「星回帰線」向井理が語る、蓬莱竜太作品の魅力は「傷つけられるところ」

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「星回帰線」が、10月2日に東京・東京芸術劇場 シアターウエストで開幕する。公演に先がけ、昨日9月29日に囲み取材とゲネプロが行われた。

向井理演じる三島雄一。(撮影:細野晋司)

向井理演じる三島雄一。(撮影:細野晋司)

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「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)

「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)[拡大]

「星回帰線」は、モダンスイマーズの蓬莱竜太が書き下ろした新作。2013年の「小野寺の弟・小野寺の姉」以来3年ぶりの舞台となる向井理が、かねてより出演を熱望していた蓬莱作品で主演を務めることでも注目を集めている。

「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)

「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)[拡大]

本作の舞台となるのは、社会生活に疲れた人々が共同生活を営む、北海道・苫小牧の工房「白樺ハウス」。とある事情から、工房で暮らすこととなった主人公の産婦人科医・三島雄一(向井)は、経営者の藤原夫妻(平田満奥貫薫)や、工房の近所に住む伊勢崎狭江(野波麻帆)らと親交を深めていくが……。

「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)

「星回帰線」ゲネプロの様子。(撮影:細野晋司)[拡大]

閉ざされた空間で生じる軋轢を、蓬莱が繊細に描写。その中で苦悩しつつ、自分の行く末を模索する三島を向井が熱演したほか、鬱屈とした感情をぶつけ合いながらも、他者と関わろうとしていく不器用な人々の心情を、出演者の7名それぞれが丁寧に表現した。

「星回帰線」囲み取材の様子。左から野波麻帆、向井理、平田満、蓬莱竜太。

「星回帰線」囲み取材の様子。左から野波麻帆、向井理、平田満、蓬莱竜太。[拡大]

囲み取材に応じたのは、向井、平田、野波に加え、作・演出を手がけた蓬莱の4名。久々の舞台出演となる向井は「吐きそうになるくらい緊張しますね(笑)。一つの舞台が終わるたびにもう2度とやらないと思うけど、またやりたいと思ってしまうのが舞台の魅力。舞台でしか味わえない緊張感を大事にしていきたいです」と緊張の面持ちを覗かせながらも、力強く意気込んだ。

向井理

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また「蓬莱さんの台本の魅力は、(劇中で展開するストーリーが)日常の延長線上だったりするところ。蓬莱さんの作品を観ると毎回“傷つく”んですよね、いい意味で。今までは“傷つく”側だったけど、今回は観てくださる方をどれだけ“傷つけ”られるかが見どころだと思います」と蓬莱作品の魅力に言及。続く蓬莱は「今回、作品内で『イケメン』という言葉が多く出てきます。それはいい意味でも悪い意味でもあって。普段『イケメン』と言われることに対して、向井くん自身いろいろ思うところがあるんじゃないかと想像して書きました。『イケメンって大変なんだな』『向井くんみたいに生まれてこなくてよかった』と思ってもらえるような舞台にしたいと思ってます」と冗談交じりに語る。

このコメントを受けて向井は「蓬莱さんは当て書きされる方なので、『ああ、蓬莱さんは僕をこういうふうに見てるんだな(笑)』と。僕が演じる三島は、好かれたいというよりは嫌われたくないという気持ちが強い。そういう部分は似ているかもしれません」と役との共通点を述べた。

野波麻帆

野波麻帆[拡大]

また5年ぶりの舞台となる野波は「皆さんにしっかりついてこうと必死です。最後まで楽しく、新鮮さを失わずにがんばっていけたら」と意欲を見せ、平田は「今現在、いいチームワークなので、これを保ったまま約2カ月間の公演に挑みたい」とコメントし、「向井くんは立派な主役。安心して全てを預けてます」と微笑んだ。

さらに稽古の様子についても話が及ぶ。向井は「稽古中に登場人物のバックグラウンドなどの話をガッツリして、それを踏まえて台本が上がってくるので、生々しいなと。……台本が上がってなくても飲みに行っていろいろ話しましたね(笑)。だけど酔っ払ってても結局はセリフの話になるんです」と座組の裏話を明かす。「お客さんも逃げ場がないし、僕らも逃げ場がないという、小劇場ならではの密な距離感や空気感を楽しんでほしい。お客さんを“8人目の出演者”として巻き込んで、“傷ついて”もらえればと思います」と作品の魅力に触れながら、観客にメッセージを送った。

「星回帰線」は、10月30日まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストで上演。そののち全国7カ所の会場で巡演される。

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パルコ・プロデュース「星回帰線」

2016年10月2日(土)~30日(日)※10月1日はプレビュー公演。
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト

2016年11月2日(水)・3日(木・祝)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

2016年11月5日(土)~7日(月)
北海道 道新ホール

2016年11月11日(金)・12日(土)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2016年11月17日(木)~20日(日)
京都府 ロームシアター京都 サウスホール

2016年11月22日(火)・23日(水・祝)
広島県 JMSアステールプラザ 中ホール

2016年11月26日(土)・27日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場

2016年11月30日(水)~12月1日(木)
鹿児島県 鹿児島市民文化ホール 第2ホール

作・演出:蓬莱竜太
出演:向井理奥貫薫野波麻帆高橋努岩瀬亮生越千晴 / 平田満

※初出時、会場名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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Osamu_info @34_Liza

「星回帰線」向井理が語る、蓬莱竜太作品の魅力は「傷つけられるところ」 - ステージナタリー https://t.co/POuuT4xYbc
閉ざされた空間で生じる軋轢を、蓬莱が繊細に描写。その中で苦悩しつつ、自分の行く末を模索する三島を向井が熱演。
~💕楽しみ💕~

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