ミステリアスだけで勝負している

──お2人の「秘密」に関してもお伺いしたいと思います。世の中からはミステリアスなイメージを持たれているのでは。

カズレーザー　そうですね。ミステリアス、ってところだけで勝負しているところもありますから。真意がつかめない。何を考えているかわからない。デヴィッド・ボウイ的な雰囲気でいるのもやぶさかではありません。

安藤　そうなんですか？ 初耳なんですけど。

──実際に秘密主義な部分はありますか？

カズレーザー　それが、まったくなんにも考えてないです。何か言ったら勝手に周囲の人がいいように解釈してくれるんですよね。裏の意味があるんじゃないかなと。額面通りに受け取ってほしいです。

──では、自分だけが知っている相方の秘密は何かありますか？

カズレーザー　これを言うとキャラクターが崩れるから言わないほうがいいのかな。なつさんは、人知れず増えすぎたブラックバスを日々減らす作業をしているんですよ。国のために何ができるのかって言いながら。

安藤　生態系を取り戻す作業のことね。大切なことですよ。

──ちょっと反応に困ります！

安藤　あまり気にしないでいただければ。逆に相方はムダ毛処理がすごく丁寧で、常にツルツルです。

──なぜそこまでするのでしょうか？

カズレーザー　マナーとして、ですかね。箸の持ち方をきれいにしておいたほうがいいのと同じくらい当たり前のことです。美意識が低いことに意味はないし、多少なりとも自分が出せる最大限、美しいほうがいいわけですから。本当は永久脱毛したいです。

──ちなみに、なつさんは脱毛は？

安藤　したいですね。太ももの裏にすごい毛が生えてるので。ヒゲもどうにかしたいです。

カズレーザーの脳をのぞくと？

──この映画は「人間の脳をのぞく」というタブーとも思える行為が、極めて重要なポイントになっています。もしもお2人が誰かの脳をのぞけるとすれば……。

安藤　相方の脳を見てみたいです。隣にいても全然わからないですね。頭の回転も速いし、どこまで先を見ているのかと。自分、一手先も見えないタイプなので。

──カズさんは、なつさんの脳をのぞきたい？

カズレーザー　いや、まったく興味ないです。

安藤　ちょっとは興味を持て！

カズレーザー　すごく頭のいい人の脳なら見てみたいんですよ。オーケストラの作曲をする人とか。いろんな楽器の音を意識しないと作れないじゃないですか。それこそ「第九」じゃないですけど、ベートーヴェンの頭の中ってどうなっているんだろうって。

──おお、「秘密」に出てくる特別捜査機関「第九」と話をうまくつなげてきましたね。

カズレーザー　これはマジでファインプレーですよ！

安藤　こういうところが、本当に何手先も見ているのか、たまたまなのか、よくわからないです。

──また、これは秘密ではないのでしょうが、「カズレーザー、実はイケメン説」という噂があります。

カズレーザー　マジですか？ やった！ たまんねーっすね。

──普段からご自身をイケメンだとは意識していない？

カズレーザー　してないです。だってイケメンじゃないから！ おそらく世間がちょっと疲れてるんでしょうね。俺のことをイケメンって言ってる人は、生田斗真くんの顔を見たことがあるのかと。こういう超カッコいい人をイケメンって言うんでしょう？

──カメラマンさんに渋い写真を撮ってもらったこともありましたよね（参照:「カズレーザー、ピスタチオら、“実はイケメン”なモノクロ写真公開」）。

カズレーザー　ああいうのはよくないですよね。5年後、絶対に恥ずかしいですもん。将来恥かくための初期投資だと思っています。

──では、お2人が考えるメイプル超合金の人気の秘密とは？

安藤　色合いですかね。赤と紫の印象って、けっこう残ると思うんです。

──カズレーザーさんが以前から全身赤だったのはよく知られる話ですが、なつさんはコンビを組んでから？

安藤　そうです。私も紫はもともと好きだったんですけど、全身紫ってのは、なかなかできなかった。他人の目もありますし。

カズレーザー　ダンディ（坂野）さんが売れたのと同じ意味ですよ。「パッと見、なんか色が強いのが出てきたな」って。ひな壇においておくと、なんとなく華になる。たとえば葬式とかも味気ないじゃないですか。そこに菊の一輪でもパッと咲いていると鮮やかに見えるんですよね。

安藤　ちょっと、例え方がアレですけど。

カズレーザー　どんなに葬式みたいな空気になっても、こういう明るい色合いのやつがいると、なごむんでしょうね。

安藤　そういえば今日、相方がコンビニに行ったときに、お母さんとちっちゃい子供が相方に向かってパチパチと拍手をしていたのはビックリしました。「あ、カズレーザーだ！」って驚くならわかるんですけど、拍手って！

カズレーザー　日本が疲れているんです。日本の疲れが生んだ“あだ花”が、きっと我々なんですよ。