「若菜まもる」
市長選挙に向けて街頭演説している候補者・若菜まもる。選挙参謀が言う通りの公約を掲げてきたが、情勢調査の結果は芳しくない。「どうせ負けるんやったら」と好き勝手な演説を始める。
森田 公演が始まるまでに一番時間がかかったのはこのネタかなあ。ブクロが「選挙の街頭演説って、好きな人とか呼んでんのかな?」とラジオで言っていたのをナベちゃんが「これいけるんじゃないですか?」と言い出して作り始めたんですけど、途中で全員見えなくなって(笑)。
──自分の発言がこういうコントになって、東ブクロさんはどう思いましたか?
東ブクロ どう思うも何も、「コントにしたんや」ですよ(笑)。本筋とは関係ないボケを肉付けしていくネタでもあったので、やってて新鮮ではありましたね。最終的にはお客さんにもよくウケるネタになったのでよかったです。
──「若菜まもる」という候補者の名前がまたいいですよね。
森田 そんなにこだわりはなくて、わりとパッと出た名前ですよ。やりながら、自分で「あれ? 若菜やったっけ? 若葉やったっけ?」ってなるくらいの(笑)。
「本番行きます!」
バラエティ番組の収録に“罰ゲームの執行人”として参加したプロレスラー。コンプライアンスに過敏になっているディレクターと時代にあった罰ゲームを模索していく。
森田 これは設定として最初に上がってきて、確か「しずる・さらばの幕張でやるべきライブ」でやった記憶があります。テレビのバラエティ番組というシチュエーションもけっこうすぐに決まりましたね。
──会場のウケはどうでした?
森田 大阪はやっぱり下ネタが好きっていう土壌があるのか、よくウケた印象です(笑)。「コンプライアンス」という言葉には東京が一番敏感な感じはありました。
東ブクロ このプロレスラーが悲しい奴で。哀愁劇でありつつ、やっていることはバカバカしいっていうのが単純に笑えるネタですね。演出も僕らのネタとしては目新しいことをしているし、見栄え的にも派手なので笑いを増幅させてくれた感じもありました。ただ、とにかく稽古をしたくないネタで(笑)。「あんまやりたくないけど、ウケるしな……」という気持ちでした。
「憧れのおじさん」
DIY生活を謳歌しているおじさんのもとへ弟子入りしたいと訪ねてきた男。DIYにハマったきっかけを聞くと、おじさんは想像もしていなかった過去を持っていて……。
──一見、自由で素敵なおじさんが実は狂気をはらんでいるというキャラクターが東ブクロさんにハマっていました。
東ブクロ このおじさん本人としてはボケてるわけではないので、ネタバラシのところで「ここ笑いどころですよ」という感じは出せないんですよ。そこにツッコミもないから、神経を使うところではありました。テンポがおかしくなってもあかんし、もちろん噛んでもあかんし、でもちょっと引っかかりもないとあかんし。
──なるほど。そこは丁寧に演じられたんですね。
森田 バラシのところ、こっちはこっちで神経使うんですよ。僕はピザを食べながらブクロの独白を聞いているんですけど、ピザをほおばったときにブクロのほうを向きたいから、セリフにあわせてピザを食べないといけなくて。そのほうがお客さんに「ここなんだな」っていうのがわかってもらいやすいから。そのタイミングの調整が意外に難しかったです。そういう意味で、バラシまでは繊細なネタでしたね。
東ブクロ でもお客さんも勘がいいから、そこからはやりやすかったです。どんどんノッていけるネタでした。もちろんいきすぎはダメなんですけど。
森田 いきすぎてたけどな!?(笑)
東ブクロ DVDに収録されているのはツアーの最後のほうなので、ストレス発散みたいな感じでやってると思います(笑)。
森田 公演を重ねるごとにブクロがどんどんアドリブを出してきて。彼は最初からはやらずに、徐々にギアを上げていくタイプなので。「最初からやってくれよ」とは思いますけど(笑)。
東ブクロ 最初のほうはセリフを覚えるのに必死なんでね。
──DVDでは初日には出ていなかった部分がたくさん見られそうです。
森田 ブクロの部分で言えば今回の中で一番、初日と違うと思います。一番成長したネタですね。
さらばから去っていった人をもう1回振り向かせる
──オープニングコントはギャンブル依存症からの回復を目指す施設を舞台にしたネタでしたが、その頃ちょうど日米のメディアを騒がせた不正送金事件があって。偶然にも時事ネタになってしまったという裏話があるんですよね?
森田 そうなんですよ。ネタはもちろんその前に作っているんですけど、タイムリーすぎて意図せず変な笑いが起こってました(笑)。
──先ほど「動員数だけではない目標」のお話も伺いましたが、今後、第8回、9回と回数を重ねてどんな単独ライブにしていきたいですか?
森田 やっぱり一番憧れるのは、大芸能人が来る単独ライブにしたいです。今はきったねえバンドマンとセクシー女優ばっかりなので(笑)。今年は初めてアンミカさんが来てくれましたけどね。「さらばの単独に通ってたらステータスだぞ」という存在になりたいです。「シソンヌライブ」みたいな。
──東ブクロさんはどうでしょう? これが最後の質問です。
森田 バシッと締めてもらえる?
東ブクロ (笑)。こうやってお客さんが毎回たくさん来てくれるのはありがたいですけど、きっとどこかで去っていった人もいるはずなので、その人たちが「久しぶりにさらばの単独行ってみるか」という気持ちになってくれたらうれしいですね。もう1回振り向かせる。
森田 え、どうやって?
東ブクロ 「さらばを追っかけてるときが楽しかったなあ」「あの刺激がまた欲しいな」と思ってもらいたいですね。
──そのためには何が必要だと思いますか?
東ブクロ それはわかりません。
森田 めっちゃムズいですよね? 1回去った人を振り向かせるの。
──では具体的な策は……。
東ブクロ 別にあるわけじゃないです。
森田 あはははは!(笑)
イベント情報
DVD発売記念オンラインイベント
日時:2024年12月15日(日)19:00~(予定)
申込方法:初回限定生産版に封入されている参加申込券でエントリー。
<出演者>
さらば青春の光
(株)ザ・森東 《第11期株主総会》
日時:2025年1月24日(金)17:30開場 18:30開演 20:30終演予定
会場:東京・東京ガーデンシアター
<出演者>
さらば青春の光
プロフィール
さらば青春の光(サラバセイシュンノヒカリ)
森田哲矢(モリタテツヤ)
生年月日:1981年8月23日
出身地:大阪府
東ブクロ(ヒガシブクロ)
生年月日:1985年10月6日
出身地:大阪府
2008年8月結成。大阪で活動したのち2013年に上京し、個人事務所「ザ・森東」を設立する。第1回大会から出場してきた「キングオブコント」では6度決勝に進出した。「さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ」(TBSラジオ)ほか、レギュラー番組多数。YouTubeチャンネル「さらば青春の光Official Youtube Channel」でさまざまな企画やコントを公開している。
さらば青春の光Official Youtube Channel | YouTube