2017年1月に上演される初春新派公演「華岡青洲の妻」の記者会見が、昨日11月29日に行われ、
有吉佐和子が手がけた「華岡青洲の妻」は、江戸時代に活躍した外科医・華岡青洲を題材にしながら、その妻・加恵と母・於継の争いや、家族たちの思いを描いた物語。なお春猿は、この公演をもって
於継役の水谷は「女の葛藤を絡めながら、日本が誇る華岡青洲という偉人の素晴らしさをお客様にお伝えできれば」と本作の見どころを語り、「やはり杉村(春子)先生の存在に押し潰されそうになりますね……。少しでも杉村先生に対抗する糸口を見つけられたら良いのですが」と於継役として活躍した杉村春子に思いを寄せた。
また青洲の妹・小陸を演じる波乃も「『華岡青洲の妻』は、20代の頃から、父(十七世・中村勘三郎)と(初代)八重子先生、杉村先生と演らせていただいている思い出深い作品です」と思い入れを語り、「今回は春猿さんと緑郎さん、そしてお姉ちゃま(水谷)とご一緒できて、役者冥利に尽きます」と心境を明かした。
妻・加恵役を務める春猿は「新派の女形として、女性の中にどう溶け込んでいくかが課題。違和感なくお客様に受け入れていただくにはどうしたらよいのか、模索しています」とコメント。これを受け、水谷は「普段春猿さんとお話していると、女子会のようになるんですね。今回新派に来てくださるにあたって、同性の友を迎えるような気持ちでおります」とほほえみ、春猿に視線を送る。さらに青洲を演じる緑郎は「数々の舞台で夫婦役を務めながら切磋琢磨してきた同期の彼と、新派で共演できることをうれしく思います」と喜びを語った。
また先日逝去した英太郎についても話が及ぶと、英の最後の舞台出演となった「九月新派特別公演」で夫婦役を務めた緑郎が「英さんの思いを忘れないように、魂のバトンリレーをして次の世代に引き継いでいきたい」と回答。続いて、登壇者それぞれが英の死を悼んだ。
2018年に旗揚げ130年を迎える新派。これに向けて春猿は「古典作品の継承、埋もれている名作の復活上演、そして新作をどんどん発表していきたい」と意気込み、水谷は「明治の現代劇からスタートした新派は、古典にも現代演劇にも含まれないんです。新派というジャンルをしっかりと確立することが私の生涯のテーマです」と力強く答え、会見を締めくくった。
会見終了後には、11月29日に誕生日を迎えた春猿へのサプライズとしてバースデーケーキが登場。また12月1日に誕生日を控える波乃への花束贈呈も行われた。「華岡青洲の妻」は、2017年1月2日から23日まで東京・三越劇場にて上演される。
初春新派公演「華岡青洲の妻」
2017年1月2日(月)~23日(月)
東京都 三越劇場
作:有吉佐和子
演出:
出演
於継:
華岡青洲:
加恵:
小陸:
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リンク
- 華岡青洲の妻|公演情報 日程・上映時間:その他の公演-歌舞伎・演劇|松竹株式会社
- 劇団新派 公式サイト
- 2016年1月・三越劇場『新派名作劇場』 | 公演情報 | 劇団新派 公式サイト
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