ヴィクトル・ユーゴーの代表作「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」から想を得ている本作。15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼で暮らす男カジモドと、大聖堂聖職者フロロー、同警備隊長フィーバス、ジプシーの娘エスメラルダを軸とする、彼らの愛と友情と葛藤が描かれる。
通し稽古は、修道服に身を包んだアンサンブルが歌う「ノートルダムの鐘」で幕開け。カジモドの生い立ちや彼がフロローに養われる身となった因縁が、厳かな合唱によって語られていく。やがてカジモド役候補の飯田達郎が舞台後方から登場。おもむろに自身の手で顔を汚し、マントを羽織って、カジモド役へと変貌を遂げてみせた。
大聖堂に閉じ込められたカジモドが鐘楼の外への憧れを歌うナンバー「陽ざしの中へ」で、飯田は伸びやかな歌声を披露。聖堂の柱によじ登り、抑圧された思いを解放するかのように高らかに歌い上げた。続く年に一度の“道化の祭り”で繰り広げられる「タンバリンのリズム」では、エスメラルダ役候補の岡村美南が強くしなやかに舞い、祭りの熱狂を表現する。
そんなエスメラルダに惹かれていくフロロー役候補の芝清道は「地獄の炎」のナンバーで、聖職に就きながらも彼女に魅了されてしまう葛藤を低音で轟かせ、「手に入らなければお前を焼くぞ」と激しい思いを露わにする。対してエスメラルダと愛を交わす、フィーバス役候補の清水大星は彼女を救うため、上官であるフロローの命に背く。捕らえられ身分もなくなった彼が、平等な世を願ってエスメラルダと歌い上げる2幕のナンバーにも注目したい。
飯田は、本作を「愛にまつわる4人の関係を描きながら、『人間は、自分と異なる他者に接したときにどうすべきか』というメッセージも提起されています。15世紀末の中世パリでの出来事ですが、まさにこれは現代を映した嘘偽りのない人間ドラマです」と紹介。そして「カジモドという役を通して、その本質的なメッセージをお伝えすることができたら」と意気込んでいる。
公演は、12月11日から2017年6月25日まで東京・四季劇場[秋]にて。なおこのほど、本作のリターン公演が、2018年4月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて行われることが決定した。
飯田達郎コメント
このような素晴らしい作品の初演に参加できることを、大変光栄に感じています。
この作品では、愛にまつわる4人の関係を描きながら、「人間は、自分と異なる他者に接したときにどうすべきか」というメッセージも提起されています。15世紀末の中世パリでの出来事ですが、まさにこれは現代を映した嘘偽りのない人間ドラマです。
カジモドという役を通して、その本質的なメッセージをお伝えすることができたらと願っています。
劇団四季 ミュージカル「ノートルダムの鐘」
2016年12月11日(日)~2017年6月25日(日)
東京都 四季劇場[秋]
劇団四季 ミュージカル「ノートルダムの鐘」リターン公演
2018年4月
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場
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