中村米吉

中村米吉の#カワイイは世界を救う? 第11回 [バックナンバー]

中村米吉、慣れ親しんだ街で“カワイイ”を発見

あの汲手姫様もグッズを愛用?さらに米吉トークショーでおなじみの“カワイイ”人も

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現在、東京・歌舞伎座の「吉例顔見世大歌舞伎」に出演中の中村米吉。昼の部「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」では、尾上菊之助演じる迦楼奈と中村隼人演じる阿龍樹雷らの想い人……ではなく母親の汲手姫を演じる。作品冒頭、迦楼奈を授かったシーンでの汲手姫はまだ少女。赤姫姿に、持ち前のあどけない愛らしい顔立ちは、突然子供ができてしまった汲手姫の悲壮感を際立たせる。しかし、次に汲手姫が登場する場面では、彼女は5人の王子たちの立派な母親。眉なしの、貫禄と気品あふれる立ち居振る舞いで、彼女が過ごしてきた長い年月を観客に感じさせた。さらに夜の部「秀山十種の内 松浦の太鼓」では、片岡仁左衛門演じるお殿様・松浦鎮信に仕える腰元・お縫を勤める。松浦候の機嫌に振り回される“可哀想カワイイ”姿に注目だ。

このコラムでは、カワイイ米吉に、身の回りの“カワイイ”を自撮り写真と一緒に紹介してもらい、カワイイ×カワイイのビックバンを起こしている。今回米吉が見つけてきた“カワイイ”は、慣れ親しんだ街に立つ、とある超有名キャラクターの銅像。さらに、米吉のトークショーでおなじみの、“カワイイ”人も登場する。

題字:中村米吉

今月のカワイイは、“朗らかで誰からも愛され、日曜日の終わりを告げる悪魔の使者”

今年もあっという間に11月。
街角はクリスマス商戦の気配を漂わせ、そのままの勢いでお節を買わせ、息つく間もなく正月を迎えさせようとし始めています。
なんと恐ろしい!
このままではふと前を向いたらチョコレートを買わされてしまうことでしょう。
「顔がいのち」というCMが盛んに流れるのも時間の問題です。

そんな時の流れに比例して、月一連載のこのコラムも11回目。第0回ってのもありましたから、カワイイを探すという当て所もない旅路に出てから、間も無く1年が経つことになるのですね。
“祖母”、“甘いもの”、“後輩”、“USJ”など、きっちりテーマを決めてお届けしている当コラムですが、当初は街中で見つけたカワイイものについてテーマを定めず書き記してみる、という方向性も。

そのため、見かけたカワイイものを写真に撮る癖がつきだしていて、なんだか虚しい今日この頃です(笑)。

とうとう、見慣れた街の風景とまで写真を撮ってしまいました。

ひょっこり米吉と並ぶ、髪型が特徴的なこのキャラクターは…。

ひょっこり米吉と並ぶ、髪型が特徴的なこのキャラクターは…。

我が街の顔、フグ田サザエ氏です。
朗らかで誰からも愛され、日曜日の終わりを告げる悪魔の使者としても著名な氏は、数年前に生誕100年を迎えられ、世界最長のアニメとしてギネスブックにも掲載されていらっしゃいます。

ご家族で火災予防運動に勤しまれるなど、社会貢献にもご尽力されているご様子です。

火災予防運動に勤しむ、フグ田一家。デザインの元になっているのは、アニメ版ではなくマンガ版のもの。

火災予防運動に勤しむ、フグ田一家。デザインの元になっているのは、アニメ版ではなくマンガ版のもの。

ご子息、タスキ引きずってますけど……。

近年、生みの親である長谷川町子先生の美術館と併設する形で、先生の記念館も設立され、百寿を越えられたとは思えないアグレッシブな活動を見せられています。

遥か遠くインドの王室からも、氏の御家族が愛されている様子が伝えられてきました。

「サザエさん」手ぬぐいを、大層お気に召していらっしゃる汲手姫様のご様子。

「サザエさん」手ぬぐいを、大層お気に召していらっしゃる汲手姫様のご様子。

新設された記念館が「町子かぶき迷作集」という企画展を昨年開催されましたが、町子先生が歌舞伎を愛され、パロディをたくさん描かれていた展示を拝見して、舞台にかけたらシャレた面白いものができそうだな、なんて思ったものです。

昨年開催された企画展「町子かぶき迷作集」にやってきた米吉。確かに、背後の絵に歌舞伎要素が!

昨年開催された企画展「町子かぶき迷作集」にやってきた米吉。確かに、背後の絵に歌舞伎要素が!

「サザエさん歌舞伎」、アリかもしれません!
鬘の形困りそうだけど……(笑)。

さて、そんなフグ田サザエ氏に因みまして、最後に私の近くのコミカルな女性をご紹介しましょう。

米吉からノリノリで指を指され、恥ずかしげに笑みを浮かべているこの女性の正体は。

米吉からノリノリで指を指され、恥ずかしげに笑みを浮かべているこの女性の正体は。

私の所属する事務所の社長でありマネージャー、通称“社長ジャー”こと菅さん。
紫吹淳さんの“ばぁや”としてもお馴染みで、定期的に開催している米吉トークショーの“迷”司会者としても人気を博しています(?)。

ポッキー・プリッツの日である、11月11日にやったトークショーでポッキーを配った理由をまったくわかっていなかったり。

質問コーナーで
「歌舞伎のだんまりをやっているときはどんなお気持ちですか?」
という質問に
「暗いなあって」
と少しふざけて答えたら、
「あ! ごめんなさい! もう少し明るくしゃべりますね!」
とか言い出すし。

挙げ句の果てにはゲームコーナーのクイズの答えが「腰元ダンサーズ」という絶対に当てられないうえに、訳のわからない問題だったり(笑)。

もはやトークショーというより掛け合い漫才の世界なんですが、本当に愉快で、この方の司会無くしては私のトークショーは成立しません!

そんなカワイイ“社長ジャー”との爆笑掛け合い漫才こと、米吉トークショー。
ぜひ来てくださいね!
じゃんけんぽん!
うふふふふふふふ。

無理やりサザエさんにつなげてやったぜ(笑)。

プロフィール

中村米吉(ナカムラヨネキチ)

1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。昨年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」、昨年12月から今年1月にかけて上演された「オンディーヌ」では、それぞれタイトルロールを務め、3・4月に上演された「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」では、ヒロイン・ユウナ役を勤めた。現在、東京・歌舞伎座での「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」に汲手姫役、夜の部「秀山十種の内 松浦の太鼓」にお縫役で出演中。来年1月には、東京・浅草公会堂で行われる「新春浅草歌舞伎」にて、第1部「本朝廿四孝 十種香」で三姫の1つ、八重垣姫、「与話情浮名横櫛 源氏店」で妾お富、「神楽諷雲井曲毬 どんつく」で芸者、第2部「新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎」で召使おなぎを勤める。2月から3月にかけては、東京・新橋演舞場でのスーパー歌舞伎「三代猿之助四十八撰の内『ヤマトタケル』」に兄橘姫 / 弟橘姫役で出演。毎週水曜日にAuDeeプレミアムにて自身がパーソナリティを務める番組「中村米吉 悪魔の時間」を配信中。

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がぶ @gaburi45cc

やったぜ?!?!

ぜ?!?! https://t.co/Oj14xttqRO

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