コント制作チーム全体でインプットすべき感覚
──現時点(2024年10月の取材時)で2.6億回の累計再生回数ですが、どういった戦略をとったのでしょうか?
米永 TikTokのようなSNSは、コンテンツとマーケティングがかなり近いプラットフォームなので、しっかりと特性を理解して、いいコンテンツを作る必要があるんです。一番わかりやすいのは「TikTokではオススメで流れてくるものをスワイプしながら見るので、冒頭2秒でヒキを作れないとそもそも見てもらえない」とか。最初に目につくところが面白くないと、そのあとがどれだけ面白くても見られないというのが大前提で、その感覚はチーム全体がインプットしておかなきゃいけない。台本を書いてもらう芸人さんにも「振りは待てない」ということをお伝えして、その方向性を研ぎ澄ませています。
黄田 SNSの広め方でいうと、演者の皆さんが積極的に告知をしてくれているのが大きいかなと思います。僕もいろんな案件に携わってきましたけど、「本日も絶体絶命。」は特に演者さんが協力的で、すごくありがたいです。橋本さんや米永さんの人柄のおかげです。もちろん僕らもauの媒体で積極的に宣伝をしてますけど、やっぱり演者さんのほうが発信力が強いんですよ。
米永 出演者の皆さんからスタッフまでみんなで発信してるのが一番の強みだと思います。
加賀 ちなみに公式アカウントを運営してるのはどなたですか?
米永 あそこにいるプロデューサーの志水をはじめ、何人かで担当してくれています。
加賀 あぁ! あなたでしたか!
結音 いつもありがとうございます!
加賀 タグ付けをしてくれるので、投稿されたことに気付くんです。絶対に7時に起きなきゃいけないってことですか?
志水 はい、毎朝6時半に起きています(笑)。
一同 えぇー!
加賀 こっちに座って話してくださいよ! だいぶ支えられてますよ。
米永 そのくらいチーム一丸となって発信してます。
──視聴者からの反響で特にうれしかったものは?
望月 我々としてはリピートして観に来てくれる人がどれだけいるかを重要視しているので、その数値をよく見ているんです。朝に観ることを習慣にしている人たちが増えているのが数値にも表れていて、「朝から元気をもらえました」というコメントも多いのが、狙い通りですごくうれしかったです。あとは勝利さんが出てくれた回で初めて観に来てくれた人が、そのままリピートしてくださっていて、うまくリーチできたなと思っています。
米永 会社の採用をやっている中で「『絶体絶命。』観ました、ああいうのを作っていきたいです」と言ってくれる人もいてうれしいです。会社を大きくしていく上で、こうした新しいコンテンツや作品を一緒に作っていく仲間をどんどん増やしたいです。
黄田 業界の中で、他社さんが「絶体絶命。」を大きく成功している事例として挙げてくださっていて、それを又聞きして「やってよかったな」と思いました。
これからも様々な出演者とコラボしていきたい
──今後の新たな展開は考えていますか?
黄田 始まってまだ4カ月間ですが、もちろん継続していきたいし、劇場でのリアルなイベントも開催してみたいです。
米永 リアルでこの面白さを体感してほしいです。画面からは伝わらないリアルの熱もあると思うので。笑いが絶えない現場だし、演者さんが吹き出してしまうことも多い。結音さんが参加してるコントは特にアドリブシーンが多くて、1分半のつもりの台本が、気付いたら8分になってたりする(笑)。そういうところも届けられたらいいですね。
加賀 劇場もいいんですけど、一発目は「東京ガールズコレクション」かなと……。
米永 ランウェイでコント?(笑)
黄田 あとはTELASA限定のプレミアムなコンテンツも用意して、かが屋さんにも出ていただけると……。
加賀 もちろん、僕も同じことを考えていました(笑)。
──最近では新たにラバーガールが参加しているコントもアップされていました。今後も出演芸人さんが増えることは?
米永 もちろん、あると思います。さまざまなゲストの方々ともコラボしていくことでまた新しいコントを生み出し続けていきたいです。
黄田 コラボはどんどん増やしたい。いろいろな化学反応を見せていきたいです。
──かが屋さんと結音さんが今後やってみたいことは?
加賀 普段のコントではできるはずのないセットでやってみたいです。レース場とか遊園地を貸し切ったり。「有吉の壁」みたいになっちゃったらまずいですけど(笑)。施設のほうから「ぜひうちでコントをやってもらえませんか」みたいな声がかかるようになったら最高です。あと今はそれぞれの出演者のファンが観てくれると思うんですけど、「絶体絶命。」自体のファンが生まれてほしい。
賀屋 僕は生配信でコントをやってみたいです。生の結音ちゃんの動きを届けたい。結音のすべてを見てほしい(笑)。撮影風景を生配信してNGも全部流しても、ファンも喜んでくれるんじゃないかな。
結音 確かにコンテンツの裏側って気になりますよね。
賀屋 台本を公開してもいいかもしれない。スタッフ気分で撮影の様子を見て、「台本と全然違うじゃん!」みたいな(笑)。
──今後やってみたいシチュエーションは?
結音 ……和?
賀屋 ギャル町娘?
結音 そうそう! 着物を着たり、お茶を立てたりしてみたいです。ギャルと和を組み合わせたら新しそう。長い爪でお茶を立てるとかどうですか?
加賀 それは普通に怒られるかも(笑)。
賀屋 めっちゃ面白いけどね。お茶の作法とか知ってる?
結音 知らん!
賀屋 「知らずにやる」という設定だけで面白くなりそう。
加賀 確かに。マナーを知らないままフレンチを食べたりとか。いろんな料理やマナーと結音を戦わせてもいいかもしれない。
結音 さっきも話が出ましたけど、私もイベントをやってみたいです。
賀屋 イベントで何する? 歌?
結音 歌!
賀屋 バーベキューとかする?
結音 する。
賀屋 カラオケも?
結音 カラオケする。
加賀 言われるがまますぎるだろ! なんでそんなに全部受け入れるの!?
プロフィール
かが屋(カガヤ)
加賀翔(カガショウ)
1993年5月16日生まれ、岡山県出身。
賀屋壮也(カヤソウヤ)
1993年2月19日生まれ、広島県出身。
2015年結成。「キングオブコント2018」で準決勝に進出して注目を集め、2019年と2022年には決勝に進出。また2019年には「NHK新人お笑い大賞」本戦、2022年と2024年には「ABCお笑いグランプリ」決勝にも出場した。
かが屋 - マセキ芸能社 MASEKI GEINOSHA Official Site
中島結音(ナカシマユノン)
2006年11月20日生まれ、広島県出身。恋愛リアリティショー「今日、好きになりました。」(ABEMA)に出演して注目を集めた。天真爛漫なキャラクターで同世代からの支持を得ており、ABEMA CM「フレイアクリニック」「セブンイレブン」「Galaxy」等に出演。