お笑いナタリー Power Push - バナナマン
等身大になってきた
やらなかったネタの面白いところを入れている
設楽 「赤えんぴつ」はいつも一番最後まで放っておくんです。やるかどうかも決めないくらい。
日村 台本もあるけど、そんなに練習しなくてもそのまんまいけますから。
──今回もひーとんのタンクトップが引きちぎられてましたね。
日村 それも決まってないんです。破りたくなったら破ってくださいっていう程度に思っています。
設楽 でも最近、赤いタンクトップがなくなってきてて! だからこれをグッズとして作ろうっていう話をしています(笑)。
──MCや歌の内容というのはどうやって決めているんですか?
設楽 「赤えんぴつ」はライブのテーマを一番反映できるネタでもあって。あと、実はやろうと思ったけどやらなかったネタの面白いところを入れることも多い。今回MCで2人が話している「毒」に関するネタを、もう何年も前から3、4本を書いているんですが、単独でやるっていうところまでなかなか到達しなくて。そういういろんな要素をぶち込めるっていう意味でも「赤えんぴつ」って使い勝手がいいんですよね。
昔は背伸びしていた役にだんだんあってきた
日村 ラストのネタ、毎回好きなんですよ。ほかのコントと違ってお話の世界があるから、その登場人物になってる感じが楽しい。昔だったらちょっと背伸びしてたような役どころも、だんだん自分たちとあってきて、今はだいぶ等身大になっていますし。でもお芝居じゃなく、コントなので、いいバランスでやりたいなって思います。
設楽 頭に「悲しくてやりきれない」の口笛を吹いていて、エンディングにこの歌が流れるんですけど、結局のところこのネタに出てくる2人って最後まで何も救われてないんですよね。そういう切ない感じをやりたかった。
──苦労されたのはどんなところですか?
設楽 最後は毎回ストーリーがしっかりしているものにしたいんですが、これがなかなか大変で。考えていることは昔から変わらないので、ちょっと気を緩めるとこれまでにやったものと似通ってきちゃう。あとはもっと時間かけてやらないとなって思います。できあがらない、覚えるのに時間かかる、やってみたら思っていたのと違った、とか。毎回反省はあります。
──ラストのロングコントはある程度流れができてから稽古に入るんですか?
設楽 全体的にできあがってから、がっつりやります。
日村 2人であわせるのはラスト1週間くらいです。
設楽 それまでは台本を書いて、直して、できたところから日村さんに渡して。やり始めると台本とまるっきり変わっちゃうこともあるから、「覚えなくてもいいよ」って言いながら渡すときもあるよね。
日村 ある(笑)。でも一応やってみますけどね。
設楽 日村さんは“日村王国”っていう極寒の別部屋にいて、そこに渡しに行くんです。
日村 冷房18℃の“日村王国”ね(笑)。
──なぜ日村さんは別部屋に?
日村 練習するときに声を出したいんです。
──その温度設定はなぜ……?
日村 いや、ただ暑がりなだけです!
──なるほど(笑)。できあがった台本にあわせて実際に動いてみて、流れやセリフを変えることもあるんですよね。
設楽 あります、あります。どんどん変わるよね。
日村 うん。ギリギリまで変わっていきます。
──日村さんが台本を読んで「こうしよう」と提案することはあるんですか?
設楽 基本は、日村さんから何か意見を出すっていうより、俺が「ここどうしようか?」って言うと「こうは?」って返してくれます。聞いたときだけ助言をくれる師匠みたいな。
日村 あっはっはっは!(笑)
別ジャンルで活躍する人たちに刺激された2016年
──「腹黒の生意気」が開催された2016年を振り返るとどんな1年でしたか?
設楽 2016年って言われても、あっという間で「何やったっけ?」って思っちゃいますね。このライブも「やったのか?」っていうくらい。
日村 ライブやったら1年あっという間に終わるからね。
──そんな中で、お二人の「2016年一番刺激を受けたもの」をお聞きしたいんですが。
設楽 なんだろう……。「君の名は。」かな。あれは面白い。
日村 あっはっはっは!(笑) 「あれは面白い」って、みんな知ってるよ!
設楽 (笑)。すごい噂になっていたので観に行ったんですが、久しぶりに「なんだこれ!」っていう感情になりました。新宿・代々木近辺の馴染みのある風景が出てくるのと、新海誠監督が俺とそんなに年齢変わらないっていうので、ちょっと悔しくて。全然ジャンルが違うのに、変な感情が芽生えましたね。
──闘争心のような?
設楽 いやいや、対抗する気持ちはまったくないんですが、「こんな面白いもの作る人がいるんだ」って刺激にはなりました。
──日村さんはどうですか?
設楽 あれ? ちょっと待ってください。俺……カッコ悪くないですか?(笑) 「2016年面白かったもの」が「君の名は。」って、スーパーメジャーなやつ言っちゃった。
──スーパーメジャーな作品に設楽さんが刺激を受けるって、すごくいいお話だと思いました。
設楽 じゃあいっか(笑)。
日村 僕はMCを務めている「バナナ♪ゼロミュージック」(NHK総合)でミュージシャンの方の生演奏を観ると毎回興奮します。中でも奇妙礼太郎さんはすごくカッコよかったですね! もう震えるぐらい。底知れぬ感じがしました。影響を受けてどうなったっていうことはないですけど、単純に「すげえな」って感心しちゃって。
──「腹黒の生意気」のエンディング曲を歌っているの、奇妙礼太郎さんですよね。
設楽 前から好きで、ライブでよく使わせてもらってます。
日村 歌を聴いたことはあったんですけど、生で観たのは「バナナ♪ゼロ」が初めてで。面白い人だなあと思いました。
設楽 たしかに、「NHK紅白歌合戦」のウラトークもそうですけど、音楽の分野の方だったり、違うジャンルの方たちと接すると刺激をもらいますね。
収録内容
本編
- Haraguro no Namaiki
- cuckoo costume party
- karaoke
- panic Attack
- 赤えんぴつ
- The pitiful two in the Philippines
映像特典
- ゲーム
- クシャミでカップ焼きそばは眉間につくのか?
- パーカー
- 仮装体操
発売記念イベント開催!
日時:2017年2月18日(土)13:00~
会場:東京・タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
イベント参加券はタワーレコード渋谷店または新宿店の店頭で「bananaman live 腹黒の生意気」を予約および購入した人に先着で配布。参加者にはオリジナルクリアファイルをプレゼント。
※参加券は配布終了
バナナマン
左 / 設楽統(シタラオサム)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県
所属:ホリプロコム
右 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県
所属:ホリプロコム