キャンプと料理とホラーが融合したドラマ「ヒロシの心霊キャンプ」ヒロシインタビュー

ヒロシが主演を務める心霊ドラマ「ヒロシの心霊キャンプ」がBS日テレでスタートする。ヒロシが演じるのは、山奥にあるごく普通のキャンプ場で「心霊キャンプ」なる集会を主宰する男・ヒロシ役。そんな彼のもとに山の中で奇妙な恐怖体験をした人々が集結して、山にまつわる恐怖体験を披露していく。ヒロシの“キャンプ飯パート”と、キャンプに集った語り手たちによる“怪談パート”で構成される30分だ。

原案は、田中康弘氏による累計30万部突破のベストセラー「山怪 山人が語る不思議な話」(山と溪谷社)シリーズ。語り手たちの恐怖体験が1話につき2エピソード、本格的なホラードラマ仕立てで届けられる。またキャンプ飯パートには野外料理研究家として活躍するベアーズ島田キャンプがシェフ役で出演し、お口直しの絶品キャンプ飯をヒロシと語り手たちに振る舞う。先日ヒロシが記者取材に応じ、この番組の見どころはもちろん、ベアーズ島田キャンプのこと、芸人仲間「焚火会」での交流などについて語った。

取材・文 / 成田邦洋撮影 / 井上恵美梨

ヒロシ インタビュー

──「キャンプ」と「怪談」という組み合わせの企画を聞いた感想は?

稲垣吾郎さんの「ほんとにあった怖い話」(フジテレビ系)をパッと思い出して、「よく似てる。やりたい!」と思いました。稲垣吾郎さんの役どころだと思っていたので「やった!」って。キャンプって幽霊とか出そうじゃないですか? 僕もホラーものが好きですし、人気の「キャンプ」と「料理」と「ホラー」というコンテンツが3つ融合しているので面白そうだなと。僕はホラードラマの部分には出ていないので、作品が全体的にどうなっているか楽しみです。

──ヒロシさんはどんな役作りをされましたか?

“ほぼヒロシ”だと思います。キャンプ場に怖い話をする人たちが訪れて、その人たちはちゃんとドラマっぽくやっているから、そっちに引っ張られている感はありますけど。たとえばテントもキャンプスタイルも僕のものではないし着ている服もいつもと違う。まず、このドラマのように知らない人がキャンプに来たら、僕は帰りますからね。いつものキャンプのヒロシとは違います。

ヒロシ

──ヒロシさんにとって演技のお仕事はどんな位置づけでしょうか?

僕、芸人として売れたあとで「役者の道もいいなあ」と淡くなんとなく思っていて、実はいろいろとお芝居の仕事をしているんです。今回はドラマとは言っていますが、あまり演技をしているつもりはなかったです。

──怪談話やホラーが好きということですが、好きな作品などはありますか?

「ほん怖」は観ますし、YouTubeでもシンプルな短い話をよく観ています。小学校の頃には「あなたの知らない世界」(日本テレビ系)という新倉イワオさんの番組を観るのが楽しみでした。ドラマの「ウォーキング・デッド」にキャンプでテントを張っているシーンがあるんですけど、そこにゾンビがいたりする。なのでキャンプに行ったときにタブレットで「ウォーキング・デッド」を観ると、たまらなく臨場感があります。怪談をする芸人さんっていっぱいいますよね。僕も不思議な体験があって。大学生のときに福岡の繁華街で接客スタッフとして働いていたとき、トイレから10人くらいの声が聞こえてきたりとか。それを先輩に言ったら「いやー、いつものことだよ」と。あれは相当怖かったです。

ヒロシ
ヒロシ

──「心霊キャンプ」にシェフ役で出演しているベアーズ島田キャンプさんとの縁は?

僕が料理を作れないから、プライベートでずっとキャンプに行っている友達です。ほかの人と打ち解けるのがうまいんですよ。出演者の若い人たちと話が盛り上がっていました。僕がしゃべらないぶん、島田くんがしゃべってくれてよかったです。あと、お笑いナタリーさんだからこの話をしていいと思うんですけど、島田くんはもともとムートンというコンビで活動していたんですよ。そのコンビをやめて、ベアーズ島田キャンプとなり、料理が得意なので「やってみる?」と声をかけて、俺と一緒にキャンプ行くようになって……という歴史があります。

──初回の試写を拝見しまして、カレーがおいしそうでした。ヒロシさんも実際にカレーを食べられたんですよね?

もちろん! おいしかったですよ。島田のカレーですから。友達でキャンプ仲間でもあるので、しょっちゅう食べてます。ただ島田は、カレーは普段あまり作らないですね。彼はお酒を飲むので、おつまみ系のほうが多いです。今回の「心霊キャンプ」では、ごはんのおかずになるものが多かったです。

──怖そうなドラマの中で、ヒロシさんのセリフにはコメディ要素もあります。どんなバランスで笑いがある番組でしょうか?

語り手たちが怖い話をするんだけど、そのあとに料理が出てくると「怖い話もそれくらいにして……」という普通のなごやかな雰囲気になりますね。また島田がその会話に入ってくるから、おかしなことになるんですけど。飯ってそういうことなんですよね。

──ヒロシさんといえばキャンプ芸人仲間との「焚火会」がおなじみです。どういう交流をされてますか?

グループLINEで「誰か一緒に行く?」という話が出てくれば、行きたい人は行くし、行きたくない人は行かない。相当自由です。行くときも待ち合わせをしないでバラバラに自分の行きたい時間に行きます。仕事がある人は先に帰ればいいですし。僕が一番先輩だとは思うんですけど、先輩が偉そうにしない、とてもいいグループです。

ヒロシ
ヒロシ

──最近では特にどの芸人さんとキャンプに行かれていますか?

仕事ではよく会うんですが、プライベートではじゅんいちダビッドソンさんとスパローズの大和くんと3人で、バイクに乗って北海道に1週間キャンプに行きました。それがすごく楽しくて。みんな興奮していました。まずは茨城からフェリーに乗ったら、5分で大和くんに「ヒロシさん、レストランありますよ! 行きましょう!」と言われて「いや、今乗ったばかりじゃない?」と。じゅんいちさんも「めっちゃ楽しいわ!」って。何を見ても感動していました。

──キャンプ以前に、フェリーでその状態だったんですね。最後にお笑いナタリー読者に「ヒロシの心霊キャンプ」のオススメポイントを教えてください。

お笑いにもいろんな時代があったと思うんですけど、昔ムートンというコンビで活動していた島田が、今やベアーズ島田キャンプになりました。ムートンが見られるのはこの「ヒロシの心霊キャンプ」だけ! 厳密に言ったらほかにもあるんですけどね。昔を知っている人は多少いると思うので「元々芸人さんだったのね」と。いろんな苦労があって今があると伝えたいです。番組自体はキャンプと料理とホラーが混ざった、なかなかない試み。怪談好きの方も、キャンプ好きの方も楽しめる“一度で二度おいしいドラマ”だと思います。これが評価を得たら、次は「ヒロシのキャンプ刑事」とか「ヒロシのキャンプ探偵」とか、いろいろと可能性が広がりますね。

ヒロシ

プロフィール

ヒロシ

1972年1月23日生まれ、熊本県出身。2004年頃に「笑いの金メダル」(ABCテレビ)などで披露していた「ヒロシです」のネタでブレイクし、ネタ本「ヒロシです。」や日めくりカレンダー「まいにち、ネガティブ」などの書籍もヒットした。近年では趣味のソロキャンプが仕事として広がりを見せ、その様子を伝えるYouTubeの「ヒロシちゃんねる」が人気。キャンプ関連の著書も多数。「ヒロシのひとりキャンプのすすめ」(熊本朝日放送)、「ヒロシのぼっちキャンプ」(BS-TBS)といった冠番組も持つ。