「ドキュメンタル」シーズン3|マキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン)「ドキュメンタル」フリークが語る芸人へのリスペクト

「この素晴らしさに気づいたほうが面白いのに」って悲しくなる

──歯がゆさを感じたシーンはありますか?

松本人志

全然! まあ、この企画に向いてない笑い上戸なゲラの芸人さんはちょっと可哀想だなとは思いましたけど(笑)。僕、お笑い芸人に対する絶対的なリスペクトがあるので、出演者に何か言いたいことっていうのはないです。ただ、ユーザーのレビューがめちゃくちゃ厳しくて、そっちに物申したくなってくるんですよ。「松っちゃんの判定ユルくねえか?」みたいな意見が多かったんですけど、「スポーツ競技見てるんじゃねえんだよ!」って僕は言いたい。ルールがある以上ある程度は正確なジャッジが必要ですけど、僕らはあそこで起こっている異質な笑いの空気感を楽しめばいいわけで。

──レビューまでご覧になっているんですね(笑)。

「なんでこの芸人を出すんだ!」っていう書き込みを見つけると許せなくなってきて。批判書かれた芸人にはそいつの家をアポなしで訪ねて行って目の前で笑わせるまで帰れないって企画をやってほしいですね。で、笑ったらそいつのお金を巻き上げる(笑)。音楽でいうと、万人にとって「いいメロディ」とか「カッコいい歌」っていうのは存在しなくて、好きな人もいれば必ず嫌いな人もいる。もちろんお笑いにもそれは露骨にあるし、そういう意見も当然理解はしているんですけど、その悲しい現実を突きつけられると「俺、もう地球で暮らすの合ってない」って思っちゃうんです(笑)。

──「地球で暮らすの合ってない」というのは?

絶望しちゃうんですよね。自分の好きなものに賛否両論があると。いまだにそれを「人それぞれだからね」で済ませられないんです。「この素晴らしさに気づいたほうが面白いのに」って悲しくなる。今は自分の息子たちに対して「高校生くらいになったら見せる、そのときはきっとわかってくれるはず」って、そういう希望を抱くようにしてます(笑)。

──あはははは(笑)。

左からオードリー春日、ロバート秋山。

とりあえずメンバーとは共有したいなって思ってたので、あのアー写はやれてよかった。でもプライベートでやってるSNSで「ドキュメンタル」の感想をつぶやいたりするんですけど、いまだに観てない奴がいるんですよ。「どんだけアンテナ低いんだ、お前ら!?」っていう。自分のバンドでは傷つきたくないから深追いはしないんですけど、Twitterで「ドキュメンタル」で検索してますからね、関係者でもないのに(笑)。「LOVE LOVE あいしてる」(フジテレビ系)とか「学校へ行こう!」(TBS系)が何年かぶりに復活したときのほうがTwitter住民は盛り上がってましたからね。こうなったら「ドキュメンタル」もジャニーズ大会をやるしかない。

──それは話題になりそうです。

「M-1グランプリ」で優勝すると“時の人”になるじゃないですか。それと同じぐらい「ドキュメンタル」の出演者たちも、もっと再評価されていいと思っていて。これをきっかけにドカーンとさらにバカ売れするくらいの爪痕残してると思うんですけどね。

シーズン3もいいメンツ揃ってる

──亮君さんがすごく深く「ドキュメンタル」について考えていることがわかりました。

あと、やってほしいなと思っているのが、「ドキュメンタル」体験VR。あの空間に視聴者も参加者として混ざる。で、笑っちゃうとVRのセンサーが反応してAmazonから罰金の請求が届くシステム。最後まで笑わずに視聴できた人はプライム会員1年間無料とか(笑)。本編では映ってない角度でいろんな芸人のいろんな表情が見られるから面白いと思うんです。

レイザーラモンRG

──面白そうですね! 振り向いてジミーさんがいたら瞬殺だと思います(笑)。シーズン3はもうご覧になりましたか?

すいません、それがシーズン3始まってたことに気づいてませんでした(笑)。結局自分もアンテナ低かったっていう(笑)。

──今回は「ゾンビタイム」という、一度退場した芸人がバトルに復活できる新ルールが導入されています。

「ボンバーマン」でいうところの、死んだら外野から爆弾投げられるみたいな。

──「みそボン」ですね(笑)。賞金は出ませんが、残っている出場者全員を笑わせられたらノーゲームになります。

いいですね。余力残して負けてしまうのはもったいないと思っていたので。大荷物抱えて帰っていく芸人もいるじゃないですか。「あのバッグの中にはどんなネタが仕込まれていたんだろう」って気になってましたから。

──それが「ゾンビタイム」で披露されているかもしれませんね。今回はどなたに期待されますか?

プラス・マイナス岩橋

くぅちゃんは昔から好きなので応援しちゃいますね。極楽とんぼの山本さんも気になります。(出演者一覧を見ながら)プラス・マイナス岩橋さんっていうのは……?

──「やっちゃいけない」って言われるとやりたくなっちゃう方です。

ああ! 危ない人だ! ほぼ病気の(笑)。面白そう。今回も曲者なメンツが揃ってますね。この回も絶対好きだな。

Contents Index
テレビっ子・てれびのスキマと「ドキュメンタル」徹底解剖
マキシマムザ亮君が語る「ドキュメンタル」
岡井千聖が語る「ドキュメンタル」
Amazonオリジナル作品
「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」
シーズン1
Amazonオリジナル作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン1

出演者
FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / ダイノジ大地 / 野性爆弾くっきー / 東京ダイナマイト・ハチミツ二郎 / とろサーモン久保田 / 天竺鼠・川原 / トレンディエンジェル斎藤 / マテンロウ・アントニー

シーズン2
Amazonオリジナル作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン2

出演者
FUJIWARA藤本 / 宮川大輔 / ジミー大西 / バナナマン日村 / アンジャッシュ児嶋 / バイきんぐ小峠 / 森三中・大島 / ダイアン津田 / 平成ノブシコブシ吉村 / ジャングルポケット斉藤

「ドキュメンタル」シーズン2特集
シーズン3
Amazonオリジナル作品「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」シーズン3

出演者
極楽とんぼ山本 / TKO木下 / ケンドーコバヤシ / 野性爆弾くっきー / フットボールアワー後藤 / サンドウィッチマン伊達 / ロバート秋山 / レイザーラモンRG / オードリー春日 / プラス・マイナス岩橋

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マキシマム ザ ホルモン
マキシマム ザ ホルモン
1998年に東京・八王子にて結成された、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)、上ちゃん(4弦)、ナヲ(ドラムと女声と姉)の4人からなるロックバンド。日本語の独自の語感表現と、意味不明に見えて実は奥深いメッセージ性を持つ強烈な歌詞、激しいラウドロックにPOPなメロディをMIXさせたサウンドスタイルという、唯一無二の音楽感が多くのファンを魅了し、芸能人のファンも多い。2013年アルバム「予襲復讐」はオリコンアルバムチャート3週連続1位を獲得し35万枚を超えるセールスを記録。2015年よりナヲが妊活に入り、バンドはライブ活動を一時休止。昨年9月にナヲが無事第2子を出産し、今年5月より「耳噛じる真打TOUR」でライブ活動を再開させた。東北3カ所を回る対バンツアー「上原組直系太会~東北ライブハウス大作戦ツアー」やブラジルとチリでの単独公演を控えるほか、国内のライブイベントにも多数出演が決定している。

2017年9月13日更新