浅野忠信、
その後に行われた囲み取材では、古舘が「こういう喜ばしいことにほぼ接点がない人生を送ってきましたので、どういう気持ちになればいいのか、わからない体がビンビンと反応しているんだと思うのですが、とにかく発表の日まで(カンヌに)残っていて本当によかったです」とコメント。また、ひと足先に帰国していた浅野からは「我々は妥協なくこの映画に挑みました、そしてこんなに素晴らしいところにたどり着けました! 皆様のおかげです!!!」とメッセージが寄せられた。
「淵に立つ」は今秋、東京・有楽町スバル座ほかで全国ロードショー。
※記事初出時より写真とコメントを追加しました。
深田晃司 コメント
今回の映画は、スタッフ・俳優の総力で作った映画なので、私自身も含めてその力を認められた、ということが何よりもうれしいです。あの、これで運を使い果たしたかなと思っています(笑)。カンヌで海外メディアの取材をたくさん受けたのですが、よく言われたのは、俳優の演技が素晴らしい、ということです。そして、この作品の家族の描き方が、これまでに描かれてきたものに比べると異質で、それが新鮮に映ったようです。
(授賞式のスピーチでは)緊張もあったのでたいぶ端折って話しました。いまちょっと落ち着いたので話しますと「日本には私だけでなく、優秀な監督がたくさんいます。ただ彼らが海外を目指すための制度は、まだ不十分で未熟だと思います。日本はこれだけフランス映画が好きで、フランス人もこれだけ日本映画を愛してくれているのに、残念ながら両者の間には一緒に映画を作るための制度がありません。例えば韓国とフランスの間には結ばれているのに、なぜ日本は結べないのだろう……。新しい才能がより外へ出て行くための制度、自由に映画を作るための制度が日本には不足しています」ということを言おうと。いまこの瞬間が人生の中で、私の言う事を皆さんが聞いてくれる機会だと思うので(笑)、言ってみようと思ったのですが、あまりにも他の皆さん(受賞者)のスピーチが思ったより短かったので、端折ってあんな感じになりました。
今後の目標は、いま準備中の映画があるので、それに全力で向かいたいです。
古舘寛治 コメント
こういった場での感想は難しいですね。こういう喜ばしいことにほぼ接点がない人生を送ってきましたので、どういう気持ちになればいいのか、わからない体がビンビンと反応しているんだと思うのですが、とにかく発表の日まで(カンヌに)残っていて本当によかったです。ここに座っていることだけでもとても誇らしい機会をいただいているのに、それでもここまできて、何ももらわなかったら寂しいだろうな、とか思ってしまう。人間はどれだけ欲深いのだろうかと。でもこの際なので、もっと欲深くいきたいなと思います。
筒井真理子 コメント
受賞してもしなくても最後まで残って、もし何か監督が受賞したら一緒にお祝いしたいと思っていたので、ここに残って本当によかった。うれしいです。さっきお話を聞いたら、本当に作品が最後まで競った末の銀メダル(※審査員賞はある視点部門で最高賞に次ぐ賞)だったそうです。銀メダルという気持ちで、十分うれしいです。
浅野忠信 コメント
我々は妥協なくこの映画に挑みました、そしてこんなに素晴らしいところにたどり着けました!
皆様のおかげです!!!
ありがとうございます!
最高です!
関連記事
深田晃司のほかの記事
リンク
- 映画「淵に立つ」公式サイト
- 第69回カンヌ国際映画祭 オフィシャルサイト
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
中西理@演劇舞踊評論 @simokitazawa
深田晃司監督作「淵に立つ」がカンヌある視点部門で受賞 https://t.co/TFpyFALPvQ