「母と惑星について、および自転する女たちの記録」が、本日7月7日に東京・パルコ劇場にて開幕する。公演に先がけ、7月6日にはゲネプロと囲み取材が行われた。
現パルコ劇場での最後の新作舞台となる本作は、母親を亡くした3姉妹が母の遺骨とともに旅に出る物語。長女・美咲を
舞台はシオの独白で開幕。2015年の「オレアナ」で初舞台を踏んだ志田が、2度目の舞台出演ながら落ち着いた様子でシオの葛藤を表現した。また旅における3姉妹の会話と回想から、母と姉妹との確執が徐々に明らかに。母を嫌悪しながらも、自分の中に母の面影を感じてしまう彼女たちの苦悩が細やかに描かれる。緊張感に満ちた対話が繰り広げられる中、優がジョークを言って美咲とシオを和ませる一幕も。そして3姉妹はこの旅を通して、母とは何か、子供とは何か、家族とは何かを自分自身に問い直していく。
囲み取材に応じたのは斉藤、志田、鈴木、田畑の4名。自らの役柄について斉藤は「すごくひどいお母さんの役なので、実際に自分の子供たちが観に来たらショックを受けるかもしれないですね。子供は役と私を混同してしまうこともありますから、昔『将来はスケバンになりたい!』と言われたときは私もショックでした(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。
短期間の稽古で本番に挑むことについて志田が「あと1カ月くらい稽古できたらいいのになあ」と本音を明かす。するとすかさず斉藤が「この人はもう(演技が)完璧なので大丈夫」とコメント。それに対して鈴木が「私も七夕の短冊に『あと1週間、稽古時間をください』と書きたい」と続けると「でもこの人も完璧ですから」と、斉藤はまたも母親のように優しくフォローした。
また田畑は「10年ほど前に初めてパルコ劇場に立ったとき、すごく必死だったのを思い出します」と振り返りながら、「パルコ劇場はとても温かくて、お客さんとの一体感を感じられる劇場。初心に返ってしっかり演じきりたいです」と抱負を述べた。また鈴木も「舞台上から客席を見ると、椅子の背もたれに皆さんが座ったあとが付いていて、それがハート型に見えるんです。ここにはお芝居が好きな人たちがたくさん集まってきたんだなとしみじみ感じました」と笑顔を見せる。
取材の最後に斉藤は「家では3児の母を務めて、仕事では連ドラをやって、舞台をやって……本当に大変でした。でもこの舞台は絶対にやりたかった。パルコ劇場は一番好きな劇場。最後の新作を演じられて光栄です。がんばります」と本作にかける思いを語り、取材を締めくくった。
東京公演は7月31日まで。東京公演ののち、8月4日に仙台公演、8月9日に広島公演、8月13・14日に北九州公演、8月16日に新潟公演、8月20・21日に大阪公演が行われる。
蓬莱竜太コメント
栗山さんと話をしていく中で、「女性の生き方」「血縁」「神話」など栗山さんから出たキーワードをもとに、母と娘たちの話を書こうと思いました。
海外を放浪する旅に出た3姉妹が亡くなった母の追憶をたどる中で、それぞれが見ていた母親像の違いがあらわになり、初めて知る母親の一面や、それぞれが抱えてきた苦労の違い、母親があえて3姉妹を差別化していたことなどを知って、母親という人物像の答え合わせをしていくイメージです。
また“生む”というのが今回のテーマの1つでもあり、奔放だった母親を見て自分が母になることに対して混乱する娘たちが、放浪した先に何を見つけ、どう帰るのか、というところも楽しみにしていただければと思います。
パルコ・プロデュース公演「母と惑星について、および自転する女たちの記録」
2016年7月7日(木)~31日(日)
東京都 PARCO劇場
2016年8月4日(木)
宮城県 電力ホール
2016年8月9日(火)
広島県 JMSアステールプラザ大ホール
2016年8月13日(土)・14日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 中劇場
2016年8月16日(火)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
2016年8月20日(土)・21日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
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