野性爆弾のザ・ワールド チャネリング シーズン2|小籔千豊が語る野性爆弾 本当のブレイクはこれから

芸人として「すごい」と思うことは何もない野爆のロケ

──小籔さんはシーズン1のスタジオ収録に参加されています。映像を見る限りすごくこぢんまりした場所のようですが、実際の収録はどんな雰囲気なのでしょうか。

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン1より、スタジオに招かれた小籔千豊(右)。

スタッフの事務所で、めちゃめちゃ簡素なマンションの一室なんですよ。ガーッと机をよけて、ソファをポンと置いてるだけのスペースで撮っていて。そこに呼ばれて行って、座ってテレビ観るだけっていう「ほんまにこれ仕事か?」と思うような収録ですね(笑)。でも、そこでもみんなめっちゃ笑ってます。スタッフが同じなので、(小籔とくっきーが出演している番組)「BAZOOKA!!!」(BSスカパー)の控え室で笑いながら「ワールド チャネリング」の打ち合わせしているのを見かけることもあります。

──“野性爆弾のロケ”の面白さはどんなところにあると思いますか?

めちゃめちゃおもろいはおもろいんですけど、なんでおもろいんやろ……? 何が起こるかわからんからずっと楽しみに見ていられるっていうのはありますかね。

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン2より、何度も手と顔を洗うくっきー。

──確かに、普段テレビで見慣れているロケとはまったく違う進み方をするのでワクワクします。オープニングを撮影した場所から移動することなくエンディングを迎えるとか、1つのエピソードで5回も6回も手を洗うとか、見たことがない光景ばかりで(笑)。

おもろい連れと一緒におるみたいな感覚になりますよね。ほかの芸人のロケやったら「すごいな」とか「そんな技あんねや」とか感心することがあるんですけど、野爆に関しては芸人としてすごいと思うことは何もない(笑)。真似できないですから。ただただめっちゃ面白いなと思って見ています。それと、「ワールド チャネリング」は野爆以外も完璧やと思います。

──ゲストとのやり取りも見どころですね。

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン1より、スタジオに招かれたブラックマヨネーズ小杉(右)。

芸人で言うと、ほんまに野性爆弾と食べ合わせのええゲストが来ますよね。千鳥とか、(ブラマヨ)小杉とか、(フットボールアワー)後藤とか、めっちゃ豪華メンバーが野爆のために出てくれる。あとは矢口真里さんと野呂佳代さん。あのバケモンバラエティアイドルもすごい力を発揮しています。ピンク(=彩川ひなの。シーズン1で活躍し、シーズン2の#9~10「ガッキーを落とす100の方法」にも出演)は最初に見たとき「なんじゃこいつ」と思ったんですけど、途中からピンクしか見ていない自分がいました(笑)。くっきーはボケだけじゃなくてツッコミの間もいいし、細かいところまで見ているから、そういう未知数のタレントともデヴィ夫人(#4「真夏をエンジョイ!千鳥とバーベキュー2018!!」に出演)みたいな大御所とも絡めるんだと思います。

──今後、小籔さんがロケに呼ばれることもあるかもしれません。

ほんまに行くんは嫌ですね(笑)。口に指入れられたり鼻くわえろって言われたり(#1「くっきーProduceドラマ女優オーディション」)するのも嫌やし、同じところぐるぐる回らされる(#4)のも嫌やし。僕は画面越しに見ていられればいいです。

野性爆弾の2つ目のロケットを爆発させるのはロッシー

──野性爆弾の“取扱説明書”みたいなものがあれば教えていただきたいです。

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン2より、くっきー。

くっきーみたいな、どんなことをしてもウケる芸人に対して僕が取説なんてめちゃくちゃおこがましいですけど……。くっきーは、「ただただ見守る」でいいと思います。前までやったら「ここで振ってあげよう」とか「この話題は振らんとこう」とか勝手に心配していたと思うんですが、今はほったらかしでもまったく心配ないです。問題はロッシーですよね。ロッシーの取り扱い方は、ほんまに誰かに見つけてほしいです。

──あはははは(笑)。ずっと一緒に過ごしてきた小籔さんですら見つかっていない?

僕が今この世界にいるのはほんまにロッシーのおかげなんです。芸人をやめようとしたとき、ロッシーとこいでが「絶対売れるから」って朝まで説得してくれて、こんなええヤツらに囲まれているならもう少し残ってみようかなと思って踏みとどまった。だから命の恩人であるロッシーにこんなこと言うのもアレなんですけど、なんかね、一言一言に腹立つときがあって(笑)。「今その言葉いらんねん!」みたいな。昔からそうなんですけど、合いの手が変なんです、アイツ。

──実はけっこうしゃべってらっしゃいますよね。

「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン2より、オープニングでしゃべりまくるロッシー。

千鳥と車に乗っている場面(#4)とか、ロッシーだけに注目すればもう1回、別の番組みたいな感覚で見られると思います。ロッシーと一緒に麻雀していると、めちゃくちゃしゃべるんですよ。それにいちいち反応してたら朝になるので僕はもう無視してるんですけど。あと大喜利のお題を考えさせたらすごいですよ。例えば、今パッと目につくもので大喜利をやるとしたら、「楽屋にあるお弁当、こんなおかずは嫌だ。どんなおかず?」とかじゃないですか。でもロッシーの場合「あなたはお茶? 水?」「私はお弁当を開くときにしずくが垂れたら嫌なので、そーっと開けます」とか、そんなんを大喜利のお題にするんです。質問になってないやん!?っていう。

──そのお題にはどう答えるのが正解なんでしょうか?

「僕は無色透明な心じゃないのでどちらかというとお茶ですかね」「母方のおばあちゃんが京都出身なのでお茶です」とかでいいって言いよるんですよ。もう何言ってるかわからないです。ロッシーの話より当時2才の娘の話のほうが理解できましたもん。

──(笑)。ロッシーさんの魅力はどうしたらもっと多くの人に伝わるでしょうか?

小籔千豊

昔、baseよしもとでみんながロッシーの話をして鉄板でウケている時期があったんです。お客さんも、ロッシーの天然エピソードちょうだいちょうだいっていう状態で。僕はもうロッシーの天然エピソードを1個1個覚えていたらしんどいのでアンテナ折りましたが、そのくらいハプニングが多いんです。そういう天然な部分をもっと知ってもらえたらいいんじゃないでしょうか。あとはロッシーが常にしゃべり続けている前衛的なラジオとか、ロッシーのやりたいことを実現する専門チャンネルの2時間番組とかやってほしいですね。たぶん全然おもんないと思うんですけど(笑)、ずっと観てたらロッシーのこと好きになると思います。

──「ワールド チャネリング」シーズン3でぜひやっていただきましょう。

いや、「ワールド チャネリング」はくっきーのワールドでいいと思います。まだロッシーはいっぱい小骨がありますんで(笑)。(動物チャンネルの)「アニマルプラネット」とか「世界の車窓から」(テレビ朝日)とか、特に面白いことは起きないけどなんかずっと見てしまう、みたいなロッシーの番組があれば、視聴者は癒やされると思います。

──ちなみにお笑いナタリーでもロッシーさんの人となりに迫る企画(参照:Amazon Prime Video「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」シーズン2 - “天才”くっきーの相方ロッシーを大解剖)をやってみたのですが、何も解明できませんでした。

無理ですよ(笑)。科学者にとっての人間の脳くらいわかってないことが多いんじゃないですか? 世間は「野性爆弾がブレイクした」ってひとまとめに言ってますけど、僕ははっきり言ってくっきーしかブレイクしてないと思ってます。野性爆弾の2つ目のロケットを爆発させるのはロッシーですから。ロッシーの魅力が伝わったときが、ほんまの意味での野性爆弾のブレイク。なので僕はまだまだ野性爆弾の可能性はいっぱいあると思います。

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