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「歓喜の歌」は、2004年に「志の輔らくご in PARCO vol.9」で初めて発表され、映画化とテレビドラマ化もされた、
舞台化は、東北6県の演劇鑑賞会の発案で実現。東日本大震災の被害を受けた演劇環境を復興させたいという依頼に、扉座が応える形となった。脚本・演出を手がける横内は「ネガティブな出来事が起こったにもかかわらず“今までにやったことのないことをやろう”という東北の方々の攻めの姿勢、情熱に突き動かされました。これに応えなければ劇団を長いことやってきた意味がない。まさに“命を賭けて”取り組んでいる最中です」と口火を切る。
“今までにやったことのない取り組み”とは、有志のコーラス隊が舞台上で合唱すること。青森演劇鑑賞協会事務局長の鎌田秀勝氏は「我々は観客組織ではありますが、一方で演劇環境の主役だとも感じていて。そこで今回は、観客も舞台の半分を形成しているということを目に見える形にしてみたいと思ったんです」と企画の狙いを明かした。
横内は「実は『歓喜の歌』以外に、同じく志の輔師匠の新作落語である『ガラガラ』と『ディア・ファミリー』を投入しています。落語はほぼそのまま使っていますので、面白い箇所はほぼ全て志の輔師匠の言葉。ただ音楽に関してはアレンジを加えています」と構想を明かす。続けて「原作のラストではクラシックを歌うコーラスグループ2団体が一緒に合唱しますが、僕らはゴスペルとクラシックを融合させてみました。演劇的な直感ですね」と語る。
音楽監督の深沢は「ゴスペルは『歓喜の歌』、すなわち第九のメロディを原曲にした『ジョイフルジョイフル』を歌ってもらいます」と補足。続けて「第九は選ばれた人だけが歌うイメージですが、『ジョイフルジョイフル』は映画の『天使にラブ・ソングを』シリーズでウーピー・ゴールドバーグが貧しい黒人に歌を教えたように、全ての人に向けたもの。この2曲をジョイントさせ、短縮してキーを変えるなどアレンジを加えました。幸せ、喜び、神からの祝福を感じながら楽しく歌っていただけたら」と会見場の後方に控えたコーラス隊に呼びかけた。
六角と酒井は今回、コーラスグループ2団体を混乱させてしまう、会館の頼りない職員コンビに扮する。六角は「俳優は合唱までの場つなぎ……」と漏らし記者の笑いを誘う一方で、「面白い芝居でラストの『歓喜の歌』にバトンをつないでいけたら」と意気込む。酒井はコーラス隊に「舞台に上がることって楽しいですよ。がんばりましょう」と語りかけ、場を和ませた。
会見後は実際の舞台にも出演する、有志のコーラス隊がパフォーマンスを行った。指揮者を前に歌い上げる「歓喜の歌」とパワフルな「ジョイフルジョイフル」が交互に展開されステージを盛り上げる一方で、合間にはタップダンスや桜吹雪も飛び出すなど華やかなステージが繰り広げられた。
「歓喜の歌」は、11月3日から13日まで東京・シアターX、11月19・20日に神奈川・厚木市文化会館 小ホールにて上演。その後、演劇鑑賞会によるツアー公演が東北6県13会場にて行われる。
厚木シアタープロジェクトネクストステップ 第6回公演 / 劇団扉座 第59回公演「歓喜の歌」
2016年11月3日(木・祝)~13日(日)
東京都 シアターX
2014年11月19日(土)・20日(日)
神奈川県 厚木市文化会館 小ホール
原作:
脚本・演出:
出演:
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