お笑いナタリー Power Push - YATSUI FESTIVAL! 2015

260組が渋谷を席巻した「やついフェス2015」芸人の活躍中心にレポート!

エレキコミックやついいちろう主催のフェス「YATSUI FESTIVAL! 2015」が6月20日と6月21日の2日間、東京・TSUTAYA O-EASTなど渋谷エリアの10会場にて開催された。

4回目を迎えて会場規模が拡大され、初の2日間公演が実施された今年の「やついフェス」には、やついをはじめとする260組のアーティストや芸人、文化人が出演。チケットは前売りの段階で完売し、約1万人が来場する盛況を見せた。お笑いナタリーではやついフェスの魅力を伝えるべく、10会場の中でも芸人の活躍が目立ったTSUTAYA O-EASTとduo MUSIC EXCHANGEの様子を中心にレポートを掲載する。

取材・文 / 鈴木身和(1日目)、成田邦洋(2日目)

【1日目】2015年6月20日(土)

巨大やつい人形でさっそく大盛りあがり

「三国志」諸葛孔明のコスプレをした“やつい孔明”ことDJやついいちろう。(撮影:岡本麻衣)

TSUTAYA O-EASTで行われたオープニングには、DJやついいちろうが「三国志」の諸葛孔明のコスプレで登場。B'zの「ultra soul」で早くもヒートアップする観客を見回して「今日は成功間違いなし!」と叫ぶ。そこへエレ片の人気コントから生まれた楽曲「きみはキョンシー」に乗せて巨大やつい人形が呼びこまれると、あまりに似せた作りにやついは「悪意がある! 歯とかリアルすぎるだろ!」とツッコミを入れた。

続けて声優の神谷明が、アニメ「キン肉マン」の主題歌「キン肉マン Go Fight!」を熱唱する。さらに観客との見事な掛け合いで会場を盛り上げたあと、アニメ「北斗の拳」の主人公・ケンシロウの声で「ただ今よりやついフェスを開幕します! お前たちはもう楽しんでいる……!」と開会宣言を行った。

O-EASTのお笑いステージでトップバッターに登場したタブレット純。(撮影:岡本麻衣)

O-EASTのお笑いステージでトップを飾ったタブレット純は「盛り上がってるところすみません……」と、観客とは正反対の低いテンションで登場し、算数の問題文の物悲しさを歌うムード歌謡ネタを披露する。途中、熱唱するあまり「ああ、忘れちゃった!」とオチの歌詞を忘れてしまうひと幕もあったが、最後には8年前にリリースした曲「夜をまきもどせ」を歌いながらポケットティッシュを客席に撒く「ポケットティッシュ狂い投げ」を行って挽回した。

三四郎は張り切ってコール&レスポンス。(撮影:岡本麻衣)

三四郎は登場早々、小宮が唇から流血するハプニングに見舞われた。相方の相田から血が出ていることを指摘された小宮は「ロックだろ」と格好つけてみせるが、あまりの事態に客からティッシュを手渡される始末。相田から「なんで歯が欠けてるのに血が出るの?」とツッコまれると、小宮も「不思議なシステムだよ」と答えて会場の笑いを誘った。

「クマさん応援大会」を展開する永野。(撮影:Soshi Setani)ためらいつつ、客席にダイブした永野。(撮影:Soshi Setani)

永野は「そこそこ知れ渡った」と自負する話題の歌ネタを披露。「ゴッホとピカソに捧げる歌」「ケーキとドーナツに捧げる曲」では観客がお決まりのフレーズを合唱し、「永野最高ー!」「永野カッコいい!」といった声も飛び交う。さらに「次に出るバンドの人とかをやりにくくしてやりましょう」と、クマのお面を付けた永野に観客がひたすら「クマさん」コールを送るネタ「クマさん応援大会」を決行。異常な盛り上がりを見せるオーディエンスに永野は「あのね、ダイブしてみたい!」と唐突に宣言し、「部活とかやってなかったから基礎体力ないの!」と躊躇しながらも恐る恐るダイブして満足げな表情を見せた。

「ヒットエンドラーン!」でおなじみのネタを繰り広げた鳥居みゆき。(撮影:Soshi Setani)コント「ダァゴナイ」で客席を沸かせたエレ片。(撮影:Soshi Setani)

鳥居みゆきはおなじみの上下白い衣装で「ヒットエンドラーン!」のフレーズとともにショートコントを披露。「ちょっとイスをお借りしますね」と舞台上に2つのイスを並べるが、コントで一切使用しないまま片づけるというボケを展開する。エレ片は、ある人気バンドを連想させるコント「ダァゴナイ」で客席を爆笑させた。

U-zhaan(奥)と「チュパカブラ」を披露する私立恵比寿中学。(撮影:Soshi Setani)

アイドルグループの私立恵比寿中学はU-zhaan、魔法少女になり隊、レキシ(池田貴史)、渋さ知らズオーケストラとのコラボステージをそれぞれ実現させた。そんな中、舞台袖にいた流れ星ちゅうえいがレキシに呼びこまれてステージに登場し、「呼ばないって言ったじゃないですか!」と戸惑いながらも「これからも池ちゃん(レキシ)と私立恵比寿中学を応援していくので、よろしくお願いしまーす!」と挨拶。レキシから「“ダンソン”やらないと」とバンビーノのネタを振られたちゅうえいは「違う、俺はガンダム!」と反論し、おなじみのギャグを披露してステージをあとにした。

クマムシ、ドドん、髭男爵らが十八番を連発

「あったかいんだからぁ♪」を観客と大合唱するクマムシ。(撮影:yoshihiro yoshikawa)

一方、duo MUSIC EXCHANGEで行われたお笑いコーナーのトップバッターはクマムシが担当。直前のステージを務めていたlyrical schoolを引き合いに出して「僕もアイドルソングを作ったので聴いてください」と「あったかいんだからぁ♪」を歌い出すと、会場も一緒に合唱していた。

お坊さんも抱えているという煩悩を歌った曲「BONNOU」を披露するドドん。(撮影:yoshihiro yoshikawa)

住職の免許を持つ石田と元バンドマンの安田からなるコンビ・ドドんは、お坊さんが持っている煩悩について歌った曲「BONNOU」を熱唱。安田のギターに合わせて石田もハーモニカを演奏し、そのギャップで観客の目を引いていた。次にステージへ登場したハンバート ハンバートの遊穂は「さっきのドドんさんと編成が被ったね。ハーモニカとギター」と語り、良成も「その点こっちは袈裟も着てないし、インパクトが弱いかもね。でも、かわいさでは勝てるかも」と笑わせた。

髭男爵は「7年前にめっちゃ流行ったやつやりますよー」と宣言したあと、大きな声で「ルネッサーンス!」。ノリよく声援を送る観客に「いい子たちだねー。世界中がお前たちならいいのに!」と喜んだ。

自ら勧めたポテトを「ダメだ!」と言って観客から取り上げるおなじみのやり取りを展開したDar'k~ness。(撮影:Maya Ito)美声を響かせていたFly or dieのボーカルDar'k~ness。(撮影:Maya Ito)

TSUTAYA O-WESTではFly or dieのステージが展開されたが、観客の入りを気にするDar'k~nessが、「(客が)まだレキシにいる?」「やつい、強いとこに当てすぎ」と、レキシや清 竜人25など同時刻に行われていた他の会場と比較してぼやく。しかし、ひとたび曲が始まると「かかってこいよ!」と客席を煽り、代表曲の「Virgin Marry ~聖母マリア~」や、大森靖子作詞の新曲「あいしてみやがれ」などの曲目でその美声を轟かせていた。

そのほか、この日はキングオブコメディ、やしろ優、馬鹿よ貴方は、マツモトクラブ、巨匠ら多数の芸人をはじめ、ハナレグミ with U-zhaan、東京カランコロン、松本伊代&早見優、フレデリックといったアーティストたちが各会場を沸かせている。

今野演じるクセの強い幼稚園児が動物園で大暴れするコントを繰り広げたキングオブコメディ。(撮影:岡本麻衣)芦田愛菜のモノマネを観客にレクチャーするやしろ優。(撮影:岡本麻衣)フレデリックのステージ。(撮影:Maya Ito)ハナレグミ with U-zhaan(撮影:岡本麻衣)
左から、早見優、やついいちろう、松本伊代。(撮影:SUNAO HONDA)東京カランコロン(撮影:SUNAO HONDA)1日目フィナーレの様子。(撮影:Soshi Setani)

「YATSUI FESTIVAL!」とは?

エレキコミックのやついいちろうが主催する、ジャンルレスの大型エンタテインメントフェス。通称「やついフェス」。4回目となる今年2015年は「YATSUI FEATIVAL! 2015」として6月20日と6月21日、東京・渋谷エリアの10会場にて初の2日間公演が開催された。出演者はアーティストや芸人、文化人など260組。チケットはこの4年間、すべて前売りで完売しており、今年も約1万人を動員した。来年2016年は6月18日(土)と6月19日(日)に開催される予定だ。

「YATSUI FEATIVAL! 2015」
6月20日(土)の出演者

DJやついいちろう / 藍坊主 / アカシック / 阿佐ヶ谷姉妹 / 麻美ゆま / アップアップガールズ(仮) / AZUMA HITOMI / あらかじめ決められた恋人たちへ / アルカラ / Alfred Beach Sandal / UNCHAIN / 石崎ひゅーい / Yes-man / 石川カズキ / いつもここから / 印象派 / インスタントジョンソン / USAGI / 氏神一番バンド(カブキロックス) / UHNELLYS / 梅棒 / エキストラ / エルシャラカーニ / エレ片 / エロメン一徹&月野帯人 / おおたさゆり / ONIGAWARA / 思い出野郎Aチーム / カオポイント / 科楽特奏隊 / カトキット / かみぬまゆうたろう / 神谷明 / 起(笑)転結 / 吉川友 / 奇妙礼太郎 / 金佑龍 / 巨匠 / 清 竜人25 / キングオブコメディ / クマムシ / ゲッターズ飯田 / ケラ&ザ・シンセサイザーズ / 恋する円盤 / ゴールドラッシュ / ここみんバンド / サキタハヂメ&倉本美津留&小島あやめwith AM☆PM / 三四郎 / 三拍子 / ジグザグジギー / 篠原ともえ / 渋さ知らズオーケストラ / ジャポニカソングサンバンチ / 商店街バンド / 白波多カミン / しりあがり寿 / 私立恵比寿中学 / しろたてるひさ / スタンプラリー / ストレンジサニィシアター / 曽我部恵一 / タカラダミチノブ / 田中貴 / ダブルオー・テレサ / ダブルブッキング / タブレット純 / チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン / DJ KOO from TRF / DJみそしるとMCごはん / D.W.ニコルズ / Day & Buffalo / 天才バンド / 東京アヴァンギャルド / 東京カランコロン / 堂島孝平 / トップリード / toddle / ドドん / 鳥居みゆき / 永野 / 夏の魔物(+アントーニオ本多、塚本舞、ブラックDPG) / なでksジャパン / 南波志帆 / 二丁ハロ / ねんど大介 / NONA REEVES / Hi-Hi / 馬鹿よ貴方は / 爆烈Q / 禿夢 / 花香よしあき / ハナレグミ with U-zhaan / バニラビーンズ / 早見優&松本伊代 / ハンバート ハンバート / PIP / 髭男爵 / Bitter & Sweet / ひめキュンフルーツ缶 / 兵庫慎司 / 風藤松原 / 藤子 / Fly or die / ふーちんギド / フレデリック / BELLRING少女ハート / ポカスカジャン / ホシカワ / 星野みちる / マシンガンズ / 街裏ぴんく / 松田“CHABE”岳二 / マッハスピード豪速球 / マツモトクラブ / まどもあ54世 / 魔法少女になり隊 / 宮沢章夫 / モンブランズ / やけのはら+ドリアン+VIDEOTAPEMUSIC / やしろ優 / 安本精肉 / ヤンチャン学園 音楽部 / YOUR ROMANCE / ゆるめるモ! / ヨースケコースケ / 吉澤嘉代子 / lyrical school / ルシファー吉岡 / 0.8秒と衝撃。 / レキシ / レッスン祐輝 / レ・ロマネスク / Ykiki Beat / わらふぢなるお / ワンダフルボーイズ