お笑いナタリー Power Push -うしろシティ

第6回単独ライブ「すごいじゃん」初の4都市ツアーで得た手応え

肝は“何年かぶりに会う奴”

──初日から千秋楽にかけてネタの手直しをしていくと思うんですが、大きく変えたことはありますか?

阿諏訪泰義

阿諏訪 ネタを1つまるごと差し替えたのが大きな変更点ですね。「職員室」っていうコントなんですけど、大阪ではやっていないんです。

金子 もともとのネタがどうこうっていうことじゃなくて、全体のバランスを考えたときにもうちょっと何か欲しかったんです。「職員室」を入れたら全体の印象がすごくよくなりました。

──登場するキャラクターのバランス?

金子 いや、キャラのバランスは悪いんですけどね。普通の人が出てこなさすぎて(笑)。だいたい単独ライブやると「このネタがよかった」っていう意見が集中しがちなんですけど、今年はけっこう割れてるんです。言いたいこと、やりたいことっていうのがネタごとにあって、それぞれハマる人がいたっていうのがすごくうれしかったです。

──個人的には、「日替わり定食」の金子さん演じる店主があまり今までにないキャラクターで印象に残っています。

コント「私の席」のワンシーン。

金子 DVDの副音声を録っているときに気づいたんですが、“何年かぶりに会う奴”っていうのが僕らの肝なのかなと。初めて会う変な人に対して「なんだこいつ!」っていうコントもありますが、僕としては知ってる人が変になって再び現れるっていうほうがリアルなんです。だからそういう設定がめっちゃ多くて。そういう意味で「日替わり定食」はあまりやってないタイプですね。僕の予定ではこのコントで描いた人間の成長物語に、みんなが涙するんじゃないかと思ってたんですけど、失敗しました。

阿諏訪 どんな予定だよ(笑)。あと「タイムスリップ」みたいな、時代を題材にしたものっていうのもあまりやらないですね。慣れない着物を着てやってます。

めっちゃシンプルなお笑いやってる感じ

──「キングオブコント2015」の準決勝にはこのDVDに収録されているネタで挑んでいました。今までで一番会場の空気が重いなと感じたのですが、うしろシティさんでワッと沸いて。

阿諏訪 本当ですか! うれしい。

──お客さんの反応はかなりよかったです。このネタで行こうっていうのは単独ライブでやってみて決めたんですか?

金子 単独ライブ前からこれかなってなんとなく思っていました。

──ネタ自体はこの単独ライブに向けて作ったものですよね。

コント「タイムスリップ」のワンシーン。

阿諏訪 いや、これは1回ライブでやったことがあるネタなんです。

金子 去年の「キングオブコント」のあとですね。

阿諏訪 そう。だからそのライブでやったあと金子が「これだったー!」って言ってたよね(笑)。去年このネタにしとけばよかったって。

──2012年と2013年に2年連続で決勝進出している分、去年の結果(準決勝敗退)は悔しかったと思うのですが。

阿諏訪 そんなに落ち込んだりはしていないです。すごく好きなネタだったので、それを準決勝でやれてよかったっていう満足感はありました。

金子 実は前回、2013年の決勝に選ばれたとき、手応えがそこまであったわけではなくて。もうちょっと何か掴んでから挑みたかったんです。それからこの2年の間にコントもお笑いに対するスタンスも、どんどんシンプルになってきていて、それが通用したっていう実感があったからこそ今度の決勝進出は今までで一番うれしかったですね。

──「シンプルに」というのは自然にそうなってきている?

金子学

金子 自然にですね。なんか、技術って難しいなって思って(笑)。初めて「キングオブコント」の決勝に出て負けたときに、足りないものはなんだろうとか、「キングオブコント」ってこういうものだとか、今の流行りってこうなんじゃないかとか、自分たちで考えようとしていたんですが、むしろそれがよくなくて。努力してるつもりだったんですけど、けっこうなことができないんですよね。それを認めてしまったら楽だし、楽しくなって。今は自分たちが面白いと思うものをお客さんにも面白いと思ってほしいなっていう単純な気持ちでやってます。めっちゃシンプルなお笑いやってる感じ。

阿諏訪 だから音を使ったり、照明使ったり、カツラ被ったり、みたいなネタが増えてきてますね。おっさんのメイクとかもしたいです。そういう僕らだけではできない部分は補って、面白いと思うことをやりたいなって思います。

香川のうどん、広島の牡蠣……全国ツアー拡大に期待

──直近の目標は「キングオブコント」の優勝ですね。

阿諏訪泰義

阿諏訪 はい。それと、今後も単独ライブツアーに出たいです。

──次回以降も福岡は開催地に入れていきたい場所になりましたか?

金子 そうですね。あと香川に行きたいかな。うどんがすごく好きなんです。いずれ香川も入れていきます。

阿諏訪 俺は広島かな。お好み焼き、牡蠣……。

金子 えー。牡蠣食べられないからなあ。

阿諏訪 ってこれ何の話だよ(笑)。

金子 来年、単独ライブの開催地に決まった街は自信持っていいですよ! 僕らに選ばれた=おいしい名物があるってことですから。

左から、金子学、阿諏訪泰義。
DVD「うしろシティ第6回単独ライブ『すごいじゃん』」/ 2015年9月16日発売
[DVD] 4104円 / ポニーキャニオン / PCBE-12119
収録内容
  • 授業中
  • 個展
  • 私の家
  • アンティークショップ
  • 職員室
  • タイムスリップ
  • 日替わり定食
  • 宅配ピザ
  • ファーストフードにて
  • 悪魔
  • 出会い

特典映像:幕間映像
音声特典:うしろシティの副音声解説

DVD「うしろシティ第6回単独ライブ『すごいじゃん』」発売記念スペシャルインストアイベント
2015年9月23日(水・祝)START 12:00東京・タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
タワーレコード渋谷店、新宿店、秋葉原店、池袋店、TOWER RECORDS ONLINEのいずれかで本作を購入すると先着で配布される整理番号付イベント参加券が必要。購入者には直筆サイン入り特製ポストカードをプレゼント。
うしろシティ

うしろシティ

写真左 / 金子学(1981年3月25日、新潟県生まれ)、写真右 / 阿諏訪泰義(1983年1月8日、神奈川県生まれ)。2009年にコンビ結成。松竹芸能所属。
東京・松竹芸能 新宿角座を中心にライブを行っているほか、「デブッタンテ」(TBSラジオ)、「俺の地図帳」(読売テレビほか)などにレギュラー出演中。3度目の決勝進出となる「キン グオブコント2015」は10月11日(日)、TBS系にて生放送。