次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
26番目に登場するのは、劇作家・演出家の
円盤に乗る派(エンバンニノルハ)
Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。
劇作家・演出家のカゲヤマ気象台です。〈円盤に乗る派〉の“円盤”は、空飛ぶ円盤、いわゆるUFOを意味しています。空飛ぶ円盤が現れて、それに乗ってみたとしても、おそらく誰も信じてはくれず、社会にとって何の影響もないでしょうけど、本人にとってはそれは絶対的に何かが違ってしまう体験のはずです。〈円盤に乗る派〉とは、そうした個人的な体験を大事にしながら、誰にも気づかれない秘密を抱えたい人間たちのことを指します。そして私たちのやっているのは演劇なので、“演劇を観る”というのは、この“円盤に乗る”とほぼ同じではないかと考えています。
ちなみに、日本のプログレッシブ・ロック・バンド、四人囃子が1970年代に発表した楽曲に「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」というのがありますが、それとの関連については、立場を明確にしてはおりません。
Q. 劇団の一番の特徴は?
創作現場や上演の空間を“場”と捉えて、スタッフ、出演者、観客などが、それぞれ個人としてのありかたでふるまえるような場所づくりを目指しています。最近では複数のアーティストが所属する共同アトリエ〈円盤に乗る場〉を都内に設立し、運営にあたっています。また上演だけではなく、シンポジウムなどさまざまなプログラムの開催や冊子の発行なども行っているのも特徴です。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
ありがたいことに近年、集客が増えつつあるので、公演の規模を拡大していきながら、観客のみなさんによりいろいろな体験を提供できるような体制づくりを進めていきたいと考えています。演劇を通じたコミュニティ(場)の形を示すための新しいプランも計画中なので、引き続き応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
プロフィール
複数の作家、表現者がフラットにいられるための時間や場所を作るプロジェクトとして、2018年にスタート。現在のメンバーは1988年静岡県生まれのカゲヤマ気象台、1987年北海道生まれの俳優・
円盤に乗る派 @emban_noruha
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#円盤に乗る派『幸福な島の夜』
各種メディアに掲載いただきました。
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