お笑いナタリー PowerPush - たりないふたり -山里亮太と若林正恭-

南海キャンディーズ山里×オードリー若林 裏話満載のDVD誌上コメンタリー

最後の収録

安島 2人とも疲れてましたよね、すごく。最終収録の2週間前に第3回の収録がありましたし。最終収録はラストの漫才もあるけど、その前に2つ漫才もあって、過去一番の負担がある収録でした。ピリピリもしますよね、寝てないですから。プレッシャーもすごいでしょうし。

佐藤 最後の漫才に関しては、結構「もう最後だから」ってところもありましたから楽しみもありつつでしたけど、その前あたりがキツそうでしたね。

「たりないふたり」というコンビ

対談風景

佐藤 2人のあの漫才はなかなかできるもんじゃないぞって感じですよね。稽古する時間もない中であれだけのものができるっていうのは、あの2人じゃないとって感じがすごくしましたね。

安島 お互いキャリアがあって、それぞれ売れた後の今このタイミングだから生まれたコンビですね。

佐藤 最近オードリーのネタ打ち合わせのとき、「たりない」で経験したことが出てくるんですよ。でもできる範囲が違いすぎると。山里さんができることって多いじゃないですか。なんでも面白く返してくれるし。「たりないふたり」ってすごいのが、漫才が12パターン全部違ったと思うんですよね、それはあの2人じゃなきゃできなかったことなんだなと。

安島 そういう才能のある2人が全力で向き合うと、ああいう感じになるんだなと思いましたね。できることの多い山ちゃんにしてみても、たりないところを若林くんが補ってくれるというか。彼がよく言うのが「若林くんの発想が大きい」と。「ダイナミックな発想をしてくるからそれを尊重して、中身を詰めていくのは自分のほうが得意だと思う」って。タイプの違いなんですよね。

この先の「たりないふたり」

安島 この先はわかんないですね。8月20日・21日にライブをやってみてどうなるか。そのライブもどうなるのか。今までは「たりないふたり」ができる喜びがあったんですよね。お互いが普段別々にいろんな仕事をして、いろいろなことを感じたり、うまくいったりいかなかったりって中で、オアシス的な存在として「たりないふたり」があって。そのオアシスが番組になるっていうすごい喜びがあって、それでラスト漫才でほぼ燃え尽きて。その後のライブってどうなるんだろうと。サトミツくんもそうだと思うんですけど、僕も燃え尽きました(笑)。だからずっとモヤモヤしてる。

佐藤 そうですね(笑)。これまでのライブとは違いますもんね。

安島 そう。もともとライブでは「お互い目も合わせられない関係だけど、ライブをやっていく中でお互いを知って初めて漫才ができる」という構成だったど、次にそれはできないと思うんです。あれだけ2人で一緒にいて、ラジオであれだけ掛け合いやって、「お互いわかってないね」はもう嘘ですからね。どうなるんだろうな。ライブをやってみないとわかんないですね。それが楽しみでもありますけど。この前、サトミツくんと一緒に会場の下見に行ったんだけど、やばいなって。でかくて。

佐藤 想像以上にでかいですよね(笑)。

安島 そこに2人が丸腰で立つんだと思うとドキドキしました。

佐藤 ただライブが終わった後、この2人がずっと会わずにいられるかどうか。

安島 それはある。独身の頃激しい恋をした2人が同窓会でまた会っちゃって燃えちゃうみたいなことがありそう。

佐藤 あははは(笑)。

安島 今回DVDがほとんどフルで収録されているのを見て、改めて面白いなって思いましたね。特に#13は、お客様への感謝の気持ちとしてやったのですが、漫才が異様にはねてるんですよね。#12までの十字架を解き放ってる感じです。久々に楽しいアドリブもたくさん入ってるし、たりないふたりの初期の感じかもしれません。漫才ができる喜びにあふれてる。そこもぜひ見ていただきたいですね。

対談風景
安島隆安島隆

生年月日:1973年5月30日
出身地:東京都
日本テレビ制作局所属。これまでに「コレってアリですか?」「潜在異色」「ぜんぶウソ」「君の席」などの番組・ライブを企画演出。

佐藤満春佐藤満春(どきどきキャンプ)

生年月日:1978年2月17日
出身地:東京都
所属:ケイダッシュステージ
「たりないふたり」に作家として参加。

ライブ「たりないふたり」中野サンプラザ2DAYS

日時:2012年8月20日(月)、21日(火) 19時開演
会場:東京・中野サンプラザ
入場料:4500円
イベント問合せ:チケットぴあ 0570-02-9111 (受付時間10:00~18:00)