首藤康之×中村恩恵、言葉を発さず「ハムレット」を舞踊化

ダンス公演「DEDICATED 2016 “DEATH”『ハムレット』」が、10月1日と2日に、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演される。

本作は、2011年に首藤康之がKAAT神奈川芸術劇場にてスタートさせたダンスシリーズ「DEDICATED」の第4弾。今回は“死”をテーマに、今年で没後400年を迎えたウィリアム・シェイクスピアの悲劇「ハムレット」を舞踊化する。

セリフ劇である「ハムレット」を言葉を発さず身体だけで表現するにあたって、首藤と本作の演出・振付を手がける中村恩恵は、翻訳家の松岡和子を招いて昨年12月にワークショップを実施した。松岡は、日本語のテキストだけでは読み取るのが難しい登場人物のキャラクターや、ハムレットの発する言葉の傾向を分析。戯曲を読み解くヒントを得た首藤と中村は、次に白井晃とのワークショップで身体による表現方法を探る作業を行ったという。

なお上演に際して、首藤は下記のようにコメントしている。

首藤康之コメント

人間には4つの絶対的な概念があります。＜生＞、＜愛＞、＜奉仕＞、そして＜死＞。僕はこの世に生まれ、人や舞踊を愛してきました。また、舞踊を通して自分の思いを社会に捧げ、奉仕することをテーマにこの「DEDICATED」シリーズをスタートしました。いままで様々なテーマに取り組み表現してきましたが、今回のテーマを"DEATH＝<死>"にしたのも、今の社会への危機感からかもしれません。偉大な先人が残した美しい言葉を読み解きながら、今回のテーマである＜死＞に皆様と向き合っていきたいと思っています。