お笑いナタリー PowerPush - スクールJCA

人力舎芸人への道が開ける養成所 卒業生が魅力を紹介

人力舎がコントに強い理由

──2014年の「キングオブコント」では、人力舎さんから、巨匠さん、リンゴスターさん、そしてラバーガールさんの3組が決勝に残りました。ほかの事務所に比べてもコントに強いという印象がありますが、そこにスクールJCAで学んだことも生かされてますか?

左から巨匠・岡野、本田、リンゴスター小川、平田、高野。

平田 事務所の先輩に、コントに強い方がいっぱいいらっしゃる。単独ライブにもスクールのときから見学に行けるんですよ。そこで先輩に学んだというのがあると思います。

岡野 JCAには人に干渉しない部分があって、なんかやらなきゃいけないなと思って自力でがんばるのが、いい方向に出ているんだと思います。

高野 あと、人力舎にいるのは、どっちかといったらマイナスな人間じゃないですか(笑)。素でしゃべるのが怖いというのもあるんです。だからコントを選んで、キャラに入る。

岡野 先輩の単独ライブの手伝いもあるので、練習を見て「こんなにやらなきゃいけないんだ」と学んだり、盗んだりしたこともあります。

26歳で入学した岡野「怒られても楽しい」

──これまでの学校生活との違いは感じましたか?

岡野 基本、同い年でこれまでずっと授業受けてきましたけど、それが急にハゲた人から若い人までバラバラにいて、しかも同期なのでタメ口でしゃべるんですよ。僕は26歳でJCAに入って、18歳の子に「おい岡野、岡野」って言われて、最初は「ん?」って思ったんですけど、もうなんとも思わなくなりました。年下の先輩なんていくらでもいますし、歳の概念がなくなった。悟りを開いた(笑)。

──26歳で入学というのは、けっこう遅いスタートですよね。

岡野 入ったときは一番上でした。僕それまでずっとパチンコしちゃってたんですよ。でも、このままじゃダメだと。もう十分パチンコしたじゃないかと(笑)。養成所に入ってからは、怒られても楽しかったですね。面白いと思って朝まで一生懸命考えて作ってきたネタが、すごく怒られるんですよ! それすらも「なーんで怒られるんだろうなあ?」と思いながら、楽しかった。みんな同じお笑い芸人を目指しているから、朝まで「売れたらどうする?」とか話してね。養成所もライブがあって順位が付くから、そこを目標にする人もいました。1カ月に1回、ネタを作るのが基本でした。

左から巨匠・岡野、本田。

本田 あと、寝なかったよね。

岡野 そう、ネタ見せの前の日は僕ら寝なかったです。前日の夜からマクドナルドや公園に行って。夜中に公園で大きい声出してたら警察が来たりする、というのも“あるある”ですね。

本田 夜中にやっても、別にいいことないですけどね。寝ずにやってネタ見せして、セリフが飛んじゃったりするんですよ。寝たほうがいいなと。

岡野 だから最近はその反省を生かして寝るようにしてます。全部が勉強ですよ!

──ちなみに本田さんはJCAでどんなことを身に付けましたか?

本田 僕は動きのキレですね。この体型でキレが出たら面白いなと。

平田 お笑い的な動きのキレ、ということですか。

本田 そう!

──たしかにお笑いにはリズム感が大切とよく言われますよね。

平田 間とかテンポとかリズム感とかね。そういう意味ではダンスの授業も大切だと思います。

みんなが遊んでる間にネタ作ったれ

──リンゴスターのみなさんは、どんなことを考えてJCAでの生活を送ってましたか?

平田 養成所の中って小さな世界なんですよ。僕はその中でも一番負けたくない、っていうのを目標にやってました。ライブの成績であれ、エピソードトークであれ。

高野 初めて「お笑いをやりたい」という同じ目標の人と会ったわけです。最高の相方に巡り合えますよ!

左からリンゴスター小川、平田、高野。

小川 急になんだよ!

平田 気持ち悪いな!(笑)

──平田さんは養成所の中で負けないために、何か独自のことをされていましたか?

平田 僕は養成所のとき、ほかの芸人とそんなに仲よくなかった。「みんなが遊んでる間にネタ作ったれ!」と。寝首をかく、というようなことはしてましたね。

──「ほかの芸人と仲よくなかった」とのことですが、ちなみにスクールJCAの中で恋愛感情が芽生えたことはありますか?

岡野 これはねえ、ありますよ!

一同 (笑)

平田 恋愛の対象になる女性自体、そんなにいないんですけど。

高野 でも、男ばっかの中で、たとえブスでも女性がいるとかわいく見えてくるんですよ。

平田 砂漠の水みたいな。

高野 ほんとね、ブスな女の子に言いたいんですけど、モテたいならJCAに来れば、そこそこチヤホヤされます!

JCAは人気者じゃなくても輝かせてくれる

──最後に読者へのメッセージを一言ずつお願いします。

岡野 夏休み前に1回、辞めたくなるんですよ。みんなの前で何かやらなきゃならないのが辛い人もいる。でも、そこを過ぎると楽しくなるよ、というアドバイスです。

高野 僕は大学を卒業して入ったので、周りの友達は社会人でした。たまに会うと比べちゃう。午前中からダンス踊ってる自分と、稼いでる友達。だから、1年間は誰とも会わないで通ったほうがいいと思います。

平田 養成所の中にも「楽して金を稼げるんじゃないか」とか甘い考えの奴がいる。気を付けないと、ズルズルと楽したい人のほうに流されてしまうので、自分が本当に志してるものと近いものを持っている人とだけ、つるむようにしたほうがいいと思います。

小川 JCAは、クラスで1番手、2番手みたいな人気者じゃない人を輝かせてくれる。日が当たらなくてもJCAに来れば、キングオブコントにも出られるわけですから。

本田 逆に皆勤賞みたいな行き過ぎになるのも、気を付けたほうがいいかも知れないです。ネタ作りに対して気持ちが散漫になってしまう。

岡野 え、じゃあ、もし皆勤してなかったら今頃ネタをバンバン作ってたっていうこと?

本田 そうですね。ほどよく通ってください。

左から巨匠・岡野、本田、リンゴスター小川、平田、高野。

高野 巨匠さんは、来年の春あたりから講師として入るんですよね?

岡野 いやいや! それは皆勤賞の本田がやります。

本田 「皆勤のすすめ」だったらやりますよ(笑)。

特集インデックス
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オーディション日:2015年2月8日(日)13:00~
(定員数に達した場合は16:00~)

※書類審査があり、通過者には別途詳細を連絡する。

巨匠(キョショウ)
巨匠
左 / 岡野陽一(オカノヨウイチ)

1981年11月29日生まれ。福井県出身。

右 / 本田和之(ホンダカズユキ)

1987年12月8日生まれ。東京都出身。

リンゴスター
リンゴスター
左 / 小川裕史(オガワユウシ)

1991年7月31日生まれ。埼玉県出身。

中 / 平田俊之(ヒラタトシユキ)

1989年10月14日生まれ。東京都出身。

右 / 高野尚之(タカノナオユキ)

1988年3月1日生まれ。東京都出身。