同作は6月4日から19日まで東京・赤坂ACTシアターにて上演されたのち、6月24・25日は福岡・福岡市民会館、29日は広島・広島文化学園 HBGホール(旧厚生年金会館)、7月2・3日は大阪・オリックス劇場にて公演を行う。いずれもチケットは4月16日に発売。
「コインロッカー・ベイビーズ」は1980年に発表された作品。コインロッカーに捨てられ、かろうじて生き残った2人の少年・ハシとキクを軸に、若者の持つエネルギーや純粋さ、そしてもがきを描いていく。脚本・演出は、宝塚歌劇を中心に20作超を手がけてきた木村信司が手がける。
ハシ役は
コインロッカー・ベイビーズ
2016年6月4日(土)~19日(日)
東京都 赤坂ACTシアター
2016年6月24日(金)・25日(土)
福岡県 福岡市民会館
2016年6月29日(水)
広島県 広島文化学園 HBGホール(旧厚生年金会館)
2016年7月2日(土)・3日(日)
大阪府 オリックス劇場
原作:村上龍
脚本・演出:木村信司
キャスト:橋本良亮(A.B.C-Z)、河合郁人(A.B.C-Z)/ 昆夏美、シルビア・グラブ、芋洗坂係長、真田佑馬 ほか
橋本良亮コメント
河合郁人コメント
大ベストセラー小説のコインロッカー・ベイビーズに出演できる事に今からワクワクしてます!
僕の演じるキクはもの凄く強いキャラクターで想像もしたことのなかった人物像です。でも、魅力的なので、今から楽しみです!
今までの
木村信司コメント
子どもへの虐待が問われる今、「コインロッカー・ベイビーズ」は著名な作家による有名な作品であり、その問いに先鋭的に答える力を持っているからです。
「コインロッカー・ベイビーズ」は出版された直後に読みました。当時は筒井康隆氏が絶賛していたこともあり、とてつもなく面白い近未来小説と受け取りました。けれども二十世紀の終わりに再読したときは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」と重なり合う印象を受けたのです。
「カラマーゾフの兄弟」の命題とはなにか。短く述べれば「親に迫害された子どもは、親を殺せるか」、ではないでしょうか。キリスト教信者であった小説家は、この問いに逆説的に答えます。「神の創った世界で、幼い子らへの虐待が行われるなら、私は神を信じられなくなってしまう」
作品は哲学書ではなく、小説ゆえ答えは明示されません。しかし私は作者の声を、こう受け取りました。「だから子どもを守れ。彼らは未来の宝である」 この声こそエピローグ、子どもの葬式の場面を美しく彩っていると感じます。
翻って「コインロッカー・ベイビーズ」のキクとハシはどうでしょう。二人は親により、コインロッカーに捨てられます。キクはこの生い立ちを、世界に(東京に)捨てられたとして、自分を捨てたものを消し去ります。一方ハシは最終景で、この問題から離脱して、大いなる自立を遂げます。
「カラマーゾフの兄弟」が子どもへの遺言だったとすると、「コインロッカー・ベイビーズ」からは子どもの叫び声が聞こえるのです。「僕を殺すな。殺そうとしても生き残る。そして必ず、あなたたちの前に再び現れる」
芸術は倫理的なものです。二つの作品に共通する倫理は、幼いものに対する愛情です。当然ながら、劇場版の「コインロッカー・ベイビーズ」もその延長線上にあります。作品の書かれた当時より、さらに有効に、さらに先鋭的に、世に問えると信じます。
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えぇ!?あの重厚長大な作品をどうやって舞台化するのか????龍さんよくOK出したな 村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」舞台版、地方公演も決定 - ステージナタリー https://t.co/0pH7EchGwe