4月に香川・旧金毘羅大芝居(金丸座)で上演される「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の製作発表が本日1月30日に都内にて開催され、出演者の
1985年に初演された「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、1835年に建築された日本最古の本格的芝居小屋・旧金毘羅大芝居(金丸座)にて毎年行われている人気興行。「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露」と銘打った今作には、5年ぶりの出演となる雀右衛門や、15年ぶりの登場となる仁左衛門のほか、10年ぶりの
はじめに仁左衛門が「大好きな金丸座に15年ぶりに出させていただくということで、こんなにうれしいことはありません。今からワクワクしております。一生懸命がんばりますので、ご支援の程よろしくお願いいたします」と挨拶。雀右衛門は「松嶋屋のお兄さま(仁左衛門)の一座の公演の中で襲名披露をさせていただくようなもの」と恐縮しながら、「今回の公演ではお兄さまとは絡む場面がなく、1人でとても不安ですが……一生懸命勤めますので、皆さまに楽しんでいただければと思います」と意気込みを語った。
劇場への思い入れを問われた仁左衛門は「澤村藤十郎さんの尽力がなかったらこの公演はなかったかもしれない」と、「四国こんぴら歌舞伎大芝居」復活の立役者となった澤村藤十郎へ謝辞を述べ、続く雀右衛門は「今回は、妖術使いが登場する『忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門』や、狐が化けて出る『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ) 葛の葉』など、古めかしい劇場の風情に合った演目が多いので、お客さまにも楽しんでいただけるのでは」と見どころを挙げる。
また雀右衛門は「父が演じたように勤めるのが襲名公演だと思っています」と、父・四代目中村雀右衛門の演出を踏襲することを明かし、「同じ会場で長い期間(襲名)公演を演らせていただくのは、おそらく金丸座が最後。父と生前に『二人道成寺』を勤めた場所で締めくくらせていただけるのは喜ばしいことです」とコメント。さらに「自身が勉強不足であることを感じざるを得ない1年だった」と昨年2016年に行われた「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露『三月大歌舞伎』」からの1年間を振り返り、「これからより一層、『雀右衛門』という名前に即すような努力を続けなくてはいけない。最善の努力を尽くして、名前に近づくように勤めて参ります」と真摯に語る。これを聞いた仁左衛門は「この1年努力を積み重ねて、だんだんと『雀右衛門』という名前が身についてきていると思う」と評し、雀右衛門に微笑みかけた。
最後に2人から琴平町の住民や公演を観に訪れるファンにメッセージが寄せられた。雀右衛門は「公演期間中、町で私を見かけた際には、お気軽に声をかけていただければ」と呼びかけ、仁左衛門は「本当に楽しみにしております。期待を裏切らないようにがんばりますので、1回でも多く観に来てください」と公演にかける思いを語った。
「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、4月8日から23日まで。演目には、「忍夜恋曲者」「芦屋道満大内鑑」のほか、「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」「お祭り」「五代目中村雀右衛門襲名披露 口上」「新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)」がラインナップされている。また初日前日の7日には、金刀比羅宮成功祈願祭のお練りが行われ、千秋楽の23日は三味線餅つきを実施予定。チケットの一般販売は2月19日に開始する。
第三十三回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」
2017年4月8日(土)~23日(日)
香川県 旧金毘羅大芝居(金丸座)
第1部:「神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)」「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門」「お祭り」
第2部:「芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ) 葛の葉」「五代目中村雀右衛門襲名披露 口上」「新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)」
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