お笑いナタリー PowerPush - バナナマン
最新単独ライブ「Love is Gold」徹底解剖
毎年夏に単独ライブを開催しているバナナマン。今年2014年は「bananaman live Love is Gold」というタイトルのもと、東京・俳優座劇場で4日間にわたって会場を沸かせた。来年1月14日には、この単独ライブの模様を完全パッケージしたDVDが発売される。お笑いナタリーでは、各コントにまつわるエピソードを2人に聞くことにした。
お金と愛をテーマにした今回のライブでは、あるコントで涙する観客も多かったと振り返る2人。これまでのネタ作りとの違いや、今の年齢だからこそできるコントの話などを、ざっくばらんに語ってくれた。
取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 小坂茂雄
全体的に構成とか含めて本当にいいライブ
──毎年恒例の単独ライブ、今回個人的には最高傑作じゃないかと。
設楽統・日村勇紀 ありがとうございます!
──この忙しさの中、この……。
設楽 このクオリティでしょ?(笑)
──あはははは(笑)。そうです。
設楽 確かに毎回DVDを作るとき最終的にチェックとか直しとかやらせてもらうんですけど、今回は全体的に構成とか含めて本当にいいライブですよね。改めて映像で観てみて、そう思いました。
──今までと何か違うチャレンジはありましたか?
設楽 何か違うチャレンジ……。うーん、ないよねぇ、アッハッハ(笑)。でも、過去にやった自分たちのネタを、それから時が経ったっていう設定でやれるのは、ずっと続けてきた強みがあるかもしれない。「the Supernatural」に出てくるヒムドンなんか、過去やったネタ(単独ライブ「wonder moon」などで披露)なんですけど、“大人になった、のび太くん”みたいなことができたかなって。
──以前、コントの台詞がだんだん覚えられなくなってきたとおっしゃっていましたが。
設楽 そう、もう年々覚えられなくなってきました。
日村 これ以上覚えられない。
──そのことによってネタの作り方は変わったりしていますか?
設楽 もう、どんどんカットするっていう。
日村 はははは(笑)。確かに、設楽さんはカットするようになったね、昔に比べてね。
設楽 昔はもっと馬鹿みたいに長くしゃべったりしてましたけど、いい意味で刈り込むようになったというか、いらない部分を削るようになりました。あと昔はとにかく練習量が圧倒的に多かったんだよね。
日村 多かったねー。
設楽 1本のネタを何回も何回もやるっていう。でも最近は本当に時間がない。
日村 どうしても、やっぱり「ノンストップ!」(フジテレビ系で月曜から金曜まで帯で放送されている、設楽メインMCの情報番組)の関係で、夜中に練習できなくなるっていうのがあって。
設楽 それまでは夜中から朝方にかけてっていうのが稽古の時間だったんです。だけど今は1回家に帰るから。
日村 設楽さんが帰ると、俺も含めてまだみんないるんだけど、やる気がなくなる(笑)。何なんだろう。やっぱ誰か締める人がいないと。監督みたいな人がいるってのは必要なんですね。
──毎年ネタはこの単独ライブに向けて集中して作るというサイクルですか?
設楽 ここ10数年、そういう周期になってます。
──普段の生活の中で、「これコントにしよう」みたいなアイデアが浮かんだとき、どうやってストックされているのかと。
設楽 昔はノートを取ってましたけど、今はカッコいい言葉で言うとアウトプットする場所ばっかりだから。ストックできないんですよね。
日村 アウトプットって何?
設楽 出していくところばっかりってこと。要はさ、昔は吸収する場ばっかだったじゃん。人前で何かやるよりも。
日村 ああー、そういうこと。
設楽 「これネタにしよう」とかいうのも、すぐにラジオでしゃべったりバラエティでやっちゃったりとか。だから、俺らのいろんな番組とか見てる人は、「これ、あそこが元ネタだ」とか、「あそこで言ってたやつだ」とか、わかると思います。
CRAZY for YOU
ある女性を好きになった男(日村)が、いよいよ今日これから告白しようと意気込んでいる。ところが友人(設楽)が話を聞いてみると、男の常軌を逸した行動の数々が明らかになっていく。
設楽 前回の単独ライブは「Cutie funny」っていうタイトルで、女がテーマだったんです。今回のテーマは、金(かね)ですね。で、ゴールドだと。愛とかも一応テーマではあるんですけど、「Love is Gold」は響きで決めました。
──さらにその前は、ダイヤモンドとエメラルドとターコイズという宝石シリーズでした。女、金ときたら、次は……。
設楽 まだわからないですけど、仕事とか。いつもそういうざっくりした括りを決めてやっていて。ライブのタイトルが決まると、ネタが作りやすくなるというか、なんとなく動き出すんです。まあでも毎回、お金とか女とかは絡めないと作れないんですけどね。
──1本目のコントはどういう基準で選ばれることが多いですか?
設楽 短くてバーンって勢いよくV(幕間の映像)に行けるネタです。オープニングのネタとラストネタは、ある程度ライブ全体の構成を考えて作ってます。
設楽 これは独白系のネタですね。
日村 独白ものは、台本が来たときに、「わぁ、来ちゃった」っていう恐ろしさがあります。
設楽 でもこれは比較的そこまで大変じゃなかった。
日村 過去の独白ものに比べたらだいぶ楽かな。かなり前からやってるもんね、独白ものって。間違えられないプレッシャーみたいなものはあるけど。
──このネタでは設楽さんが5役を演じ分けていました。頭の切り替えが大変なのでは?
設楽 いやいや、全然大変じゃないですよ。このネタは日村さんのほうがずっと大変なんです。でも途中で俺に動きを付けたんだよね。
日村 そう。それで、なんかいい感じになった。わかりやすくなったというか。
設楽 俺なんか全然、あんなのキャラクター変えてるうちに入んないでしょうね。
──「愛とお金、大事なのはどっち?」という、今回の単独ライブに通底するテーマはちょっと哲学的でもあります。日頃からそういうことを考えたりしますか?
設楽 そんなに真剣には考えないですよね、ライブのネタを作るときほどは。でもこのシリーズ的にいうと、普通の人が考えるような、お金だったり恋愛だったりっていうのをテーマにしてるから、より身近に感じてもらえるかなって。みんなお金とか、そういうことも考えなきゃ生活できないですもんね。
次のページ » the Supernatural
- DVD「bananaman live Love is Gold」2014年12月17日発売 / 2015年1月14日発売 / 4104円 / ホリプロ / HPCG-0011 / Amazon.co.jp
- DVD「bananaman live Love is Gold」
収録内容
本編:CRAZY for YOU / wish / the Supernatural / AKEMI / 赤えんぴつ / LOVED ONE
映像特典:50音ゲーム / ノーリアクション日村 / 日村勇紀の「ネクタイ芯抜き講座」/ アダ名
DVD発売記念イベントも!
日時:2015年1月17日(土)13:00~
会場:東京・タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
参加方法:タワーレコード渋谷店および新宿店にてDVD「bananaman live Love is Gold」を予約または購入すると、先着で整理番号付イベント参加券が配布される。
バナナマン
左 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県
所属:ホリプロコム
右 / 設楽統(シタラオサム)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県
所属:ホリプロコム