お笑いナタリー PowerPush - 磁石
漫才4本&コント3本で7色に彩った最新DVD「レインボー」堂々完成
磁石の最新DVD「磁石単独ライブ『レインボー』」が12月19日にリリースされる。これは、今年2012年8月に東京・新宿明治安田生命ホールで行われたライブ「レインボー」の模様を完全収録したDVD。「結婚」や「職安」などをテーマにした渾身の漫才4本と、まったくタイプの異なるコント3本の計7本のネタを楽しめるほか、幕間VTRや特典映像も盛りだくさんとなっている。
昨年2011年には年間最強漫才師決定トーナメント「THE MANZAI 2011」でファイナリスト入りを果たした磁石。現在、本戦サーキット真っ只中の「THE MANZAI 2012」への意気込みも交えて語ってくれた。
※本インタビューは、本戦サーキット出場前の2012年10月下旬に行ったものです。
取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 辺見真也
制限時間4分の漫才で10年以上戦ってきた
──毎年恒例となっている単独ライブで、今回特に力を入れた点は?
佐々木優介 なんですかねえ……。
永沢たかし やっぱり漫才は「THE MANZAI」を意識した部分がありますね。
──「THE MANZAI」を意識すると、どんなネタになるんですか?
永沢 いや、やっぱり意識してないです(笑)。意識してたらもっと尺が短くなるはずですけど、単独ライブのネタは短くないですから。まだ本戦サーキットのネタは考えてないんですけど、たぶん今回の単独ライブでお客さんの反応がよかったくだりを集めた感じになると思います。ネタは、もっと近づいてから決めればいいかって。あんまり入れ込むとロクなことがないんで。
──ちなみに、去年の「THE MANZAI」はどうやってネタを決めたんですか?
永沢 去年もそんなに入れ込んでなかったです。1年ライブをやってきて、その中でよかったネタをやったっていう感じで。
──「THE MANZAI」と「M-1グランプリ」で大きく変わったところは?
永沢 雰囲気が全然違いますね。
佐々木 「THE MANZAI」のほうがやりやすいです。
──リラックスしてネタができるという感じですか?
永沢 「THE MANZAI」は、お客さんがそんなにピリついていないというか。でも、意外と本戦サーキットの楽屋裏はピリついてますけどね。
佐々木 (「M-1」敗者復活戦の舞台になっていた)大井競馬場に行かなくてよくなったのもでかいです。
──M-1の頃から続く制限時間4分というのは、もう体内時計で感覚的に身についている感じなんですか?
永沢 そうですね。いちおう10年以上その4分の漫才で戦ってきましたんで。だから中川家さんとかに付け入る隙があるとするなら、その4分っていう制限時間ですね。10分とかになってくると絶対に勝てないですけど、「もしかしたら4分なら……」っていう淡い期待が。
──ネタのテーマの決め方は?
永沢 最近は、わりと“漫才コント”じゃないですけど、何かの設定に入るような漫才をやってます。店員だったら店員の役をやったりとか。一時期そういう漫才が増えたら、逆にそれを避ける人たちが多くなって、いまはむしろそれをやる人が少なくなったんですよ。だったら自分たちがやったらいいんじゃないかって。
アドリブ感を重視している
──毎回パチンコ用語を単独ライブのタイトルにしているということですが、今回のタイトルは「レインボー」です。パチンコだと、どんな状態のことを指すんですか?
永沢 大当たりになる直前の状態ですね。
佐々木 この演出が来ると大当たりが来るっていう。
永沢 で、虹は7色なんで、漫才4本、コント3本ということにしました。
──DVDにはアドリブだと思われるくだりがいくつも入っていますね。
永沢 そうですね。DVD収録は2日目の最終公演なんです。だからやっているうちにどんどん変わっていきました。
──毎回なんの予告もなくアドリブを入れていく感じですか?
佐々木 複数回公演があるときは毎回そうですね。特に後半は慣れてくるのもあって余裕が出てくるんじゃないですか。
永沢 でも、大体初回が一番ウケるんですよ。
佐々木 何回も来てくれるお客さんがいると、どうしても初回のほうがウケますよね。
永沢 ありがたいことですけど、DVDのことを考えると難しい部分でもあります。ネタの完成度は後半のほうがいいけど、お客さんの反応は初回のほうがいいっていう。最近漫才をやるときにアドリブ感は重視している気がしますね。いい意味で適当にやっているというか。30才過ぎても大ブレイクしないままなんで、半ば投げやりになって言いたいことを言うようになりました。
──アドリブ感が好きなコンビとかはいますか?
永沢 エレキコミックさんとかやっぱりすごいですよね。そこの部分に芸が宿っているというか。アンタッチャブルさんとかもそうですね。
──佐々木さんはいかがですか?
佐々木 最近は、あらためてでっかい声を出すようにしてますね(笑)。
永沢 1年目の新人みたい(笑)。
佐々木 客としてほかの人のネタを見てても、やっぱり最初にでっかい声で挨拶してる人のほうが見る気になるんですよね。逆に言うと、大きい声出しておけば笑うだろうと(笑)。
収録内容
- コント「虹」
- 漫才「結婚」
- VTR「佐々木連続ドッキリ」
- コント「ラスパー部」
- VTR「詩のボクシング全国大会」
- 漫才「職安」
- VTR「PV」
- 漫才「ペットショップ」
- VTR「捨て永沢」
- コント「市民革命」
- VTR「再会」
- 漫才「同窓会」
特典映像:「詩のボクシング全国大会ロングバージョン」「佐々木連続ドッキリ未公開シーン」
2012年8月に東京・新宿明治安田生命ホールで行われた単独ライブ「レインボー」の模様を完全収録。漫才4本、コント3本の計7本のネタを楽しめるほか、幕間VTRや特典映像も盛りだくさん。
磁石(じしゃく)
左 / 佐々木優介(1980年3月31日、広島県生まれ)、右 / 永沢たかし(1979年12月28日、秋田県生まれ)。2000年にコンビ結成。「磁石のオールナイトニッポンモバイル」(ニッポン放送 / 火曜配信)などにレギュラー出演中。11月24日(土)24時より、磁石が司会を務める「ヘヤヌード」(NOTTV / 毎月第4土曜24時)がスタートする。