ミュージカル「狸御殿」が、本日8月1日に東京・新橋演舞場にて開幕。本番前には報道陣に向けて、囲み取材とゲネプロが行われた。
取材には狸御殿の若君・狸吉郎役の
宮本は「20年ぶりの再演ですが、まったく古びておりません! むしろ今観たほうがいいくらいテンポよく仕上がりました」とアピール。「和物にオペラにバレエにいろんな要素を盛り込みました、いただいたチケット代の何十倍もの価値を感じていただけると思いますよ。日本でもこういうエンタメができるんだということを観ていただきたい」とできばえに自信を覗かせる。
また宮本は尾上の座長ぶりに言及。「全員をよく見ているんですね。最後まで残って全員をチェックして相談にも乗ってくれる。本当に心強かったです」と信頼を寄せている様子をうかがわせた。また「歌も演技も素晴らしい。できすぎていて怖いくらい。これだけジャンルを超えてプロとして映えている人は初めて見ました」と歌舞伎をはじめ、ミュージカルや現代劇にも出演している芸幅の広さを評価した。
その尾上は「現場の空気を亜門さんが引っ張ってくださって。明るく楽しく稽古を進めることができました。でも時々ふざけすぎて怒られることもありましたけど……」と隣にいる演出家を気にしながら発言。「初日を迎えられたのが本当にうれしい。これだけ一生懸命やってきたので成功させたいですね」と座長としての意気込みを語る。
ミュージカル初挑戦の瀧本は宮本から稽古初日に大泣きしたエピソードを暴露され、「感情が入りすぎちゃって」と照れ笑いを浮かべる。「狸の世界のシンデレラというような、ファンタジーあり、笑いあり、涙ありの作品になりました。自分がおとぎ話の世界にいるような気分になって本当に楽しいです。初めてのミュージカルはワクワクだらけでした。みなさん観に来てください!」と呼びかけた。
赤井は「稽古のときから歌を聴いているのがとても楽しかったです。ご覧になったみなさんもきっと楽しんでいただけると思います」と述べ、小倉は「どこを切っても楽しい作品です」と見どころを即答。「老若男女すべての方が楽しめる作品です。みなさんお越しください。そして終わったあとは演舞場前の喫茶店へ」と宮本の実家が営む店を宣伝した。
「私はひさびさに“二の線”というかシリアスな役どころ……」と言いながら噴き出してしまったのは渡辺。尾上から「自分で笑っちゃってるじゃないですか」とツッコまれると、初演できららの方役を演じた草笛光子を引き合いに出す。「草笛さんはおしとやかで美しい女帝だったかもしれないけど、狸に見えなかったかもしれませんね。私は完全に狸ですけど……(笑)」と再び笑い出すと、尾上から「シリアスな場面で笑うのだけはやめてくださいね。稽古場でしょっちゅう笑っちゃってましたからね、ホント気をつけてください」と笑顔でたしなめられていた。
ゲネプロは、本作の狂言回しを務める
尾上は狸御殿の若君として紳士然とふるまいながらも、どこか影のある役どころを豊かな表情で造形。見得を切るなど随所に歌舞伎の所作を取り入れ、迫力の立ち回りを披露する。瀧本は継子いじめや恋敵からのいじめに耐えるけなげさと、愛する狸吉郎に巡り合えた喜びを鮮やかに対比。舞台の上空を舞うフライングに初挑戦した姿にも注目したい。
1939年の
ミュージカル「狸御殿」
2016年8月1日(月)~27日(土)
東京都 新橋演舞場
演出:
原作:
脚本:
音楽:服部隆之
キャスト
狸吉郎:
きぬた:
語り部、のちに河童のぶく助:
十六夜姫:翠千賀
そぼろ:
泥右衛門:
白木蓮:
おくず:
おはぎ:
お蔦:
餅月満太夫:
きららの方:
ほか
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- ミュージカル『狸御殿』公式サイト
- 公演情報 日程・上映時間:新橋演舞場-歌舞伎・演劇|松竹株式会社
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「狸御殿」開幕!宮本亜門、座長・尾上松也を「できすぎていて怖い」と絶賛 - ステージナタリー https://t.co/Dc1jYrwdIT (staff)