアタートラム
2017年3月1日(水)
福岡県 福岡市民会館
2017年3月4日(土)・5日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
作・演出:
出演:
関連記事
倉持裕のほかの記事
リンク
- お勢登場
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
れい Rei @theatre_grenat
黒木華、片桐はいりら出演「お勢登場」に倉持裕が自信「構成力を発揮できた」 https://t.co/WFSG6V37Cr