吉田の舞台初書き下ろし作品である本作の題材は、1970年から1990年代にかけて実在した結婚詐欺師・クヒオ大佐。「自分はアメリカ空軍パイロットで、カメハメハ大王やエリザベス女王の親類」と偽り、結婚話を交際女性に持ちかけては詐欺を繰り返した日本人だ。そんな彼の生きざまを、吉田は2009年に堺雅人主演で映画化。その存在を惹かれるうちに妻の存在を知り、「彼女のこともいつか映画にしたい」と考えていたという。
クヒオ大佐の妻役を演じる宮沢と吉田は、2014年公開の映画「紙の月」でタッグを組んだ仲。撮影終了後も交流を続けていた2人が「クヒオ大佐」の話題で盛り上がったことが、企画始動のきっかけになった。本作のメインビジュアル撮影で、素肌にスカジャンを羽織り、自転車にまたがる姿を見せた宮沢は、映画の中のクヒオ大佐に魅力を感じたと語り、「そんな詐欺師を彼女はどんな風に待っていたのかなとか、どんなことを考えながら生きていたのかなとか。彼女も彼女できっと相当な女性なんじゃないのかなと、同じ女性としてすごく興味が湧きました」とコメントしている。
宮沢が演じるのは、築45年のアパートの一室で洋裁の腕を頼りに生計を立てつつ、夫・クヒオ大佐を待ち続ける女。そんな彼女のもとに荷物を届ける、作家志望の男にハイバイの
公演は、5月19日から6月11日まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて。チケットの発売は、3月25日10:00よりスタート。
吉田大八コメント
一度は映画で決着つけたはずでした。しかし心の底にくすぶり続けた思いは消えず、こうして8年後、再びクヒオ大佐とあいまみえることになりました。おそらく皆さんは「なぜ、また?」とお思いでしょう。だから僕自身も、この作品を通じてその「なぜ、また?」の答えを探していこうと思います。同じくクヒオに魅せられた宮沢さんが、映画では描かなかった“妻”という位置からクヒオを照らしだす、その瞬間を想像して今から勝手に感極まっています。まあどう転んでも見ものなのは間違いないです。
宮沢りえコメント
映画「紙の月」でご一緒した吉田大八監督と今度は演劇を作ることになりました。信頼できる、大好きな演出家の方とまたお仕事ができることは嬉しいですし、クヒオという人の妻を演じることには興奮ととまどいを感じ、いろいろな気持ちの振り子が揺れているところです。特に今回は密度の高い劇場空間の中ですから、役者さんたちだけで生まれるものではなく、お客様とも一緒に何かを生み出せるはずだと思うと今から楽しみです。どうぞ、みなさんもぜひ私たちの共犯者になってください!
関連記事
宮沢りえのほかの記事
リンク
- 舞台『クヒオ大佐の妻』公式サイト
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
あさり @asarida
ビール買いに行ったファミマにポスターがあってビックリしたんだが、なんとクヒオ大佐がミュージカルに、しかも宮沢りえが主演って昭和だったらツービートのネタだよ、これ(^^;) https://t.co/RgMBa3ZRCj