ナタリー PowerPush - ブギウギ専務
北海道発人気バラエティが初DVD化! ウエスギ専務が語る番組への思い
2007年に放送が開始され、北海道で広く親しまれているバラエティ番組「ブギウギ専務」(STV)。今年2013年12月にメジャーデビューを控えるバンド・THE TON-UP MOTORSのボーカル上杉周大が「ウエスギ専務」として出演し、さまざまな企画に挑戦してきた。
番組初のDVDとしてこのたびリリースされるのは、上杉が北海道・函館の立待岬から稚内の宗谷岬まで歩いた「ブギウギ奥の細道」。足掛け1年3カ月にわたる壮大な旅には、この番組ならではのバカバカしさや哀愁が漂っている。「おおち係長」としてキャストに名を連ねるダイノジ大地も随所で旅に合流。お笑いナタリーでは上杉に話を聞き、旅の思い出や苦悩、大地の印象などを熱い口調で語ってもらった。
取材・文 / 成田邦洋 インタビュー撮影 / 辺見真也
旅の序盤は余裕がなかった
──「ブギウギ専務」初DVD化について、率直なご感想をお聞かせください。
感慨深いですね。今までは場当たり的な企画が多く、一般の方の許可を取らないとDVD化できないものばかりだったのですが、今回は物理的に初めてDVDにできる企画でした。道外の方に見てもらえることも嬉しいです。
──企画は「ブギウギ奥の細道」ということで、上杉さんが松尾芭蕉に扮して各地で俳句を詠まれています。これまで俳句を嗜まれたことは?
まるでなかったです。普段バンドで歌詞を書いているんですが、五・七・五って難しいんですよね。たとえば旅の途中で日が暮れ始めて、すごくいい景色になるんだろうなと予想して、じゃあそこでポンとこんな句を詠みたいな……と思っても、事前に準備したものは得てしてダメなんです。現場で「何をうまいこと言おうとしてるんだ」とバレてしまう。とっさに内側からボン! と出る一句がオンエア上はよく使われました。
──本作に収録されているのは旅の序盤です。どんなスタートでしたか?
最初の頃は、シーンごとにギスギスしていました(笑)。さぁスタートするぞ、と函館を出るじゃないですか。歩いていく中で夜になって、スタッフに何も知らされてないので「どこに泊まるの? 宿の手配はどうなるんだ?」って聞いても「いや行き当たりばったりです」と。カメラが回っていようが回っていなかろうが「この先どうなるんだよ」という話を常にしてました。
──ノープランだったわけですね。
そうなんです。しかも途中で事故にでも遭ったりしたら、この企画はなくなってしまう。いろんなことを考えて、特に序盤は、僕の余裕のない表情がいっぱい出てくると思います。一切演技はありません!
道内各地で「専務、待ってたよ!」
──ブギウギ専務の人気を裏付けるように、各地でいろんな人から「専務!」と呼びかけられていますね。
すごく声をかけていただきました。「専務がこのあたりを歩いてる」という情報がオンエアやTwitterで出てくると、明日うちの町に来るんじゃないか? と予想する方がいて。僕らが歩いて行くと、パーキングに車が何台か止まっていて、近づくとガチャッ! とドアがあいて「専務、待ってたよ!」と。
──すでに待ち構えているんですね。
寒いときは温かいコーヒーや紅茶を差し入れしていただいて、嬉しかったですね。どんな旅よりも過酷だけど、くじけちゃいけないなと。「がんばんなさいよ」という一言の裏には「この先も見てるし、応援してるからね」という気持ちがあるので、そんな気持ちを黄色いリュックに入れながら歩いていく、という感じでした。スタッフも重い機材を持って一緒に歩いているし、各地の方々の声があるからみんなの結束が徐々に固まっていったと思います。
──旅先での一番の思い出は?
どれだけ旅館に泊まったんだろう、というのはあります。旅館がどんどん好きになっていきました。ちなみに、記者さんは旅館とビジネスホテル、どちらが好きですか?
──今のところビジネスホテルです。
僕も普段はビジネスホテルが主なんです。欲を言えば新しくて設備が整ってたほうがいいじゃないですか。ただ、この旅は「奥の細道」なので「昔の日本のわびさびがある宿じゃないといけない」というルールがあったんです。建物の高さも2階建て以内。僕らが行った旅館は、親戚のおばあちゃんの家でしか見ないような形状のストーブとか、これでもかというくらい花柄の布団とか、共用のトイレや風呂や冷蔵庫とか、そういうものに囲まれた環境でした。旅館の方とも触れ合ったり、普段経験できないことを経験できて面白かったですね。
「おおち係長」の頼もしさ
──「おおち係長」ことダイノジ大地さんも出演されています。
もともとバンドでダイノジさんのイベントに呼んでいただりして、つながりはあったんです。それでも最初は、僕が大地さんに「係長さぁ」ってタメ口で話しかけるのは、けっこう抵抗がありました。
──大地さんのほうが先輩ですもんね。
そうです。つい敬語が出ちゃってカットされることが最初のうちは多かったです。
──2人での旅の中で感じられたことは?
ずっと歩きなので、どうしても絵になるシーンとならないシーンがあるんですよ。山道が20km続くと、どこを取っても同じ景色で。そういうとき大地さんはすごいですね。「景色ぜんぜん変わんねーし!」というところも笑いにつなげるんですよ。「昔こういうことあって」と思い出からエピソードを拾ってきたりとか。自分は芸人さんじゃないですけど、そういうところは勉強になりましたね。
──そう聞くと、大地さんのすごさが伝わってくるようです。
あと、瞬発力がすごいですね。スベるときは大きくスベる、ウケるときは大きくウケる! それと大地さんはヒザに爆弾を抱えているので、そのあたりはわりと気を遣いましたね。「すいません、ヒザ痛いっす」って、まったく面白くない感じで言うんですよ(笑)。でも頼もしい方でした。
- DVD「ブギウギ専務 DVD vol.1 ブギウギ奥の細道 ~旅立ちの章~」
- DVD「ブギウギ専務 DVD vol.1 ブギウギ奥の細道 ~旅立ちの章~」
- 2013年11月6日発売 / 発売元:札幌テレビ放送株式会社 / 販売元:バップ / 2940円 / VPBF-15634
収録内容
本編:ブギウギ奥の細道 旅立ちの章
未公開映像:「紀行文」完全公開!
特典映像:登別の秘湯に行こう!
DVD「ブギウギ専務 DVD vol.1 ブギウギ奥の細道 ~旅立ちの章~」&CD「THE TON-UP MOTORS」連動応募者全員プレゼントキャンペーン
応募者全員特典:THE TON-UP MOTORS 「旅立ちのとき」(ブギウギ奥の細道 テーマソング)オリジナルCD
応募方法:12月18日発売のTHE TON-UP MOTORS「THE TON-UP MOTORS」に封入の応募専用ハガキに「ブギウギ専務 DVD vol.1 ブギウギ奥の細道 ~旅立ちの章~」に封入の応募券を貼付して応募。応募者全員に特典CDがプレゼントされる。
応募締切:2014年4月30日(水)消印有効
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上杉周大(うえすぎしゅうた)
2000年に北海道札幌市で結成されたソウルロックバンド・THE TON-UP MOTORSのボーカル。バラエティ番組「ブギウギ専務」(STV)で主役を務めて人気を博し、ラジオやCMなど幅広いジャンルで活躍している。バンドとしても全国各地で多くのイベントや学園祭、ライブなどに出演。今年2013年12月18日発売ニューアルバム「THE TON-UP MOTORS」でバップよりメジャーデビューする。
2013年11月20日更新