松本人志が手がける新たなバラエティ企画がAmazon Prime Videoにて始動した。タイトルは「HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE(フリーズ)」。お笑いファンからの絶大な人気を誇り、シーズン5まで展開されている「ドキュメンタル」とは打って変わって、「FREEZE」=「動くな」つまり「何もしないが勝ち」という、賑やかしてこそのバラエティ界においてあるまじき挑戦的な企画だ。本特集では、松本が「自信作」と手応えを明かすこの新番組の見どころを解説する。
文 / 狩野有理
- 2018年9月19日(水)より毎週水曜に配信中
最後まで動かずにいられるのは誰だ!? 何があっても動いてはいけない“氷の塔”に集結した参加者8名が、あらゆる攻撃にリアクションすることなく耐え続ける。「止まれ」を意味する「FREEZE」の号令がかかった瞬間、参加者は静止。「空飛ぶデバ」「竹刀ゴーラウンド」「叫ぶ原始人」「ロボ手っちゃん」など見たこともない仕掛けが身構える参加者を襲う。動いたと判断された者は各ステージで脱落していき、最後まで残った1人が優勝賞金100万円を獲得。
参加者
“面白い”とはなんなのか。そんな根源的な命題の答えを探るべく始動した「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シリーズでは、10名の芸人が密室で笑わせ合い、最後まで笑わなかった者が「もっとも面白い芸人」という称号を手にする。しかしシリーズの回数を重ねてみると、笑いに敏感な芸人ほどその称号から遠ざかっていくことが明らかになってきた。面白いことにいち早く気づく面白い芸人は、「もっとも面白い芸人」になれない……? ますます“面白い”がわからなくなる。
そんな中、松本人志が新たな“悪だくみ”を開始した。今度は「何もしないが勝ち」という、攻めてポイントを稼ぐ「ドキュメンタル」とは別物の企画。芸人以外のタレントやミュージシャンが参加しているのも大きく異なるポイントだ。「FREEZE(フリーズ)」のアナウンスから「RELEASE(リリース)」の合図があるまで参加者8名は無表情でいなければならない。彼らを襲うのはドローンやハンドロイドなどの最新テクノロジーを使ったさまざまな仕掛けのほか、アツアツおでん、導火線ハラハラといった古典的なバラエティメソッドを利用したトラップ。動けば脱落、でも怖い、熱い、痛い! 我慢を強いられた彼らの表情にはなぜだか「ドキュメンタル」を思わせるおかしみがあった。松本は言う。「ええ顔してますよ」。“動かない”から生まれる笑いをぜひその目で確かめてほしい。
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