9月に「二代目
2016年1月に歌舞伎から
自身の移籍について「2013年の『婦系図』が、新派を志そうと思ったターニングポイントとなる作品でした」と振り返り、「(新派に出演したことによって)自分としてはいい作品が多いのにやる場がない、ということに対しての危機感を新派の皆さんと共有できた。そしてその一翼を担えればという思いが強くなったんです。新派の魅力は見ていただければわかる。とにかく見ていただくために『何をしたらいいか』ということしか考えていないです」と真摯に語った。
自身の目指す喜多村緑郎像を問われた月乃助は、「先日、市川猿翁師匠に襲名のご挨拶に伺った際に『あなたは先代像を追わなくていい。今まで市川段治郎・市川月乃助としてやってきたものの延長線上に、新しい喜多村緑郎を自分なりに作っていきなさい』とおっしゃっていただいて。先代は女形で、自分は女方の経験がほぼない立役。女方の芸を継ぐのではなく、『新派の精神』を受け継いで、その中で新しい喜多村緑郎像を作り上げていきたいです」と意欲を見せる。
また「喜多村先生は、僕が生まれる8年前に亡くなっているのでご一緒したことはないですが、『日本橋』の舞台映像で先生の動く姿を見て、超越した何かを感じました。雑念のない存在が舞台の上にポーンと立っているというのは、役者を目指している人みんなの究極的な目標。どうやったらそこに近づけるかわからないし、自信もないんですけど、いつかあの境地にたどり着けたらなと思います」と抱負を述べ、囲み取材をしめくくった。
「二代目喜多村緑郎襲名披露『九月新派特別公演』」は、9月1日から11日まで東京・新橋演舞場、9月17日から25日まで大阪・大阪松竹座にて上演。昼の部は「振袖纒」と「深川年増」を、夜の部は“初代喜多村緑郎本に依る”「婦系図」を披露するほか、昼・夜の部ともに「口上」がある。また同公演には、歌舞伎の舞台で月乃助と共演が多かった
「二代目喜多村緑郎襲名披露『九月新派特別公演』」
2016年9月1日(木)~11日(日)
東京都 新橋演舞場
2016年9月17日(土)~25日(日)
大阪府 大阪松竹座
昼の部
一、「振袖纒(ふりそでまとい)」作:川口松太郎
補綴・演出:成瀬芳一
出演:
二、二代目喜多村緑郎襲名披露「口上」
三、「深川年増(ふかがわどしま)」
作:北條秀司
演出:大場正昭
夜の部
一、二代目喜多村緑郎襲名披露「口上」二、「婦系図(おんなけいず)―初代喜多村緑郎本に依る―」
作:泉鏡花
補綴・演出:成瀬芳一
演出:大場正昭
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