お笑いナタリー Power Push - かもめんたる

「ずっと何かを作り続ける人になるんだろうな」最新単独ライブで示した方向性

ジャグリングとバルーンアートを練習したけどまさかの出番なし（槙尾）

──今回の単独ライブは「サーカス」がテーマです。サーカスに何か思い入れが？

う大　テーマの前に兄弟の話にすることは決まっていて、あまり大きくないコミュニティを舞台にしたいと考えていて。もともとは漁村、海辺の小さい町を想定していたんですが、もう少し狭いもの……ということでサーカス団のお話にしました。サーカスが持つ夢と現実の狭間のような儚い感じや、物悲しい感じも好きですし、お客さんに芸を見せるっていう意味で僕らお笑い芸人と近い部分があるから、作っていく上で僕が取っ付きやすいかなと。

槙尾　僕は、サーカスの話になるからジャグリングを覚えておけって言われていて。ジャグリングとバルーンアートをけっこう練習したんですが、まさかの出番なし。

う大　「まさかの」とか言ってますけど、単純に下手だったんですよ。ただ練習に費やした時間を無駄にしたくないから見せてるだけのものになっちゃうから。笑いにすらならなそうなレベルだった。

槙尾　どんだけ言うんだよ……。

──今回は構成としてヨーロッパ企画の上田誠さんが参加しています。上田さんに協力を仰いだ経緯を教えてください。

う大　これまでの単独ライブではコントをやって、その間に関係のないVTRを流していたんですけど、今回は映像などコント以外の部分で単独のテーマを補強したかったんです。上田さんには全体を1つのものとして見られるように手助けしてください、というお願いをしました。

槙尾　ペープサートっていうんですけど、幕間に上映した紙人形劇は上田さんのアイデアなんですよ。

う大　舞台のことでは、照明や転換のタイミングなど細かいところまでダメ出しいただきました。コント1本1本に関しても、「ここにこういうボケが入れられるんじゃないですか？」って具体的に指摘していただいたり、僕が何も決まっていない状態からアイデアの断片だけを話して、2人で膨らませていったりとか。

──かなり信頼を置いているんですね。そもそもヨーロッパ企画との出会いは何がきっかけで？

う大　2013年4月にヨーロッパ企画の石田剛太さんとかもめんたるで3人芝居をやったんです。というのも、「キングオブコント2012」の決勝で負けてしまったときに、小島よしおがアドバイスしてきたんです。「次の1年の間に何か変わったことをやったほうがいい。3人芝居とかどうですか？」って。僕らけっこう小島の言うことは聞くんですよ（笑）。それで槙尾のツテを辿って石田さんに出ていただくことになったんです。

槙尾　上田さんがその頃からかもめんたるのことを好きでいてくれたみたいで、「絶対やったほうがええで」って石田さんに言ってくれて。そこからですね。上田さんも僕らのライブを観に来てくれて、僕らもヨーロッパ企画の舞台を観に行かせてもらって、という関係になりました。「今度一緒に何かやりましょう」って言っていたのが、今回単独ライブを手伝っていただく形で叶いました。