次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
29番目に登場するのは、大阪を拠点とする
オパンポン創造社
Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。
中島らもさんのエッセイに「幼稚園や保育園から男の子には“おちんちん”という呼び易い名称があるのに女の子にはない為、文部科学省が“おぱんぽん”と定めたが全く普及しなかった」とあり、(作品を)産み出すという意味合いを込めてオパンポン。そしてオパンポンすら“創造する者”……いや、もう一つ風呂敷広げて社。
オパンポン創造社
としてますが、実際は(仮)のつもりでテキトーに付けました。
Q. 劇団の一番の特徴は?
いつまで経っても1人ユニットであることじゃないですかね。あと、ほとんどの作品で裸踊り(オパンポンダンス)があること。
作風は自身の面白と共に変化しつづけています。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
これまでも、そしてこれからも、今作で終わりの精神で創造していければ。今の全てを観てもらえたらそれだけで。
プロフィール
2004年、劇作家・演出家・俳優の野村有志による一人演劇ユニットとしてオパンポン創造社を旗揚げ。全作品の脚本・演出を野村が務め、泥臭い人間模様を笑いを交えて描くのを得意とする。2019年に「関西演劇祭」優秀脚本賞・優秀演出賞、2021年に「せんがわ劇場演劇コンクール」オーディエンス賞を受賞。近年は映画監督としても活動。なお6月に大阪で初演された野村の“自叙伝フィクション”「幸演会」が11月21・22日に北海道・シアターZOOで上演され、その公開通し稽古が15日に大阪・大阪市立芸術創造館 3F 大練習室にて行われる。
野村有志/映画さようなら @mr_opanpon
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