せたがやこどもプロジェクト2016「音楽劇『兵士の物語』」の稽古場が昨日7月26日に公開され、演出・振付を手がけ自身も出演する
東京・世田谷パブリックシアターが毎年行っている子供向けプログラム「せたがやこどもプロジェクト」の一環として上演される本作は、イーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲を手がけた音楽劇。主人公の兵士が悪魔に翻弄される物語は変拍子に満ちた楽曲で彩られ、今回は7人の楽隊による生演奏が披露される。
披露されたのは物語の終盤、病気の王女(
近藤の演出を真摯に受け止める北尾は、悪魔(近藤良平)にたぶらかされるピュアな兵士役を時にやわらかく、時にコミカルな動きで表現。入手は長い手足を生かした優雅な踊りで王女を演じ、語り手の川口は抑えた口調ながらも、物語の進行を司る存在感を放っていた。
キャストの印象を尋ねると、近藤は「(北尾)亘はいい奴」と即答。「兵士の持つ、思った方向に突き進む無垢な側面を亘も持っていると思う。体と動きがやわらかいのも僕が理想としている姿に近いですね」と評価した。紅一点の入手については「楽隊も含め、王女以外はすべて男という布陣を意識的に敷きました。みんな変わった衣装を身に着け、楽器や小道具を手にしながら高さのある位置に立つのでそれなりに存在感があるはず。そこに現れてカッコよく渡り合えるのは、あれだけ背のある(入手)杏奈ならではですね」と紹介する。
川口に対しては「言葉を背負わなきゃいけないのは語り手の自分だということを、彼は理解している。そこが潔い」と信頼を寄せる。「この作品は会話劇ではないし、動きが多い分やりづらいところもあると思う。けど彼は言葉でできることの最大限を尽くそうとしてくれている」と続けた。
また近藤は、夏休み期間中の上演ということを踏まえて「ぜひ子供に見てもらいたい」とアピール。「クラシック音楽の生演奏をシアタートラムという空間で見られるのは貴重な機会です。客席からかなり近い場所で演奏しているので、音の力にびっくりすると思いますよ」と本作の見どころついて触れる。「といっても音楽だけだと子供は飽きてきちゃうので、そんな彼らを飽きさせないように工夫するのが僕の仕事。子供の目線になって作っています」と意気込んでみせ、コンドルズの公演で行っている影や人形を取り入れた演出をする構想を明かした。
せたがやこどもプロジェクト2016「音楽劇『兵士の物語』」
2016年8月5日(金)~11日(木・祝)
東京都 シアタートラム
演出・振付:
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー(ジョン・ケアウィによる新版1987年)
文: C.F.ラミューズ(英語版=マイケル・フランダーズ&キティ・ブラック)
出演:
演奏:三上亮、谷口拓史、勝山大舗、長哲也、阿部一樹、玉木優、西久保友広
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- 音楽劇『兵士の物語』
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