男性ブランコとマユリカで2022年を振り返る「DAIBAKUSHOW2022」開催記念インタビュー

12月30日、東京・東京ガーデンシアターで開催される「DAIBAKUSHOW」は、年末恒例のお祭りとして定着しつつある吉本興業のビッグイベントの1つ。手がけるのは、よしもとの常設劇場以外で多彩な公演を企画する「よしもとライブ」のスタッフだ。コロナ禍の中で立ち上げられたこのライブが、客席に制限を設けない“フルキャパ”で開催されるのは今回が初めて。50組以上の豪華芸人たちによるパワー全開のステージが繰り広げられる。

この特集では「DAIBAKUSHOW」のあらましを紹介すると共に、出演予定の芸人の中から男性ブランコとマユリカを迎えたインタビューを掲載。いいことも悪いこともいろいろあった今年2022年を同期2組で振り返る。3ページ目にはフォトギャラリーも。終始賑やかだった撮影の様子を想像しながら楽しんでほしい。

取材・文 / 狩野有理撮影 / 草場雄介

「DAIBAKUSHOW」のあらまし

「YOSHIMOTO presents『DAIBAKUSHOW 2022』」ロゴ

2020年6月に開館した有明・東京ガーデンシアターは、7000人収容の“劇場型イベントホール”。どの座席から見ても臨場感たっぷりにライブを味わえるのが特徴だ。オープンの案内を見た「よしもとライブ」スタッフが「ここでお笑いイベントをやりたい!」と2020年12月30日を衝動的に押さえたことがことの始まり。しかし、やがて新型コロナウイルスが世界中で流行、吉本興業のお笑いライブも3000本以上が中止に。そんな中、スタッフがやけくそで「OWARAI is not DEAD!!!」とSNSに投稿。それがのちの「DAIBAKUSHOW」の合言葉となる。

同年夏、「こんな世の中だからこそ、とんでもなく盛大にたくさんの芸人を観られるお笑いのショーを作ろう」と改めて決意した5人のスタッフは、いろいろあった、いやありすぎた1年をそっくりそのまま笑いで吹き飛ばそうと「2020年ごと笑かしてやる!」をスローガンに、ライブを手作りで完成させる。コロナ禍の波に揉まれ、前日まで中止するかどうか悩んだ末、拡大防止対策として入場者は5000人まで制限。こうして第1回は無事に幕を下ろした。

大きな手応えを感じたスタッフはまたも衝動的に「2021年も同じ日程で貸してください」と東京ガーデンシアターをその場で予約。客席を90%まで減らしながら、2年目も盛況のうちに終了、「ぜひ恒例イベントに」という声が芸人からも寄せられたのが励みになった。そして2022年、ついに“全開”フルキャパシティで実施へ。世界中のエンタテインメント劇場をイメージしたステージとど派手な演出で、観客、演者の双方にとって最高の空間を用意する。

キャスティングもぬかりない。なんばグランド花月の看板、中川家と海原やすよ ともこを筆頭として、その年に大活躍、大躍進した若手も集める。今回、初出演となるのは、ビスケットブラザーズ、ネルソンズ、コットン、囲碁将棋、マユリカ、ダイヤモンド、カベポスター、天才ピアニスト、ヨネダ2000、もう中学生と、意外にもブラックマヨネーズ。彼らに加えてフットボールアワー、チュートリアル、笑い飯、千鳥、ジャルジャル、かまいたち、見取り図、シソンヌら、人気と実力を兼ね備えた芸人たちが揃って名を連ねているのだから、贅沢なことこの上ない。開場中や休憩中にも一芸を持つ芸人によるパフォーマンスタイムが。2022年の年の瀬、大爆笑して新年を迎えよう。

男性ブランコ×マユリカ
KOC敗退、母親から絶縁、いろいろあった2022年を振り返る

左から男性ブランコ浦井、男性ブランコ平井、マユリカ阪本、マユリカ中谷。

左から男性ブランコ浦井、男性ブランコ平井、マユリカ阪本、マユリカ中谷。

マユリカ中谷、昔から肛門で芸

──「DAIBAKUSHOW」2年連続出演の男性ブランコと、今年初出演のマユリカにお話を伺います。まずはお二組の関係について聞かせてください。NSC大阪校33期の同期ですが、在学当時から交流があったのでしょうか。

男性ブランコ平井 NSCにいた頃は正直、そんなにです。クラスも一緒じゃなかったですし。

マユリカ阪本 男ブラは一番上のAクラスで、僕らはBだったんです。見下してたもんな? 俺らのこと。

男性ブランコ浦井 見下してるかあ!(笑)

マユリカ中谷 確かに見下されている感じはありましたね。

平井 見下してないって! だってNSCのとき最初にお笑いの大会で決勝行ったのマユリカやったやん。今宮子供えびすマンザイ新人コンクール。俺らは1回戦で落ちてたし、見下すとかマジでない。Aクラスと言っても真面目に全部の授業に出ていたから、内申点みたいなものがよかったんですよ、たぶん。

中谷 男ブラがネタ見せで魔王の格好してたの、めっちゃ覚えてるわ。

男性ブランコとマユリカ。

男性ブランコとマユリカ。

──ネタ見せの授業で見て、面白いコンビがいるなと思っていたんですか?

阪本 ………………思ってました。

浦井 その間は思ってないやん!

中谷 あはははは!(笑) 思ってました、思ってました。

阪本 よくしゃべるようになったのは男ブラが東京に行ってからですね。

中谷 けっこう早めに東京に行ったから、そこまで大阪での思い出はないかなあ。一緒に遊びに行ったりもないよな。

阪本 浦井とは1回合コンに行ったことがある。2時間くらいの合コンで浦井が一言もしゃべらないという伝説を打ち立ててました。

浦井 しゃべってるって!

中谷 飯食うだけ? 邪魔やなあ。

平井 黙食?

浦井 今に先がけてないねん、俺。

平井 中谷の家に行ったこともあったな。中谷と阪本が同じマンションの上下に住んでいたとき。中谷が、なんか急に「俺、おしりでタバコ吸えんねん」って言い出して。別に見たいって言ってないのに(笑)。

阪本 お前ずっと肛門で笑い取ろうとしてるやん! 肛門使わな芸できへんの?

中谷 (笑)。同期が遊びに来てくれたから、もてなさなあかんと思って俺もがんばったんや。

男ブラは自然体、マユリカはがんばってない

──お互いをよく知る間柄ということで、それぞれがどんなコンビか紹介していただきたいと思います。最初にマユリカから男性ブランコを。

阪本 男ブラはどの現場でもマジで自然体。

中谷 確かに! 「ラヴィット!」(TBS)とか見てても、なんも緊張してない感じ。いつも通りの男性ブランコ。

浦井 そんなことないよ。めっちゃ緊張してる。

平井 むちゃくちゃよ、あれ。

男性ブランコ(真顔)

男性ブランコ(真顔)

男性ブランコ(大爆笑顔)

男性ブランコ(大爆笑顔)

阪本 あ、ちょっと今こっちのターンなんで黙っといてくれる?

浦井 リアクションくらいしてもええやろ(笑)。

阪本 YouTube撮ってるくらいの感じで、さらっとテレビに出てる。「平井、緊張してるやん」とかあんまり思ったことないです。

平井 そうかなあ、緊張してるけどなあ。

阪本 (小声で)口出すなよ……。

平井 (笑)。

中谷 楽しそうに仕事してるよな。いつ会っても楽しそう。

平井 「楽しい」はあるかな。

──どんな仕事も楽しめるタイプ?

浦井 楽しめる仕事を今のところはやらせてもらっているという感じです。

平井 「むっちゃきつかった」という経験はあまりないですね。現場に行くまでの道のりが長くて体力的にきついことはありましたけど、内容的には全部楽しい。

中谷 マジ? ええなあ、それ。

──では次にマユリカの紹介をお願いします。

平井 ずっと面白いと言われていて、実力も、今は人気もあるコンビですけど、唯一の欠点が「がんばってない」。賞レース前でも2人で仲良くパチンコとか行ってたんですよ。昔から純粋な面白さでは誰も勝てなかったし、がんばりさえしたら誰よりも早くトップに立つコンビなんですけど。みんな言ってました、「なんでがんばらへんの?」って。

中谷 誤解を生むって! どんだけこいつらサボってんねんってなるやろ。

マユリカ(真顔)

マユリカ(真顔)

マユリカ(大爆笑顔)

マユリカ(大爆笑顔)

平井 サボってはいないのかもしれないけど、2人でゴニョゴニョしてる時間を削ってがんばればいいのに。

阪本 「2人で」とかも言うなよ。

平井 でも最近はすごく活躍しているので、今はがんばってるっていうことなんでしょうね。

──がんばった結果、今の人気につながった?

浦井 いや、まだがんばってないかもしれないです。

阪本 がんばってますよ。

浦井 世の中が勝手に合ってきただけで。

平井 芸歴12年の間にこのスタイルを世間になじませたんだ。逆にこのままがんばらないほうがいいのかもしれない。

浦井 幼なじみで、ずっとそのノリでいたのがそのまま世間に受け入れられているのはすごいなと……。

阪本 泣く?

中谷 泣いてくれるの?

浦井 なんで俺マユリカで感極まらなあかんねん。

──がんばっていない状態でこの活躍ぶりだとしたらすごいです。

阪本 がんばってますよ。男ブラは大阪のテレビあんまり出てないから知らないと思うけど、15分のVTR作るのに10時間撮んねんで?

浦井 あはははは!(笑) そんな牛の出産の貴重映像みたいなことやんの?

平井 (ドキュメンタリー映画の)「アース」とか撮るときのやつやん。

阪本 9時間45分カットやからね。

平井 東京でマユリカと会うといつも身体がボロボロなのは10時間ロケとかのあとだからなんだ。

中谷 そうやで。空中ブランコしたり。

浦井 大阪で痛めつけられた状態で東京に来てるんや(笑)。