かまいガチ|ブレーキは踏まない!2人だから自由で楽しい全力バラエティ TELASA限定オリジナル版新作配信

多くのレギュラーを抱え、人気番組からも引っ張りだこのかまいたちが全力で笑いに取り組んでいる冠バラエティ「かまいガチ」(テレビ朝日で毎週月曜26:16~放送中)。このたびTELASA完全オリジナル版「もっとかまいガチ」で新作が配信されるのにあわせて、お笑いナタリーでは収録の合間にかまいたちの2人と近藤正紀プロデューサーに話を聞いた。ウケるもスベるも自分たち次第、という自由でありスリリングな環境でその魅力を発揮しているかまいたちと、2人が常々「波長が合う」と発言している近藤Pの番組作りに対する姿勢とは。

取材・文 / 狩野有理 撮影 / 玉井美世子

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かまいたち インタビュー

自分たち発信でいろんなことができる

──「かまいガチ」は2度の特番放送を経て今年10月に「バラバラ大作戦」の1つとしてレギュラー化しました。番組について、お二人はよく「スタッフさんと波長が合う」とおっしゃっていますね。

濱家隆一 「面白いことやりましょう」って番組が始まっても、なかなかその“面白いこと”が合致して一緒の方向に進んで行くこと自体が難しいと先輩の芸人さんたちに聞いていたんですが、「かまいガチ」では「合わへんなあ」みたいなストレスはまったくないですね。

──具体的にはどういう部分でやりやすさを感じますか?

かまいたち

濱家 僕は「ただただ面白ければええやん」的な発想なんですが、山内と近藤(正紀プロデューサー)さんがいろいろ戦略を練ってくれていて。

──戦略というのは?

山内健司 どういうゲストのチョイスをしたら視聴者に響くかな、とか。「かまいガチ」の前に近藤さんと「100問100答 ピン様×キリ様」(かまいたちにとって東京の地上波で初のMC番組)という特番をやったときは、MCかまいたち、ゲストchelmicoで。このチョイス、震えましたね。

濱家 センスでしかないよ(笑)。

──そういうセンスの部分でも共感しあえる。

山内 そうですね。

濱家 攻めてるなあとは思いますね。

──そんな仕事相手と出会えることはなかなかないですよね。

濱家 ほんま、スーパーラッキーですねえ。見つけてもらって。

「ガチ名言お悩み相談室」の収録で、悩めるゲストに名言を授けるかまいたち。(編集部撮影)

──レギュラー化から2カ月経ちましたが、手応えはどうでしょう。

濱家 やってて自分たちも楽しいですし、けっこういろんな人に「観てるよ」って言ってもらえるのでうれしいですね。サンドウィッチマンの伊達さんも言ってくれました。

山内 毎回オンエアの次の日、TVerのランキングをチェックしているんですけど、かなりいい結果が出ています。TVerのランキングに如実に現れると思うんで、番組の人気が。自分たちもそれを知れるのでモチベーションにもなります。

──お二人が「かまいガチ」をTwitterで宣伝しているのをよく見かけます。

濱家 あ、それはあんまりよくないですね。バレてたんやっていう(笑)。

──いやいや、宣伝に力を入れているから、思い入れの強い番組なんだろうなと。

山内 そうですね。「かまタク」(TBSラジオ「かまいたちのヘイ!タクシー」)は一切告知してないです。

濱家 おい! 俺はしてるぞ。俺はしばらく忘れていて、最近始まった番組ばっかりRTしてたら(かまタクの)プロデューサーに「告知してくれませんね」って言われてめっちゃ告知するようにしてます(笑)。

──それこそ最近は本当にたくさんの番組にご出演ですが、「かまいガチ」ならではの楽しさはどんなところに感じますか?

かまいたち山内(左)

濱家 2人でできるっていうのは楽ですね。“楽”がいい方向に働いている。「誰かに話振らなあかん」とか「どこかで1個見せ場作らなあかん」とか、そんな縛りがないので。楽やからこそ自分たちが楽しくできて、面白い番組になっているんじゃないかなと思います。2人ってやっぱり楽なんですよ。

山内 テレビに出させてもらうときって「こういう形でお願いします」と大体の流れが決まっていることが多いんですが、この番組は自分たち発信でいろんなことができるんです。だからやっていて納得というか、「こうしたほうが面白くなりそうなのにな」みたいなモヤモヤがない。それがいいなあと思います。

──単純に、やりたいことがテレビでできるって夢のようですね。

濱家 いや、ほんまですよね。こういうのやりたくてみんな芸人になってると思いますから。最高です。ありがたい。

山内 ただギャラだけはちゃんとしてほしいです。

濱家 おい!

山内 今月もまだ入ってないんちゃうかな?

濱家 そんなわけないやろ! 僕はお金じゃないです。楽しいことができてるんで。

山内 僕はバランスです。お金と楽しさ両方大事なんで。

「ふざけんな、クソ野郎」

──思いどおりにやれるということは、逆に言うと失敗しそうになっても自分たちでどうにかしなくてはいけないわけですよね。

濱家 ゲストで出させてもらっているときは、「これ以上行ったらおそらくスベるし、スベったまま終わることになるからやめておこう」と考えることもあります。でも2人やったら「スベっても別にかまへん」くらいのところまで行って、そのままスベったり、変な空気になっても逆におもろいなって楽しめる。ブレーキかけずに行けるところはこの番組ならではだと思いますね。

かまいたち濱家(右)

山内 ほかの番組に出て「むちゃくちゃしてるなあ」ってたまに言われるんですけど、この番組を観てもらったら、僕らがいかにほかの番組ではちゃんとやろうとしてるかがわかってもらえると思います。

濱家 あはははは!(笑) 「がんばってたんや、かまいたち」って。

山内 そうそう。「時間帯とか考えてやってるんだ」って。

──特番からレギュラー化を果たして、次の目標はなんでしょう?

山内 早く次のステップに行きたいなという。

──この「バラバラ大作戦」から抜け出して。

山内 僕らはここにいる人間じゃないですね。

濱家 調子乗んなよ! 「バラバラ大作戦」の並びに先輩もたくさんいるからな? 実際に「バラバラ大作戦」から時間が上がったとしても、僕は変わらなくていいと思うんですよ。毛色が変わったら今観てくれている人が離れていってしまうでしょうし。新しいところを掴むというよりは、自分らが面白いと思うことをこのままやっていればいいと思うんですよね。

インタビューに答えるかまいたち。

山内 僕は情報とクイズを取り入れたいと思います。

濱家 嘘やろ!?

山内 時間帯が上がるならそれくらいしないと。

濱家 苦手やん、クイズ。

山内 ガラッと変えていきます。

濱家 近藤さんがクイズと情報? でけへんやろあの人。バラエティしか。

──(笑)。ぜひこのままのテイストで続けてほしいです。最後に読者へメッセージをお願いします。

濱家 「ブレーキ踏む気なんてない。振り落とされないようについてこいよ、お前ら!」で、お願いします。

山内 僕は「ふざけんな、クソ野郎」で。

濱家 それは意味わからん!(笑) 俺は荒々しくアピールしたんやけど、お前のはただの文句やん。誰に向けて言ってんの?

──読者へのメッセージ、それでいいですか?

山内 はい。

濱家 「クソ野郎」はなんかあった人に対してやん(笑)。ええんか? それで。

山内 「ふざけんな、クソ野郎」でお願いします。

近藤正紀プロデューサー インタビュー

編集で落としたトークが面白かった

──まずは「かまいガチ」立ち上げの経緯を教えてください。

近藤正紀プロデューサー

かまいたちさんでいくつか書いた企画書のうちの1つが通って、それが「ピン様×キリ様」でした。その収録のスタジオトークがめちゃくちゃ面白かったんですが、VTRが中心の番組だったので編集でトークの部分は落としたんです。そのときに「これだけで番組ができたら面白いだろうな」と思って「かまいガチ」の企画書を書き、まずは特番として実現した、という流れです。

──近藤さんはいつからかまいたちのことを知っていて、いつ頃から一緒に仕事したいと思っていたんですか?

かまいたちさんを最初に知ったのは山内さんがドラを鳴らすネタだったと思うんですが、いつからだろう……。お笑いはもともと大好きなのでもちろんずっと見てはいました。2年前にかまいたちさんが東京に出てこられて、自分が携わっている番組に出演いただけたらいいなと考えてはいたんですが、冠番組ができるとは思っていませんでしたね。

──かまいたちのお二人自身も東京での冠レギュラー番組は念願だったと思います。「かまいガチ」のレギュラー化が決まったときはどんな反応でしたか?

収録中の近藤正紀プロデューサー。(編集部撮影)

「テレビ千鳥」の中でドッキリとしてお知らせしたんですが、めちゃくちゃ喜んでくれましたね。「かまいガチ」の特番が放送される頃は、かまいたちさんが今のように大ブレイクし始めたときだったので、お二人もすごく番組に気合いを入れてくださっていて。それに触発されてかスタッフも「きっとレギュラー化するだろう」と勝手に思いながらやっていたので、実現して僕らもうれしかったです。

──特番のときから「レギュラー化を目指しましょう」という話はしていたんですか?

台本に「さあ、レギュラー化が決まってますけど」ってボケで書いたりして、ずっと意識はしていましたね。別に食事に行って熱い話をしたわけではないんですけど。スタジオは「みんなでこの番組をレギュラーに上げよう」っていう雰囲気でした。

仲良くはなりたくない

──「ピン様×キリ様」でのスタジオトークが「かまいガチ」につながったわけですが、近藤さんとしてはこの番組でかまいたちのどんな部分を出したいと考えているのでしょうか。

僕が思うかまいたちさんの一番面白い部分は、2人でただしゃべっているところなんですよ。そんな2人に対して僕らに何ができるかっていうと、その面白さを外に伝えること。トークが面白いからってセンターマイクを立てて2人にしゃべってもらっても、もちろん面白いは面白いですけど、かまいたちの面白さを知っている人間にしか広がっていかないじゃないですか。今日収録したお悩み相談企画でいうと、芸人さんだけじゃなくて全然違うジャンルの人をぶつけてみて、2人の面白さが出たらいいなと思ってやっています。だから僕らが面白いものを作っているというよりは、かまいたちってこんなこともできるんだよっていう見せ方や、面白い2人をいかに世に出すか考えている感じですね。楽屋での打ち合わせ自体も面白いんですよ。僕らが「こんなのどうですか」って提案したものにプラスしてくれたり、0からアイデアを生み出してくれたり。

近藤正紀プロデューサー

──そんなお二人と、近藤さんも「波長が合う」と感じますか?

僕は全然感じないです。

──あれ、そうなんですか?

いや、嘘です嘘です(笑)。ボケみたいな感じもあると思うんですけどよくそう言ってくださるので、がんばりたいなと思いますね。だからといって仲良くやるのは違うと思っていて。僕、お二人とごはん行ったことないんですよ。仲良くはなりたくないというか、客観的にいたいなと。

──信頼しあっているけど馴れ合いではない、いい関係性ですね。地上波放送分も含めた今日の「ガチ名言お悩み相談室」の収録ですが、ゲストはどういうチョイスなのでしょうか。

パッと扉が開いたときにかまいたちさんがどういう表情をするかなって考えて決めています。今日は7組お呼びしたんですが、全員に対して違う表情を見せてくれたらいいなと。ニューヨークさんを入れたのは、彼らが何度もかまいたちさんに悩み相談しているのは知っていたので、もう1回当ててみたらどうなるんだろうと思ってのことです。同じようなトークになるから避けるのが普通だと思いますけど、「かまいガチ」でだったら2人がぶっ壊してくれるんじゃないかなって。そしたら実際に「ほかの番組で何回も聞いてるわ!」と言ってくれた。お二人もおっしゃっていましたけど、自分たちの番組だから壊してもいいっていう思いでやってくれているんだろうなと思います。

大学生ラッパー・K二郎(左)にかまいたち山内が即興ラップバトルを仕掛けた場面。(編集部撮影)

──今回の配信分には含まれませんが、大学生ラッパーのK二郎さんとの掛け合いでもかまいたちさんの心意気を感じました。もう十分というところからさらに一歩先まで挑戦して汗をかいているというか。

面白くしてくれるだろうなとは思っていましたが、あそこまでは予想していませんでしたね。本当に「2人がやっている」っていう感じで、僕らは何もしてないです。面白くなりそうな人を呼んできているだけ。

──お二人は「次のステップ」を望んでいる様子でしたが、近藤さんは今後この番組をどう育てていきたいですか?

今の「バラバラ大作戦」はしっかりやって、やっぱり上を目指したいです。ここに収まっている2人ではないと思うので。山内さんは情報とかクイズと言っていましたが(笑)、もちろん内容は変えずに、できるだけ長く。山内さんがローンを78歳まで組んでいるそうなので、それを払い終わるまでは続けたいですね。

TELASA完全オリジナル版「もっとかまいガチ」で
新作配信開始!

チャオパニックでの撮影に臨むかまいたち。(写真提供:テレビ朝日)

今回の配信では、かまいたちの2人が悩みを抱えるさまざまな相談者に“ガチで心に響く名言”を授ける特番時代からの人気企画「ガチ名言お悩み相談室」と、アパレルブランド・チャオパニックが手がけるかまいたちの新たな番組衣装制作の様子を視察する「チャオパニックが冬服を作ってくれているのでその途中経過を見つつガチでお礼を言い行こう」をお届け。「ガチ名言お悩み相談室」にはマヂカルラブリーと日向坂46の佐々木久美が登場し、かまいたちに助言を仰ぐ。また、かまいたちがチャオパニックのプレスルームを訪れたロケでは、チャオパニックのオフィシャルサイト、それもトップページを飾るモデルを依頼され……!? 用意された小道具を駆使して不慣れな撮影に臨むかまいたちだったが、カメラマンの腕によってどれも“それらしく”切り取られていく。大喜利のようにタイトル付けされる写真の数々から、一体どのカットが選ばれたのか? 撮影の様子はTELASAでチェック! 過去の放送も併せて楽しもう。

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かまいたち