新型コロナウイルスの感染拡大、そして4月7日の緊急事態宣言発令を受けて、舞台はまるで長い眠りに入ったかのように、ぱったりと息を潜めてしまった。ステージナタリーでは、この状況下でさまざまな決断をすることになった全国の舞台人たちの思いを、数回にわたり特集している。
第1回では、劇作家や演出家、俳優、ダンサー、プロデューサーたち17名の声を紹介した(参照:そのとき、何を思い、何をしましたか? 第1回 | 劇作家、演出家、俳優、ダンサー、プロデューサーたちが語る)。第2回となる今回は、クラウドファンディングやドネーション(寄付)など具体的な方法で、今後の活動資金を募ると共に、観客との新たな関わり方を模索している団体にフィーチャーする。なおここで紹介している取り組みは、2020年4月27日現在の内容なので、最新情報はそれぞれの公式サイトで確認してほしい。
構成・
【今、参加できるクラウドファンディング】
インターネットを通じ、起案者の思いに共感した人たちが直接支援することができるクラウドファンディング。ここでは9団体の取り組みを紹介する。各プロジェクトごとに目標金額や募集期間が異なるほか、支援金額に応じたリターンが用意されている。詳細はそれぞれの特設ページで確認を(掲載は募集の締切日順)。
佐藤佐吉演劇祭2020
プロジェクト名:佐藤佐吉演劇祭2020中止、延期に際し、参加した若手劇団の未来を拓きたい
募集期間:2020年4月30日(木)まで
東京・花まる学習会王子小劇場を中心に、2年に1度開催されている「佐藤佐吉演劇祭」。2020年は2月18日から3月31日まで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、しあわせ学級崩壊「幸福な家族のための十五楽章」、はねるつみき「原原原原原原原」、中野坂上デーモンズの憂鬱「園」といった、3週目以降に控えていたすべての公演が中止・延期となった。そこで、“若手劇団の将来を守る”ことを考え、参加団体に対して今回の演目と次回公演に向けての支援を募ることに。クラウドファンディングの支援金は各団体の活動への制作資金の補填などに充てられる。支援者にはリターンとして、演劇祭実行委員からのお礼メールや手紙、劇場ロビーへのポスター掲載などが用意されている。
劇団ZIG.ZAG.BITE
プロジェクト名:劇団ZIG.ZAG.BITEの春公演を無観客で実施したい!
募集期間:2020年5月3日(日・祝)まで
福岡を拠点に活動する劇団ZIG.ZAG.BITE。今秋に結成5周年を迎える彼らは、4月から5月にかけて到生構成・演出による「時代到来 ~SLEEPING CRAZY 2020~」の上演を予定していた。公演は中止となったが、劇団は「今世の中がこのような状況にある中、我々がまた全員そろって同じものを作れる保障などどこにもない」という考えから、この作品を無観客上演し、TwitCasting(ツイキャス)にて映像配信するための資金を募集している。リターンには、メンバー全員からのお礼メール、チェキ券、希望メンバーからの直筆メッセージ、「SLEEPING CRAZY ~紺屋高尾~」の上演台本などがラインナップされた。
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劇団ZIG.ZAG.BITE (@ZIG_ZAG_BITE) | Twitter
温泉ドラゴン
プロジェクト名:温泉ドラゴン「SCRAP」公演中止に伴う損害金支援のお願い
募集期間:2020年5月18日(月)23:00まで
劇団
関連リンク
劇団 温泉ドラゴン
劇団ZTON
プロジェクト名:劇団ZTON 存続支援のお願い
募集期間:2020年5月24日(日)まで
関西で活動する、殺陣が持ち味の劇団ZTONは、4月末に予定していた新作公演「咎灯の環」が公演延期に。「咎灯の環」は、2019年に始まった“御伽草子シリーズ”の第2弾となり、「かちかち山」をテーマにしたもの。今回、この作品の延期公演の実施を目指すことはもちろん、支援者に対して「リターン品を通じて『咎灯の環』の世界観を楽しんでもらう」「少しでも笑顔になれる時間を提供」することを目的に、クラウドファンディングを立ち上げた。支援金は、今後の劇団活動や延期公演実現のための資金に充てられ、支援者へのリターンには希望する劇団員からのメッセージ動画、過去作の脚本、DVDなどが用意されている。
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劇団ZTON | Official Site
“#SaveArts”プロジェクト
プロジェクト名:コロナ禍から芸術を守りたい。“#SaveArts”プロジェクト
募集期間:2020年5月29日(金)23:00まで
“#SaveArts”プロジェクトは、新型コロナウイルスの影響で、公演自粛・中止が相次ぎ、危機的状況に陥っている芸術家を支援するために立ち上げられたもの。直接的な芸術家の支援(今回は演劇・歌劇 / 音楽劇が対象)と、間接的・社会的支援の2つを目的としている。医師である代表実行者の年森慎一、若手医師や医療福祉・まちづくり関係者がメンバーに名を連ね、共同実行者として、演劇部門協力者の
アガリスクエンターテイメント
プロジェクト名:アガリスクエンターテイメント「かげきはたちのいるところ」公演延期支援プロジェクト
募集期間:2020年5月29日(金)まで
関連リンク
アガリスクエンターテイメント公式WEBサイト
シアターコンプレックス・プロジェクト
プロジェクト名:“舞台専門プラットフォーム”シアターコンプレックス
募集期間:2020年5月1日(金)から1カ月程度を予定
シアターコンプレックスは、新型コロナウイルスの影響でダメージを受けている舞台業界のため、演劇プロデューサー・松田誠が発起人となり立ち上げた“舞台専門プラットフォーム”。同プロジェクトでは、既存の舞台公演の映像配信や、今後上演される公演のライブ配信、オリジナル番組配信など、舞台に特化した配信サービスの実現を目指す。設立に向けて、5月1日からFanbeatsでクラウドファンディングがスタート。松田は「自分の人生を救ってくれたのは舞台でした。また人生を豊かにしてくれたのも舞台です。その舞台が今まで経験したことのない危機に瀕している」とし、“舞台を救え”をキーワードに「どうか皆さんの力をお貸しください」と支援を呼びかけている。なお同プロジェクトのFanbeats公式アカウントをTwitterおよびFacebookアカウントでフォローすると、クラウドファンディングの詳細が届く。
すゞひ企画
プロジェクト名:「すゞひ企画」最大の窮地! 団体存続の危機からの脱出!をしたい
募集期間:2020年6月3日(水)23:00まで
すゞひ企画は、元演劇集団キャラメルボックスのメンバーで、リアル脱出ゲームの司会をしている鈴木秀明が立ち上げたプロデュースユニット。体験型ゲームイベントを企画してきた同団体では、5月公演「演劇×体験型ミステリー『世界英雄会議』~彼の名は、キャプテン・ビルス~」が無期延期となった。そのため、4月22日よりクラウドファンディングを開始。今回得た支援金は、赤字の補填、関わった俳優へのギャランティの支払い、団体存続のために使用される予定で、支援者にはリターンとして俳優のチェキ、オリジナルのマグカップやTシャツ、過去公演の台本のPDFデータのほか、次回新作公演での公開リハーサル招待権、登場人物命名権などが用意されている。
関連リンク
すゞひ企画公式ホームページ
conSept合同会社 / 杉本事務所
プロジェクト名:新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund
募集期間:2020年8月25日(火)まで
「舞台芸術を未来に繋ぐ基金」は、舞台公演製作会社のconSeptと、経営コンサルティング・舞台公演への投資を手がける杉本事務所が設立した公益基金。出演者、クリエイター、スタッフなど、すべての舞台芸術関係者を対象とした資金助成を目的とし、クラウドファンディングで目標額を1億円に募金を募る。賛同者の代表には、演出家の
関連リンク
新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund - クラウドファンディングのMotionGallery
conSept
【今、参加できるドネーション】
ドネーション、つまり寄付をすることで支援する形もある。下記の団体では、無料での動画公開やコンテンツ配信、返礼品などの取り組みを実施中。詳細は各団体の公式サイトで確認を。
わらび座・あきた芸術村
プロジェクト名:ご支援のお願い
募集期間:2020年4月末まで
秋田県仙北市を拠点に、民族伝統をベースにした多彩な表現で現代の心を描いてきた劇団
関連リンク
劇団わらび座
範宙遊泳
プロジェクト名:ドネーション
関連リンク
範宙遊泳/Theater Collective HANCHU-YUEI
ロロ
プロジェクト名:ドネーション
関連リンク
ロロ | official WEB
このほかにも今、参加できるさまざまな支援
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山西惇 @8024atc
こちらにも今出来る様々な支援が取り上げられています。よろしくお願いします。
客席から舞台の明日を支える | そのとき、何を思い、何をしましたか? 第2回 - ステージナタリー https://t.co/3whYv324TN