「山下健二郎ってすごいな!」という衝撃
──舞台第2弾を観る前にドラマシリーズで予習したいという人のために、オススメの回や印象に残っているシーンを教えてください。
飯塚 第5話はショートストーリーが5本展開されるオムニバス形式で、その中に「荒巻のイントネーションが変」という話があるんです。山下くん演じる荒巻のおバカなキャラクターが存分に発揮されていてすごく好きでした。
オークラ あそこは荒巻のキャラクターが完全に固まった瞬間かもしれない。
山下 確かに。あのあたりから最終話にかけて荒巻がどんどんバカになっていくんです(笑)。
飯塚 あともう1つ、みんなでダンスチームを結成するというストーリーの第7話。荒巻が中心になってチーム名を決めるくだりがすごく好きでした。荒巻の頭の中ではすでにチーム名が決まっていて、一応みんなにも案を聞いていくんだけど、その答えを1つひとつ潰していく(笑)。あのくだり、自分のものにしたいくらいお気に入りなんですよね。
オークラ そのシーンはディレクターズカット版に入っていてHuluでしか観られないんです。
飯塚 あんなに面白いのにオンエアしてないんだ!? もったいない! 俺、未だにあのシーンの音声はボイスメモに残してある(笑)。
オークラ 僕は第3話の終盤にある、ゲストの玉井詩織さん演じる女の子と鳥飼の会話が好きでした。別にいいことを言っているわけではないんですけど、雰囲気がよくて。
角田 確かにあれはいいシーンだった。
オークラ 山本舞香ちゃんが演じたるみのファンに特に観てほしいのは第4話かな。るみの“美人なのに中身がどうしようもない感じ”がすごく愛らしくて。3話からその魅力が徐々に出始めて、第4話で爆発してる。個人的には第6話のるみもすごく好きだなあ。どうしようもないけど、たまに正義感が顔を出すところとか、今時の女の子っぽいなと思います。
山下 僕が好きなのは鳥飼がラップしているシーン(第5話)。誰にも見られたくないところを見られちゃった人のおかしさみたいな、ああいうのが大好きなんです。
──豊本さんは印象に残っているシーンはありますか?
豊本 第1話で荒巻が土下座して僕の靴を舐めるシーンがあって、山下くんがそれをめちゃくちゃ練習してたんですよ(笑)。「ちょっと付き合ってもらっていいですか?」って練習に誘われて。僕は立っているだけだったんですけど「“三代目”が土下座して靴を舐める練習を!?」「山下健二郎ってすごいな!」という衝撃は未だに忘れられません。
山下 ははははは!(笑) 人生でそんな経験ないから練習しないとわからないじゃないですか。
──第1話は相当気合いが入ってたんですか?
山下 気合いは全話で入っているんですけど、特に第1話は緊張もあったし、現場の雰囲気も掴めていなかったので、とりあえず全力で一生懸命やろうと思っていました。
角田 僕が印象に残っているのは、夏に撮影していたせいでお尻にずっと汗をかいていたこと。現場で何度も尻の汗の乾き待ちをしていたはずなのに、オンエアを観たら尻が濡れたままのシーンがありました(笑)。じっくり見るところではないですけど、予習をするついでに探してみてください。
「漫画みたいにいかない。」は僕の財産
──山下さんは東京03さんの演技にどんな印象を持っていますか?
山下 お三方とも役者です。本を覚えるのがすごく早くていつもビックリしています。あとナチュラルな演技が本当にうまくてストレートに伝わってくる。見ていて気持ちいいです。
角田 ふふふ。ありがとう。
飯塚 めちゃめちゃ受け止めてるじゃん! 「そんなことないですよ」って言わないと!
豊本 「ありがとう」って(笑)。
──山下さんのコメントについて飯塚さんはいかがですか?
飯塚 そんなことないですよと言っておきます(笑)。役者として通用するのは角ちゃんくらいじゃないですか。
角田 ありがとう。
飯塚 それやめろ! 活字になるんだぞ!? お前が損するだけだぞ!?
角田 ストレートに伝わっちゃって失敗するんだよね(笑)。
──逆に東京03さんから見て山下さんの演技は?
飯塚 間の使い方がうまくて、勘がいいなと思います。全然照れないところもすごい。普通だったら照れそうなことでも、心が全然折れないままやり遂げるのは、見習うべきところだなあ。
オークラ 山下くんは自分が携わるすべてのものに対して紳士的で、「好青年とはこういうことなんだな」って感じです。僕らの世代って「別に本気じゃないし」って斜に構えちゃう世代なんですけど、山下くんは全然違う。眩しいです。三代目は不良じゃないってことだけは絶対に書いてください(笑)。
山下 いやいや私生活はド不良っすよ。
一同 あはははは!(笑)
山下 冗談です(笑)。
飯塚 なんで無理したの? どう見られたいの?
山下 自分でもよくわからないです(笑)。
──(笑)。では最後に「漫画みたいにいかない。」は皆さんにとってどのような存在か教えてください。
オークラ 僕は時期によってやりたい笑いの方向性が違うんですけど、今はこれがズッポシ真ん中かな。
飯塚 ライフワークにしていきたいです。
豊本 そうだね。「漫画みたいに」のメンバーは定期的に集まる仲間って感じになってきてます。
飯塚 親戚に近いかも。
山下 僕もこのメンバーでずっとやっていたいです。自分がみんなとどんどん成長できているのが肌でわかりますし、「漫画みたいにいかない。」は僕にとって財産です!
- 舞台「漫画みたいにいかない。第2巻」
- 東京公演
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日時:2019年2月19日(火)~2月22日(金)
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール - 兵庫公演
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日時:2019年3月8日(金)~3月9日(土)
会場:神戸国際会館こくさいホール -
料金:S席9400円 A席8200円(全席指定)
チケット:11月14日(水)までHulu会員限定の先行予約受付。2018年12月22日(土)10:00に一般発売。
「漫画みたいにいかない。」
まったく売れないマンガ家の悲哀に満ちた日常をシニカルな笑いと哀愁で描くシチュエーションコメディ。うだつの上がらない中年マンガ家・戸塚オサムを東京03角田が、その担当編集者・足立徹を東京03豊本が、オサムの幼なじみで定食屋の店主をしている鳥飼昭雄を東京03飯塚が演じている。また山下健二郎(三代目 J Soul Brothers)がオサムと一緒に暮らすアシスタント・荒巻弘彦役、山本舞香がオサムの1人娘・るみ役を務めた。監督・脚本をオークラ、イラスト・アニメーションをニイルセンが担当している。
舞台版の第1弾にはゲストとして島崎遥香、山崎樹範が出演。東京03とコミカルな掛け合いを繰り広げた。
- ドラマ「漫画みたいにいかない。」上巻
- 2018年2月9日発売 / バップ
- ドラマ「漫画みたいにいかない。」下巻
- 2018年3月16日発売 / バップ
- 舞台「漫画みたいにいかない。」
- 2018年8月13日発売 / バップ
-
[DVD]
4104円 / VPBF-14708
- 東京03(トウキョウゼロサン)
- 左 / 豊本明長(トヨモトアキナガ)
- 1975年6月6日生まれ。愛知県出身。
- 中央 / 飯塚悟志(イイヅカサトシ)
- 1973年5月27日生まれ。千葉県出身。
- 右 / 角田晃広(カクタアキヒロ)
- 1973年12月13日生まれ。東京都出身。
- 2003年に結成し、「キングオブコント2009」で優勝。今年2018年7月から10月まで「第20回東京03単独公演『不自然体』」を12都市で開催した。プロダクション人力舎所属。
- 山下健二郎(ヤマシタケンジロウ)
- 1985年5月24日生まれ。京都府出身。高校時代にダンスに目覚め、2007年に「EXILE LIVE TOUR 2007 EXILE EVOLUTION」にバックダンサーとして参加し、その後EXPG大阪校に通う。2010年4月に三代目 J Soul Brothersにパフォーマーとして加入する。三代目 J Soul Brothersとしての活動に加え、俳優、ラジオパーソナリティとしても活躍している。
- オークラ
- 放送作家。「ゴッドタン」「青春高校3年C組」「とんねるずのみなさんのおかげでした」のほか数多くの番組を担当。「漫画みたいにいかない。」でドラマ監督デビューを果たした。