次々と新たな作り手が頭角を表す演劇界。数ある劇団の中から、ジャケ買いならぬ“劇団名買い”で観劇に行った経験はないだろうか。チラシやニュース、SNSなどで目にする劇団名は、シンプルなものから不思議な音の響きを持つもの、「どういう意味?」と目を引くものまでさまざまだが、それには名づけ主の希望や願い、さらには演劇的活動戦略が込められているはず。このコラムでは多彩な個性を放つ若手劇団たちの、劇団名の由来に迫る。劇団名が持つ秘密と共に、未来の演劇界を担う彼らの活動の軸を紐解いていく。
15番目に登場するのは、“令和時代のあたらしいアート作り”を目指す、
ぺぺぺの会(ペペペノカイ)
Q. 団体名の由来、団体名に込めた思いを教えてください。
“ぺぺぺの会”という名称は、団体の3つの基本的な理念:
- パッション(Passion)
- パフォーマンス(Performance)
- パーシステンス(Persistence)
を象徴しているのだ、と言われることがありますが、正確にはこれは誤りです。
3つの基本的な理念の頭文字「P」を、日本語の発音に近い「ぺ」に言い換えたものであるとも言われますが、誤りです。
しかし、“ぺぺぺの会”は、“熱意”と“高いパフォーマンス”、そして“持続的な努力と活動”を目指して表現活動を行っていることは事実です。
Q. 団体の一番の特徴は?
「の会」というネーミングは、この団体が1つのコミュニティとして、団員全員の力を結集してクリエーションをする“場”として機能することを目標にしたものだ、と言われることもありますがこれも定かではありません。
しかし、“ぺぺぺの会”がこのような目標を掲げて活動をしていることは事実です。
Q. 今後の目標や観客に向けたメッセージをお願いします。
これから“ぺぺぺの会”はただの劇団、つまり“チーム”としてだけではなく、出会いや交流、そして何より娯楽の“場”としての機能を強化していきます。
ぺぺぺの会は今後数年以内に“ぺぺぺハウス”という小店を構えて、集まった人々が“食事”と“表現”を楽しむことのできる場を作り出します。
日によって、さまざまな出し物が催され、店を訪れる人たちはそれを観るともなく観ながら季節の料理を楽しむのです。まるで実家に帰ったときみたいな温かさを感じられるような店にしたいと考えています。
親戚が一堂に会して、突然カラオケ大会が始まってしまうみたいな偶然性の中で突発的に生まれる表現(アート)を楽しめるような場です。
考えてみれば、今では随分と高尚なものになってしまったクラシックやジャズも、数世紀前は町場で、もっとカジュアルに楽しまれていたのだと思います。演劇もまた、必ずしもも劇場で上演する必要はないのであり、町場でカジュアルに上演されるからこそ、もっと多くの人に親しまれるようになるのではないでしょうか。
私たちのこのような取り組みに賛同してくださる方を探しています。
ぜひご気軽に“ぺぺぺの会”のメールアドレスにご連絡いただけますと幸いです。
プロフィール
“令和時代のあたらしいアートを作る”ことをモットーに、2018年に発足。現在は詩人でもある宮澤大和の戯曲を用いた“詩の演劇”を創作している。7月7日から15日に「条件の演劇祭 vol.1」にて「太陽と鉄と毛抜」を上演予定。さらに日本各地でインタビューを行い、そこから小さなパフォーマンスを作る「『またまた』やって生まれる『たまたま』」を実施中。
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