次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
21番目に登場するのは、京都を拠点に活動する
努力クラブ(ドリョククラブ)
Q. 劇団名の由来、劇団名に込めた思いを教えてください。
目標のための努力ではなく、努力することが目標となってしまった人を揶揄して。または、そのような人にならないために誓いを込めて、ですね。
なんのために頑張っているのかよくわからなくなってしまっていることは愚かなことだと思っています。でも、なにかのためではなくても頑張るということはそれだけで気持ちの良いことなので、努力の気持ち良さに酔ってしまわないようにするために、あえて劇団名にしました。
Q. 劇団の一番の特徴は?
底抜けの暗さ。
笑ってしまえれば楽になれるのにまだ笑えない状況の中、もう一つ踏み込んで残酷にして笑うよりほか仕方がないというお話をよく作ります。つらいじゃないですか。笑ってしまえれば楽になって前向きに考えられるから。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
とにかくがんばります。とにかくがんばっている僕たちの姿はきっと素敵なはずなので、その姿を観ていただきたいです。
プロフィール
2011年3月に佛教大学劇団紫で団長をしていた合田団地と立命館大学劇団西一風で座長をしていた佐々木峻一を中心に結成。“なんとなく嫌なものに対しての救いになりたい”という思いを持って創作を行っている。ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム “KIPPU” 2022年度参加アーティストに選出された。9月15日から17日まで新作「ゲームコーナー」を大阪・in→dependent theatre 1stにて上演する。
合田団地(努力クラブ) @goudareo
むちゃくちゃ攻撃的な劇団名の由来やなあ。
掲載、ありがとうございます。 https://t.co/vVB72995AR