誰にも似ていない芸風で突き進んできた野性爆弾。お笑い界で異質な存在感を放つ彼らの冠番組「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」がAmazonプライム・ビデオにて配信されている。お笑いナタリーでは野性爆弾の2人にインタビューを実施し、番組内で展開されているはちゃめちゃなロケや不思議なコーナーについてたっぷりと話を聞いた。番組の魅力に迫ると共に、千原ジュニアから「突然変異」と評されるその芸風のルーツはなんなのか、芸歴20年を超えた野性爆弾の変遷に触れながら紐解く。
取材・文 / 狩野有理 インタビュー撮影 / 辺見真也
野性爆弾 インタビュー
笑いで世界を洗脳する
──この番組が始まるという話を聞いたときはどう思いましたか?
くっきー 純粋にうれしかったです。Amazonプライム・ビデオの番組って松本(人志)さんの「ドキュメンタル」、今田(耕司)さんと東野(幸治)さんの「カリギュラ」とか、よしもとでもだいぶ上の方がやっているので敷居が高いイメージがあって。だから僕らに話が来たときは「とうとうその位置まできたか」と優越感はありましたね。「レベル上がってるやん、俺ら」と(笑)。
ロッシー 昔、ヨシモトファンダンゴTV(スカパー!やケーブルテレビで放送されていたお笑い専門チャンネル)で「野爆テレビ」っていう僕たちの番組をやらせてもらっていたんですが、また自分たちのやりたいことができるなって思いました。
──「ザ・ワールド チャネリング」は“初冠番組”と謳われているんですけど「野爆テレビ」も冠番組ですよね。
くっきー ファンダンゴのことは記憶から消して大丈夫です。よしもとがやってたちゃいちーな番組なんで(笑)。ほかにもちょこちょこ単発で冠番組をやらせてもらうことがたまにあるんですけど、正式な冠はAmazonさんが初ということにしましょう。
──自分たちがメインの番組を持つのは「野爆テレビ」から10年ぶり。やりたいことが溜まっていたんじゃないですか?
くっきー そうなんですよ。もともとロケ番組というのは決まっていて、付属で何しようかってところですよね。遊びどころはいっぱい入れたかった。
──再び冠番組を持つまでにかなり間が空きましたが、なぜだと思いますか?
くっきー やっぱり、ボケがいびつやからかな。自分で言うのもなんですけど、きちゃないし気持ち悪いじゃないですか。そういうところなんでしょうね。わかってるんですよ、重々。
──自覚があるんですね。
くっきー あるけど、やります。やっぱ変えられない。癖って直らないですから。
──番組タイトルはどうやって決めたんですか?
くっきー ディレクターさんの案で「野爆チャンネル」にしようっていう話になったんですが、「でも『宇宙』付けたいですね」「うーん……」みたいなやり取りを経て最終的に「ワールド チャネリング」になりました。
──スピリチュアルな雰囲気があります。
くっきー お笑いってそういう要素もあると思うんです。人を洗脳するという意味で。つまり「ワールド チャネリング」は世界を我々の笑いで洗脳するっていうことですね。
──ロッシーさんも同じ意見ですか?
ロッシー はい。いいと思います。
「マジでなんやねん」ロッシーのコーナー
──番組のジャンルとしては「ロケクイズバラエティ」。なぜクイズ要素を入れたんですか?
くっきー ただただロケを見せるより、心電図みたいにファっと上がる部分があればいいなと思って。あと流行ってるんでしょ? クイズ番組。だからです。「クイズ!ヘキサゴン」からの流れです。僕らヘキサゴンブラッドが流れてるんで。
──ゲストを招いて一緒にロケVTRを観ながらクイズを出すっていう形式は、たしかに観やすいなと思いました。ロケもコーナーもボケっぱなしで進んでいくので、初回のブラックマヨネーズ小杉さんをはじめツッコんでくれるゲストの存在は大きいです。
くっきー ツッコミ不在なんでね(笑)。
──ロッシーさんの悩み相談や、ロッシーさんと犬の散歩、くっきーさんがただ振り返る様子をスローで見せる映像など、毎回、唐突に不思議なコーナーが挟み込まれます。
ロッシー あのコーナーには僕もびっくりしてますけど。「来てください」って言われて現場に行くと、海パン渡されて「泳いでください」。で、また別の現場に行くと犬がおって、「散歩してください」って言われる。
──何も知らずに参加しているんですか?
ロッシー 何も聞いてないです。
──これらのコーナーを視聴者はどういう気持ちで観ればいいんでしょうか。
くっきー 映画観てて、途中で「ちょっと!」って呼ばれてバッと振り向いた感じですかね。
ロッシー 突然コーナーの映像がロケVTRの間に入ってくるので、自分も毎回驚いてます。
──ロッシーさんが何をやっているかはくっきーさんも番組内で初めてご覧になるんですよね。
くっきー そうです。
──どう思いながら観ているんですか?
くっきー 「マジでなんやねん」って思ってます。波風立たないコーナーなので。ただただせせらぎ見せられてる感じ。僕はあのコーナー、「せせらぎ」って呼んでます。
次のページ »
アイドルが回すロケ
- 「野性爆弾のザ・ワールド チャネリング」
- Amazonプライム・ビデオにて
毎週金曜に新作配信中 -
©2017 YD Creation
- Amazonプライム・ビデオとは
-
Amazonプライム会員(月間プラン400円、年間プラン3900円)向けのサービス。数千本もの人気映画やテレビ番組、またAmazonスタジオ制作によるオリジナル作品をいつでもどこでも、見放題で楽しめる。
- 野性爆弾(ヤセイバクダン)
-
- 左 / くっきー
- 1976年3月12日生まれ。滋賀県出身。
- 右 / ロッシー
- 1975年4月6日生まれ。滋賀県出身。
- 幼稚園からの幼なじみで、1994年4月にコンビ結成。 それぞれ別の友人とお笑いを目指し、よしもとの養成所NSC大阪校に13期生として入所した。レギュラー出演していた劇場・うめだ花月が閉館するタイミングで上京。異質な芸風から、ルミネtheよしもとの劇場公演に出演した際、オチのシーンで「ちゃんとせい!」と罵声が飛んだことも。2015年には結成20周年を記念する単独ライブをルミネtheよしもと、よしもと祇園花月で開催した。
- 「野性爆弾大博覧会 鬼歩歩(きぽぽ)ちゃん~やりたいネタの集い~」開催!
-
日時:2017年9月28日(木)18:00開場 19:00開演 21:00終演
会場:東京・東京国際フォーラム ホールC
料金:歩歩ちゃんシート1万5000円(限定99席、チケットよしもとのみ取扱い) / 1・2階席前売3500円 当日4000円 / 3階席前売3000円 当日3500円
野性爆弾のザ・ワールド チャネリング
豪華ゲストとのロケ企画をメインに、2人の個性が詰め込まれたコーナー、くっきー監督のミニドラマなど、野爆ワールド全開の笑いをお届け! オープニング映像に使われている先輩・同期のコメントも必見だ。Amazonプライム・ビデオにて毎週金曜に新作配信中。
先輩芸人が語る野性爆弾(番組オープニング映像よりコメント抜粋)