ナタリー PowerPush - 磁石
単独ライブDVD「プレミア」完成 2人が語る舞台裏と2012年の野望
衝撃の「酔ってチャレンジシリーズ」
──今回のDVDに収録されている「酔ってチャレンジシリーズ」は衝撃的でした。アルコールに弱い永沢さんが酒を飲むとどうなるかというVTRで、以前、舞台上でもやっていましたけど、今回はついに……。
永沢 吐いちゃいました(笑)。毎回映っていないところで吐いてるんですけど。
佐々木 ついに映像に残っちゃいましたね。
永沢 収録終わってから吐いたりしてるんですけど、とうとう収録中に吐いちゃいました。あれはビックリしましたね。しかも誰も助けに来ないっていう。吐いたことに対して心配せずにみんな笑ってるんですよね。佐々木もスタッフも。みんな笑ってました。
──あれは何杯目くらいの状態で?
永沢 あれは2杯とか3杯とか。
佐々木 そうですね。
永沢 かなり濃かったんで、やっぱり吐いちゃいましたね。あのあとがまたひどかったんですよ。あの収録全部終わってちょっとソファで横になってたら、僕を置いてみんな帰っちゃって。事務所の会議室で収録したんですけど、警備員みたいなおじさんが来て、「大丈夫なの? 終電出ちゃうよ」って心配されて。
佐々木 あははははは(笑)。
永沢 「すいません」って、ひとりでトボトボ帰っていったていう。
──大変な収録だったんですね。
永沢 本当ですよ。もういいです。酒を飲むシリーズは、あれでもうラストにしたい。
簡単に「来年も楽しみにしてます」とか言われたくない
──単独ライブで新たに「こういうことやってみたい」ということはありますか?
永沢 あんまり……何やりたいかな?
佐々木 うーん。そうですねぇ……。
永沢 これけっこう大変なんですよね。1回みんなやってみたらいいのにって思いますね。それこそナタリーさんもそうですし、読者の方もそうですし、事務所のマネージャーもそうですし、1回単独ライブやってみてほしい。どれだけしんどいか。そしてどれだけお金にならないか。
佐々木 だから簡単に「来年も楽しみにしてます」とか言われたくないです。
──あははははは(笑)。
永沢 それが仕事で、僕らが選んでやってることなんですけど、思ってる以上に単独ライブって大変なんです。そのぶん充実感があるんですけど。
佐々木 達成感もあるんですけど、その達成感をしんどさが余裕で上回る(笑)。
永沢 だから毎年終わった瞬間は「あー、終わった」っていうのとともに、「もう二度とやりたくない」って本当に思うんですよね。何がこんなにしんどいのかなって思うんですけど。
──でも、先輩の芸人さんでも毎年やられている方もいますよ。
佐々木 すごいですよね。
永沢 それはやっぱりすごいなって思うし、こうなりたいなと思うんで、僕らもやるんですけど。うちの事務所、特にみんなやるんですよ。さまぁ~ずさん、バナナマンさん。毎年あの忙しい中でも単独やってて。すごいなと思います。
佐々木 そういう先輩方に事務所の人間も影響されているのか、まあ「単独ライブをやれ!」って言ってますね、いろんな芸人に。
永沢 確かに得られるものはものすごくあるんですけど、まあーしんどいんです。本当に疲れちゃうんです、練習がね……。ネタ作ったり、VTR考えたりするのは楽しいんですけど、とにかく練習が一番きつい。もう嫌になっちゃいますね。
──漫才だから練習がきついんでしょうか?
永沢 それもあるんですかね。漫才ってやっぱり基本的にはテンポが大事ですから。
──でもこの単独ライブがなかったら、「THE MANZAI 2011」の決勝に残っていたかって考えるといかがですか?
永沢 そうなんです。得るものは大きいんですよね。
佐々木 そう考えるとね。
──毎年単独ライブをやって、笑いのツボというか感性みたいなものって変わってきたりしていますか?
永沢 うーん……。
佐々木 わかんないですね。ただ、昔の映像とか人のものとか見ると、「あれ、昔は面白いと思ってたのにな」って思ったりはしますけど。
永沢 昔のネタ帳とか見るとありますね。「これを入れてたんだ」っていうくらいしょうもないって思うような(笑)。あと、だいぶ自然体で喋れるようになりましたね。昔は台本を追ってたなと思います。それこそ5年以上前のやつを見ると、本当にセリフを追って喋ってるなっていう感じです。
磁石(じしゃく)
左 / 佐々木優介(1980年3月31日、広島県生まれ)、右 / 永沢たかし(1979年12月28日、秋田県生まれ)。2000年にコンビ結成。「磁石のオールナイトニッポンモバイル」(ニッポン放送 / 火曜配信)、「テリー伊藤の日本縦断!ジモプリ発掘プロジェクト」(ひかりTV)などにレギュラー出演中。