草野球で右にホームランを打ちたい

新山　実は僕、草野球を毎週やってるんですね。小中高とずっと野球をやっていたんですけど、右バッターだから右ピッチャーの外角がものすごく苦手なんです。左ピッチャーの外角はなんとなく打てるんですけど、右ピッチャーの外角の打ち方を教えてください。

一同　わははははは（笑）。

小野　ここで野球の相談？

パンチ　バッティングフォーム見てないからわからないけど、それは一番難しいコースだもんね。僕でいうと左ピッチャーのアウトコースが打てないのと一緒だから。応急処置として簡単にできるのは、こうやって構えてるでしょ（と、動きを交えて説明を始める）。最初からちょっと体を開いて構えて、そして踏みこまなくていいから、いつもの体勢までこうして足を出すの。そうすると届くような感じがして打てるよ。

新山　へえー。でも実質何も変わってるわけじゃないですよね。

パンチ　気持ちの問題。見やすいというかさ。

──これちょっと文字にしづらいですね……。

小野　あのー、できれば僕も一緒に元気になりたいんですけど（笑）。

──あははは（笑）。

パンチ　いやいや、相方が元気になると自分も元気になるじゃん、やっぱり。

小野　う、うーん。じゃあ続けてください（笑）。

パンチ　そのときにさ、ボールをどこに打とうと思ってるの？ イメージは。

新山　右にホームラン打とうと思ってます。でもダメなんですよ。レフトにはバッチバチ飛ばせる自信あるんですけども、右にホームランってほとんど打ったことないんですよね。

パンチ　だから右に打たなくても、ピッチャーの足元に打つような気持ちで、いつもバット振ったらいいんじゃないの？

新山　そうですね。ちょっと大きいの狙いすぎたのかな……。色気出さずにピッチャーの足だけ狙ってたはずなのに、草野球になると……。

パンチ　でも草野球はいいんじゃないの、それで。

新山　ホームランしか打ちたくないんですよ。

パンチ　じゃあいいじゃん。

新山　それでいいんですかね。

小野　なんで上目指してんだよ！

パンチ　それが草野球だもん。ゴルフなんかも、いいスコア狙おうと思ってやると面白くなくなっちゃうじゃん。どこまで飛ばせるのかってやったほうが面白いじゃないですか。だって、職業じゃないんだもん。

新山　そうっすよね！ 元気出たー（笑）。

なかなか結果が伴わない

新山　僕、パンチさんには前向きなイメージを持っているんですけど、やっぱり元気にがんばろうと思ってもどうしても心が折れるときっていうのがあるんですよ。例えばM-1で決勝まで行きたかったのに、敗者復活戦で勝てなかったりとか。なかなか結果が伴わないときって、どうしたらいいんですか？

パンチ　それは野球でもお笑いでもなんでも同じだと思うけど、「なんでかな？」っていうことを追求しなきゃダメだよね。例えば、野球で三振しちゃったら「三振しちゃったよー」って落ち込んでいただけじゃダメ。「バッターボックスのどこに立ったら打てたのかな」とか、「ピンチヒッターで呼ばれたときに用意はできてたかな、できてなかったな」とかさ。「あのときなんでバットを指2本分短く持たなかったのかな」「指2本分短く持ったら打てたのかな」「初球なんで見逃したのかな」「あのときはちょっと様子みようと思っちゃったんだな」とか、自分なりに整理していくとさ、「じゃあ今度あのピッチャーのときはバッターボックスのあのぐらいに立って、バットをあのぐらいに持って、今までの感じでいくとアウトコースにストレートが来てたから、あれをバチッと打とう」とかって考えられるようになって、次に生きると思うんだけども。

新山　次がワクワクしてきますもんね。「次は打てるんだ」って。

パンチ　お笑いでもそうでしょう？

小野　凹んでいる暇があったら次のことを考えろ、と。

パンチ　恋愛でもそうじゃない。「なんでフラれちゃったのかな」「メシをクチャクチャやっちゃったからフラれたのかな」とかさ、「いきなりホテルに誘っちゃったからダメなのかな」とかって。それが次に生かされないとダメじゃないですか。

小野　じゃあパンチさんは凹んだことないんですか？

パンチ　凹むよ。凹むけど、今日のことは今日で清算するようにしてるんで。夜の12時に。

小野　時間も決めてるんですね。

パンチ　時間を過ぎたら「終わり！」ってなるように、追求する。お酒飲むともう1人の自分が出てきて、それと会話するわけ。まぁ「自己対話」っていうんだけど、難しい言葉で言うと。そしてスッキリするね。

新山　さして難しい言葉じゃなかったですね（笑）。

パンチ　もう1人の自分と喋ればいいんだよ。

小野　もう1人の自分見つけます！

パンチ　いい選手はね、それができる人だと思うのよ。守っててもさ、「やべえ、俺のところに飛んできたら嫌だな」「何言ってんだよ、お前一番練習したじゃん」「だよね、だよね!!」とかさ、なってくるわけよ。もう1人の自分と喋ると。

小野　そのもう1人の自分、すごい前向きなんですね。「よし、次はスベらないようにするぞ」って考えても、「いや、お前またスベるんじゃねえの？」みたいな自分が出てきてしまわないですか？

パンチ　それとまた対決させるわけですよ。「いや、超練習したから大丈夫だよ！」と。それで、今日のことは今日でリフレッシュすれば前向きになれると思いますよ。

小野　ありがとうございます、元気になりました（笑）。