「新版 喜劇『極楽町一丁目 -嫁姑千年戦争-』」の製作発表記者会見が、昨日5月17日に行われた。
本作は、嫁姑間のいさかいを題材にした
まず、座長の浜が「おなじみの『極楽町』ですが、今回は池田先生に新しく書き直してもらい、内容がパワーアップしております。何度かご覧になっているお客様にも新たに楽しんでもらえるのではないでしょうか」と挨拶。演出の池田も「前作までの『極楽町』では、嫁の立場で描かれることが多い典子でしたが、今回は姑の側面を強く出してみました。新たな浜さんのお姿にご注目ください」と続け、新版の見どころを強調した。
典子と白熱のバトルを繰り広げる姑・秀子に扮する正司は、「わたし、浜さんの大ファンなの。だから意地悪するのが本当につらい。でもお仕事だからがんばりますよ」とひと言。一方、典子を苦悩させる嫁・みゆきを演じる吉村は、「周りに迷惑をかけたり考えなしに口ごたえしたり、みゆきは自分本位で勝手な嫁。こういった役どころは初めてですが、浜さん、池田さんに教わりながら全力で取り組みたいと思っています」と答え、役柄とは異なる殊勝な“嫁”ぶりを見せつけた。
典子に思いを寄せる僧侶・浄念役には、浜とは初共演となる前川。「歌がない芝居だけの舞台に出るのは初めてです。8月で68歳になりますが、まだまだ新しい刺激に出会えるんですね。笑いというのは台本ありきではなく、まずは動いてみること。どうしたらお客様に楽しんでいただけるか、浜さんから心意気や姿勢を教わりながら取り組んでいます」と語った。典子の見合い相手となる画家・横田を演じる加藤は、2015年までの体調不良を振り返りつつ「この舞台が決まった途端、息を吹き返しました。まだ生きておりますよ。別れなきゃいけないと思っていた45歳年下の女房も戻ってきてね」と自ら私生活に言及。身を切って会見場の笑いを誘っていた。
記者から座長としての浜の魅力について聞かれた風間は「仕草がキュートでとてもかわいい人。2カ月間、楽しみにしています」と長期間にわたる巡演を心待ちにする。つまみは「僕が好きな浜さんのギャグは『イナバウアー』。稽古中、台本にないギャグが突然出てきて驚きましたが、状況や間がとても良かった。常にアンテナを張っていらっしゃることがよくわかりました」と芸人の立場からそのコメディエンヌぶりを紹介した。
浜を「芸能の母」と呼んで慕う小野寺は「世間に芝居の上手な役者は数多くいますが、浜座長の存在はオンリーワンです。セリフ回し、雰囲気、間、いずれもオリジナルなものを持っていらっしゃる。登場した瞬間に世界ができあがります」と心酔。浜組歴20年の臼間も「芝居は心、と思っていらっしゃる点に共感します」と続け、同じく浜組常連の荒木も「最後の大女優」と畳みかけた。
共演者の言葉に恐縮しきりだった浜も、本作で一番力を入れている点を問われると「至る場面に大波小波を設けることでしょうか。お客様が背もたれに体を預けるのは気持ちが引いている証拠ですから、全編通して面白くなければなりません」と熱弁をふるう。また芸歴の大半を費やしている喜劇については「演じる上で、お客様や共演者との間が大切」と持論を展開。「哀しい思いが根底にあるほうが、笑いが映えますよね。今回なら、自分の息子が連れてきた嫁に勝手放題され、家を追い出されてしまう。母は強しと昔からよく言われますが、これは嘘だと感じていて。私自身の中に『母は哀しい生き物』という実感があるからこそ、深い笑いにつながるのだと思います」と語り、会見を締めくくった。
「新版 喜劇『極楽町一丁目 -嫁姑千年戦争-』」は、6月3日に東京・シアター1010にて開幕。その後、全国14会場を巡演する。
新版 喜劇「極楽町一丁目 -嫁姑千年戦争-」
原作:
脚本:佐々木猛
潤色・演出:池田政之
出演:
2016年6月3日(金)~5日(日)
東京都 シアター1010
2016年6月9日(木)
石川県 北國新聞 赤羽ホール
2016年6月11日(土)
富山県 富山県民会館
2016年6月14日(火)
新潟県 新潟県民会館
2016年6月16日(木)
福島県 いわき芸術文化交流館 アリオス
2016年6月18日(土)
宮城県 多賀城市民会館
2016年6月20日(月)
長野県 長野市芸術館
2016年6月23日(木)~29日(水)
愛知県 中日劇場
2016年7月3日(日)
宮崎県 日南市南郷ハートフルセンター 大ホール
2016年7月4日(月)
鹿児島県 鹿屋市文化会館
2016年7月7日(木)
長崎県 長崎ブリックホール
2016年7月11日(月)
高知県 高知県立県民文化ホール オレンジ
2016年7月13日(水)
香川県 レクザムホール 大ホール
2016年7月14日(木)
徳島県 鳴門市文化会館
2016年7月16日(土)
広島県 呉市文化ホール
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香川照之(市川中車)の言葉/他 @KotobaTeruyuki
喜劇>
【浜木綿子】演じる上で、お客様や共演者との間が大切。哀しい思いが根底にあるほうが、笑いが映えます[略]私自身の中に『母は哀しい生き物』という実感があるからこそ深い笑いにつながる…
★2016/5/17『極楽町一丁目』制作発表 https://t.co/iY4CxKteuV