初夏の匂いを感じたら、どこか遠くへ行きたくなる。旅行の帰りに立ち寄ったあの劇場、観劇の帰りに食べた忘れられないあの味……実際の遠出はまだ難しいけれど、せめて脳内だけでもトリップしたい。「うちがステージ!」第6回は、古典から現代劇まで、幅広い演技力で観客を想像の旅へと誘う
橋本淳
ベルギー、フランス、ドイツに隣接する小さな国・ルクセンブルク。緑が広がり渓谷に守られる天然要塞、旧市街などが世界遺産に認定されている。ファンタジーの世界のような街並みに、歩くだけで非日常を感じることができそうです。
“できそう?”
そうです、私はまだ行ったことはありません。いつか必ず訪れたいとずっと思っていますが、今は妄想で。
非日常を感じる視点は人それぞれ、どこか演劇にも通じている気がする。演劇とは、“日常と非日常を無意識下に往復する行為”だと思う。例え“密”とされる劇場でなくても、脳内でも“演劇的体験”はきっとできるはず。今はそれぞれのイマジネーションで楽しんで、いずれそのときが来たら、各々が高めたものを結集して、劇場に集まりたい。
ただでは起きない、これ大事。
プロフィール
1987年生まれ。2004年にテレビドラマ「WATER BOYS2」でデビュー。2007年から2008年までのNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」でヒロインの弟・正平役を務める。以降、テレビ・映画・舞台と幅広く活動。2020年のNHK連続テレビ小説「エール」では御園生新之助役を演じた。近年の主な出演舞台に城山羊の会「相談者たち」(山内ケンジ作・演出)、新国立劇場「君が人生の時」(宮田慶子演出)、「クレシダ」(森新太郎演出)、劇団た組。「在庫に限りはありますが」(加藤拓也作・演出)、「No.9─不滅の旋律─」(白井晃演出)、KERA・MAP「キネマと恋人」(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出)、「カリギュラ」(栗山民也演出)、「泣くロミオと怒(いか)るジュリエット」(鄭義信作・演出)など。
戌井昭人
モロッコのタンジェに行って、数日間、町をうろうろしてから車を借りて、辺鄙な村に立ち寄りながら、南下していきます。最後はエッサウィラという海沿いの町に行って、毎年行われている音楽祭を観たいところなのですが、今年は開催しないかもしれないので、屋台で魚介類をたらふく食べてたいです。
プロフィール
1971年東京都生まれ。劇作家・演出家・俳優・作家。玉川大学文学部演劇専攻を卒業後、文学座附属演劇研究所を経て、
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