「怒り」森山未來、李相日からのオファー明かし「監督に心をかき混ぜられた」

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本日7月11日、映画「怒り」の完成報告会見が東京のザ・リッツ・カールトン東京にて行われ、主演の渡辺謙をはじめ総勢12名の出演者と監督の李相日、原作者の吉田修一、製作を担当した川村元気が登壇した。

「怒り」完成報告会見の様子。

「怒り」完成報告会見の様子。

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「怒り」は、ある殺人事件の容疑者として浮上した3人の男たちを中心に、彼らを取り巻く人々が信用と疑惑の間で揺れるさまを、千葉、東京、沖縄を舞台に描く群像劇。この会見には渡辺、森山未來松山ケンイチ綾野剛宮崎あおい広瀬すず妻夫木聡佐久本宝ピエール瀧三浦貴大高畑充希原日出子が出席した。登壇するやいなや、森山は「沖縄の疑わしき男をやらせていただきました」と、綾野は「どうも、東京の疑わしき男です」、松山は「千葉の疑わしき男です! 」とそれぞれ挨拶した。

「怒り」完成報告会見の様子。

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東京編で主要キャラクターを演じた綾野と妻夫木は、今回が初共演。藤田優馬役の妻夫木は「剛がいてくれたから僕は優馬として生きることができた。2010年に上映された『悪人』のときは『ようやく撮影が終わった!』とホッとしたんですけど、今回は終わってしまう切なさや悲しさがありました」と撮影を振り返り、大西直人役の綾野は「すべてが愛おしい時間でしたね。妻夫木さんは親族みたいな感じがあって、テレビに出ていたりすると『あっ』って思って手を振っちゃうんです。……すみません、イチャイチャするのやめます!」とはにかむ。それに対し高畑が「お互いのことが好きなんだなあと思って、すごく苦しくなりました(笑)」と話して報道陣を笑わせる一幕も。

続いて沖縄編の話題に。李からの熱烈なオファーを受けてバックパッカー・田中信吾役で出演した森山は「自分の役を捉えようとするよりも、現場の空気の中で僕が立っているだけでいいのではないかという気にさせてくれる現場でした。李監督にとにかく心をかき混ぜられた感じがしましたね。今も(田中と)ともに生きているような気がします」と振り返る。

「怒り」完成報告会見の様子。

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佐久本宝

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さらに沖縄に越してきた少女・小宮山泉役の広瀬は「泉という少女が抱いた感情が複雑で残酷すぎて、あまり記憶がないです……」と苦労を語り、李の演技指導が厳しかったことに触れながら「監督がごはんを食べている姿を見て、『監督も人間だ!』と思って(笑)。ある日、監督に『監督バカヤロー!って言っていいよ』と言われて、叫んだこともありました」と撮影時のエピソードを明かした。またオーディションで知念辰哉役を射止めた佐久本は「李組の過酷さを聞いていたので、どうなるんだろうかと不安でした。でも監督の演出はただ厳しいだけじゃなくて、愛情も感じられました」と緊張の面持ちを覗かせる。そんな2人について李は「正直ずいぶん叩きましたけど、そのたびにしなやかに立ち上がってくれた。魂の強さを持っている2人だなと感じました。広瀬さんは太陽、宝は海みたい」と称えた。

松山ケンイチ

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「怒り」完成報告会見の様子。

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千葉編に話題が及ぶと、田代哲也役の松山は「僕も(李組が厳しいと)聞いていたんですけど、なんでこんなに噂が蔓延してるんでしょうね? だって宝くん沖縄に住んでるんだよね!? 沖縄まで届いてるってこと? でもみんな嫌そうには言わないというか、そこに愛があるんですよね」と不思議そうに語り、槙愛子役の宮崎は「今までで一番監督と話をした現場ですね。台本を読んでも答えがでなくて、現場に行くといろんなものを剥がされるような感じがしました」と笑顔を見せた。

愛子の父親・槙洋平役を務めた渡辺は「(李は)夜中に帰ってきて、2時からステーキ食ってる人なんです。常軌を逸している! 千葉編はそんなに移動がないし、ダイナミックな話じゃないから、スタッフはみんな安らぎに来てた感じがしたよね」と茶目っ気たっぷりに話す。また宮崎が「(渡辺のことを)現場でも『お父ちゃん』って呼んでいて。2週間しか一緒にいなかったとは思えない濃密な時間でした」と振り返ると、渡辺は「俺、あおいちゃんには本当に幸せになってほしいと思っているからね!」と宮崎に声をかけた。

広瀬すず

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会見の終盤には、キャストたちへ「自分の出演パート以外の場面についてはどう思いましたか?」と質問が飛ぶ。森山は「(同性愛者の役を演じた)妻夫木さんのパーティでの振る舞いが素晴らしいと、僕の周りのその筋の方から大絶賛で!」と元気いっぱいにコメント。妻夫木は照れくさそうな様子を見せながらも「役作りで新宿2丁目に通ったりゲイの友達とパーティをしたり、剛と一緒に住んでみたりといろんな思い出が残っています。剛と一緒にいた日々は僕の中では真実なので、映画を観たときはみんなが泣かないポイントで泣いちゃいました」と明かし、宮崎は「同じ女性として、私はすずちゃんのシーンで心が締め付けられました。あの表情は忘れられないです」としみじみと語った。

「怒り」は9月17日より全国ロードショー。なお妻夫木は11月から12月にかけて上演される「キネマと恋人」への出演を控えており、森山は11月に行われる「メトロポリス」、高畑は2017年4月に上演予定の「エレクトラ」にそれぞれ出演する。

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(c)2016 映画「怒り」製作委員会

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

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