おしとやかで可憐な佇まい、無垢であどけない顔立ち、鈴を転がすような声……守ってあげたくなるような美少女っぷりで舞台ファンの心を射抜く、歌舞伎俳優の女方・
第0回に登場するのは、12月23日に愛知公演が開幕する米吉の主演作「オンディーヌ」より、“可愛すぎる”と話題の○○。コラムの打ち合わせで「そもそも“カワイイ”って何でしょう……?」「カワイイに世界は救えないと思いますが……」と終始小首をかしげていた、米吉の“カワイイ”探しの旅、スタート!
題字:中村米吉
歌舞伎役者の女方、中村米吉です!
私をご存知の方! いつもお世話になっています。
初めましての方! どうぞこれからお世話してください。
歌舞伎役者の女方、中村米吉です。
今回、ステージナタリーさんにてちょっとした連載を始めさせていただくことになりました。本企画は編集部の「女方として大変可愛らしい米吉さんにカワイイものを紹介していただき、カワイイ×カワイイの、相乗効果で読者の方を癒やしたい……」という、自分では到底考えつかないような突飛な発想のもと誕生しました(笑)。
私がカワイイかどうかは皆さんに任せるとして、問題はカワイイものと写真を撮るということの難易度の高さです!
散歩中に出会った可愛らしいお子さんと急に自撮りなんてしてごらんなさい。
今頃皆さんはここではなく、新聞の社会面で中村米吉の名前を見ることになるでしょう。
カワイイものを求めて生きるとなれば、私は毎日東京と名の付く千葉の某所に通ったりしなきゃいけなくなります。
これは流石に厳しいのではないかと思ったんですが、担当編集者のキラキラとした目を見ては無理ですとは言えません(かけてらした眼鏡が反射してキラキラ見えただけ、の可能性もありますが)。
とりあえず手近なところから、とカバンの中を漁っていると、出てきたではありませんか! 可愛らしいものが!
ご覧ください! オンディーヌ! なんて可愛らしい! ほら! 可愛らしいでしょう!
……コラムって、誰も突っ込んでくれないのか。何とも虚しい……。
えー、気を取り直して参りましょう。
こちらは12月23日から愛知で、1月6日から東京で上演いたします、僕自身初めての歌舞伎以外の舞台「オンディーヌ」のチラシでございます。
このビジュアルが可愛らしい、とは自分では口が裂けても言えないもんですから、博多でもらった博多弁のクリアファイルに入れて「あいらしか」と見えるようにして携帯しています。
こうしておけば、これは「あいらしい」のだな、と見た人が錯覚を起こすでしょう?
最近では自分でもだんだん「あいらしい」のではないかと思い込むようになってきて、プラシーボファイルとなっているかもしれません(笑)。
現在、お稽古真っ最中! オンディーヌが本当にカワイイかどうか、ぜひとも皆さん劇場でお確かめくださいませ。
さあ、カワイイものを求める日々の幕開けです!
果たしてカワイイものが世界を救えるのか! 乞うご期待!
世界を救える可愛らしいものなんて、パワーパフガールズくらいだと思うんですけどね(笑)。
プロフィール
中村米吉(ナカムラヨネキチ)
1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。今年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」では、ナウシカ役を演じた。また、12月23日から1月11日まで自身がタイトルロールを務める「オンディーヌ」、3・4月にヒロイン・ユウナ役を勤める「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」が控える。また1月19日にBS-TBSでスタートする、紫吹淳主演のテレビドラマ「ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~」では、見習いバーテンダー・坂井幸樹役を務める。
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がぶ @gaburi45cc
ステージナタリーさんありがとうございます。こういうの待ってました。
初っ端から面白すぎて電車の中でにやにやが止まらない…。マスクしててよかった… https://t.co/yzhLgSqD1y