「吉例顔見世大歌舞伎」が本日11月1日に東京・歌舞伎座にて開幕した。
開幕に先がけ歌舞伎稲荷では先月10月に行われた「芸術祭十月大歌舞伎」の公演成功報告と、「吉例顔見世大歌舞伎」成功祈願祭を実施。芝翫、橋之助、福之助、歌之助らが、三田寛子の見守る中、それぞれに手を合わせ成功を祈願した。
その後、歌舞伎座前にて行われた初日挨拶には、あいにくの雨にも関わらず多くの観客が来場。「成駒屋!」の声援が飛び交う中、一人ひとり意気込みを語った。「胸躍る思いっていうのはこういうことを言うんだなと思います」と笑顔で語るのは芝翫。「今月は昼の部では親子揃っての連獅子。夜は憧れのお役ですね。初役で盛綱陣屋を勤めさせていただきます」と目を輝かせる。
さらに「連獅子は歌舞伎座さよなら公演のときに、亡くなった(中村)勘三郎の兄が『うちは3人連獅子だけど、お前んとこはね、息子が3人いるから4人連獅子ができるね』『なんだよそれ』『はっはっは』なんて笑ったのが、ついこの間のことのようでございます」と故・勘三郎とのやりとりを懐かしみ、「連獅子は親が子を蹴落としてその技量を確かめるという演目なんですけれども、ご覧の通り3人息子はもう大きゅうございますので、下手したら僕が蹴落とされてしまうんではないかな」と笑った。
続く長男の橋之助は「昨日も兄弟3人で家に帰ってから息を揃えるという部分で、(稽古の内容を)ビデオで見たり……」と芸の研究に余念がない様子を覗かせ、「勘三郎のおじ、(中村)勘九郎の兄、(中村)七之助の兄とはまた違う、成駒屋の連獅子をお見せできればいいなと思っております」とコメント。続いて福之助は「1日1日を大事に、勤めさせていただきたいと思います」と挨拶し、最後の歌之助にマイクがわたると、ギャラリーからは「かわいいー!」の声援も。はにかみながらも歌之助は「憧れのお役をやらせていただくので本当に楽しみです。一生懸命勤めます」と意気込み、全員の一本締めで締めくくられた。
なお「吉例顔見世大歌舞伎」は江戸時代に幕府公認の劇場である証として櫓を組むことが伝統になっており、今年も歌舞伎座の劇場正面玄関の上に設置されている。公演は25日まで。
吉例顔見世大歌舞伎
2016年11月1日(火)~25日(金)
東京都 歌舞伎座
昼の部:「四季三葉草」「歌舞伎十八番の内 毛抜」「祝勢揃壽連獅子」「盲長屋梅加賀鳶 加賀鳶 本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで」
夜の部:「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」「襲名披露口上」「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」「芝翫奴」
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「吉例顔見世大歌舞伎」芝翫親子4人で挨拶、長男橋之助「成駒屋の連獅子を」 https://t.co/dfqzZyDb2a
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