ナタリー PowerPush - バナナマン
DVD「emerald music」完成 2人が語る最新単独ライブ
設楽のSヤバいぞ
──今回のDVDにも設楽さんが日村さんを攻める場面が出てきます。このところ設楽さんのドSぶりがどんどん加速してるように見えるのですが、実際はいかがですか?
日村 Sぶりは変わってないと思います。ただ、それを見せる場は確実に増えましたね。俺だけじゃなくなってきたというか、ほかの人にもやりはじめて周りもそれを認め出してるから。「設楽のSヤバいぞ」って。
設楽 僕自身はそこまで自分がSだって思ってないんですよ。なんなら愛情に溢れてるって思ってますからね。いつかドMの人と知り合って喜んで近寄ってきたときに、「そんなSじゃないじゃん!」ってがっかりされると思いますよ。
──でも、かなりのSですよね?
日村 Sですよ、そりゃ。だからって闇雲に人をぶってるわけじゃないんでね。やっぱり笑いが起こるから、こっちも別に「もうやだよー」とは思ってないですけど。時折すげえのがあります。「こんなにビンタする?」っていうくらい。
設楽 これはもしかしたら考え方かもしれない。俺が多少Sだとしても、日村さんが世界のトップレベルのドMだとするじゃないですか。だとしたら、ドMが動き回ってるのをただ追いかけてたらすげえSに見えるっていうだけじゃないかなって。今回だったら、たとえばスタンガンを使うところで、日村さんのケツにビビって1回あてるんですけど、実は野球用のスライディングパンツに薄いゴムを仕込んでるんです。電気がこないように。でも最初のうちはそれを履いてたんですけど、後半、自分から「脱ごうかな」って言いだしたんですよ。
日村 あっはっはっは!
設楽 「やっぱさぁ、面白くないよね」って。別にあろうがなかろうが観てる人には変わらないんですよ。でも自分の中で嘘のリアクションをしてるのが許せないみたいで、後半は1回もそれ履かなかったんです。さてどっちが、っていう話ですよ。
──あはははは(笑)。
設楽 でも俺はその「脱ごう」って言った日村さんはすごい好きですけどね。
──心意気というか。
設楽 そう。アガる。日村さんが脱ぐことによって周りもアガりますからね。
日村 そうそうそう。
──マネージャーさんからのストップとかはないんですか? 危険というか。
日村 スタンガンずっと「ビビビビビー」って当てっぱなしは危ないですよ。でも、「パーン!」だから。絶対大丈夫です。
設楽 ネタに関してマネージャーストップなんて入るわけないです。
日村 絶対ないです。
設楽 だって俺らが決めることだから。止めるもなにも、ここで「ナイフで刺しちゃおうか」とかいうことを言うわけではないんで。危険にチャレンジしてるグループじゃないから(笑)。
日村 これは若干の行き過ぎのほうが面白いんですよ。ちょっとヤバいくらいのほうが。ねえ?
設楽 まあね。だからそのラインが難しいんです。コントを作ってても、やっぱりすごく常軌を逸脱するものだったり、すごい練習してるものだったり、ほかで観られないものを観るから感動するし金も払うと思うんです。だけど、行き過ぎると、「だったら刺しちゃおうか、こんなの観たことないよね」ってことになって、誰も望んでいないものになっちゃうっていう。観る人が面白いっていうのは常に考えてますけど、自分たちが楽しいっていうのも一番ですからね。
単独ライブでの新しいチャレンジ
──今回新しくチャレンジしたことは?
設楽 今回は日村さんが嫌な奴っていうコントかな。自分たちの中では珍しいです。俺らね、ありがたいことに1年目から毎年単独ライブをやらせてもらってるんですけど、これが何年か空いていると「外せない」っていうのが出てくると思うんですよ。でも毎年やってるから、「今回これを試してみよう」とか、「去年こういうのやったから来年これにしてみようか」とかできるから。
日村 たしかに強みだね。
設楽 「5年ぶりに単独やります!」とかだと、自由度が低くなるんじゃないかなって思うんですよ。だからそういう意味では、そのとき思ったことをやれるっていうのはわりと自由度が高くてラッキーだなーとは思います。苦しい反面。
──ライブのアンケートにはどんなことを書かれることが多いですか?
設楽 一番多いのは「日村さんの髪きれい」ですね。
日村 それ一番多い!? 悲しいよ、それが一番多かったら。
設楽 「そこ言う?」みたいなこと、いつも書いてあるよね。
日村 「こんだけ見てきて、髪?」っていうね。でも、「今年もこの時期が来て……」みたいな、「待ってました!」的な感じで1年のイベントに組み込んでくれている人もいたり、初めて観た人には「こんなことやるんですか」って驚かれたり。いろんな感想があるよね。
設楽 DVDにも入ってますけど、ネタとネタの間に流すVTRの印象って強いんですよね、やっぱ。それが面白かったりすると、「VTRが一番面白かったです」ってなっちゃう。それも俺らが作ってるやつだし、やってるものだからいいんだけど、やっぱ生のネタがそれに勝てないていうジレンマが生まれてきちゃう(笑)。そことの戦いみたいなものはあるかな。
収録内容
- Disappointed
- ぬるぬる
- Emerald lizard & salamander
- Ashamed
- 赤えんぴつ
- Irritating man
収録時間:本編約140分
映像特典:コントの合間に上映された幕間映像を4本収録
初回プレス分:「日村・設楽 金のTシャツ」が当たる応募ハガキ封入(公演中に販売していたTシャツの別バージョン)
バナナマン
左/設楽統(したらおさむ)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県
右/日村勇紀(ひむらゆうき)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県
所属:ホリプロコム